スキンケアといったら、「女性がするもの」と考える方も多いと思います。しかし、それは古い考え方で、現代では男性でスキンケアをしている方も増えています。よくよく考えれば、肌の大切さに女性や男性という性差があるはずありません。きれいで若々しい肌を保ちたいと思うのは、老若男女問わずみんなが思っておかしくないことなのです。
とはいえ、男性の中には「スキンケアに興味はあるけど、やり方がよくわからない」という方も多いと思います。そこで今回は、メンズスキンケアを始めたいと考えている方に向けて、メンズスキンケアの重要性や、やり方のポイント、手順などについてご紹介します。

メンズスキンケアって必要？

スキンケアは女性がするもの、というイメージが強いと思います。昔から女性のほうが男性よりも美意識が高い傾向にあるというのが理由ですが、実は、それ以外に、女性ばかりがスキンケアをする理由はありません。どういうことかというと、スキンケアは女性がするもの、というのは、ただの意識の差でしかないということで、男性がスキンケアをする必要はないという科学的な根拠にもとづくものではないということです。
男性であろうと女性であろうと、人間の肌であることには変わりがありません。年齢とともに変化していくものですし、外部からたくさんの刺激を受けたり栄養不足になったりすれば、どんどん衰えていくものなのです。
スキンケアは女性がするもの、という先入観を破壊して、男性も進んでスキンケアをしていくようにしましょう。

むしろ男性の肌は女性と比べて乾燥しやすく、また毎日髭をそったり日焼け止めの習慣がなかったりするため、率先してスキンケアをするべきとも言えます。特に乾燥は肌トラブルを多く引き起こすお肌の大敵です。シミやシワ、ニキビなどができてしまうことがあるので、やはり男性も積極的にスキンケアをするべきだと言えるでしょう。

・男性の肌の特徴
皮脂の分泌量が女性の3杯
水分量は女性の3分の1
シェービングを毎日することで肌に負担がかかっている
日焼け止めをしない傾向にあるため紫外線の影響を受けやすい
肌に厚みがあるため、シワやシミができやすい

スキンケアに使うもの

スキンケアを始めようと思っても、これまでスキンケアをしてこなかった人であれば、まずなにから準備すればいいのかわからないということもあると思います。
そこでここでは、スキンケアで行うことや、そのとき使うものについて簡単にご紹介します。

洗顔
スキンケアのファーストステップは洗顔です。読んで字のごとく顔を洗って皮脂汚れなどを流し落とします。
人間の肌は、空気中を漂おうホコリや排気ガスなどにさらされることで汚れてしまいます。それに加え、汗や皮脂といった、自分の体から出てくるものによって汚れても行きます。皮膚にのった汚れは雑菌などの餌になり、肌トラブルの原因になるのです。体臭が発生するなどの副次的なトラブルが起こることもあるかもしれません。
また、肌に汚れが残っていることで、スキンケアの一環として使う化粧水や乳液が肌に浸透してくれなくなります。
そのようなことが起こらないために、洗顔をするのです。洗顔料を使うことでよりはだの　汚れを落としやすくなります。ただし、汚れを落とそうと洗浄力の強すぎるものを使ったり、ゴシゴシと強くこすったりするのはNG。一日に何度も洗顔をするのも避けましょう。必要な皮脂まで洗い落とされてしまい、肌がより乾燥しやすくなってしまいます。多くて朝晩2回までにしておくのがベストです。

洗顔のポイント
・強くこすらない
強くこすると、肌を傷つける要因になりかねません。洗顔をする際は、優しくなでるようなイメージで行うようにしましょう。
・洗顔料は手のひらで泡立てる
洗顔料を使う場合、顔でこすりながら泡立てる方もいるかもしれません。しかし、この方法では肌に余計なダメージを与えてしまうことになります。洗顔料は手のひらで泡立て、泡を載せるイメージで顔を洗うようにしましょう。
・洗顔は2回まで
前述もしていますが、洗いすぎはNGです。朝、入浴時など、洗顔は多くても1日2回までにとどめておくようにしましょう。

化粧水
化粧水というと化粧品であると思い込んでいる方もいるかもしれませんが、化粧水はスキンケアグッズのひとつでもあります。化粧水の目的は肌の水分や潤いを保つことです。男性の肌は女性よりも圧倒的に水分量が少なく、乾燥しやすい状態になっています。肌のうるおいは肌を外的なダメージから守るガードの役割も担っており、乾燥が進むと、肌は外的なダメージを受けやすくなってしまうのです。
また、洗顔をすると、その直後肌はバリア機能などを失った状態になってしまいます。そのような肌にうるおいを与え、その潤いを逃げないようにしてくれるのが、化粧水です。
化粧水は、基本的に洗顔をした後に使います。洗顔をせずに化粧水を利用すると、肌に残っている汚れのために化粧水が肌に浸透していきません。肌にうるおいを与えることができず効果が半減してしまうので、化粧水は必ず、洗顔をした清潔な肌に使うようにしましょう。
また、乾燥肌の方や、肌のかさつきやつっぱりが気になる方は、化粧水とあわせて保湿美容液を使うことをおすすめします。保湿美容液には高い保湿成分が配合されており、肌のかさつきやつっぱりを解消してくれます。保湿美容液は化粧水を使った後に利用するようにしましょう。

化粧水のポイント
・洗顔の後に使う
汚れがあると化粧水の効果が半減します。洗顔をして肌を清潔にしてから使うようにしましょう。
・あわせて保湿美容液を使うと効果アップ
化粧水の後に保湿美容液を使うことで、乾燥をより改善しやすくなります。化粧水→保湿美容液の順番で使うようにしましょう。

乳液
洗顔と化粧水を使ってスキンケアは終わり！と思い込んでいる人が多いようですが、スキンケアの効果を充分に出すためには、乳液を使うことが大切です。乳液は肌に蓄えられた水分を外に逃がさないようにする目的で使います。肌にしみこんだ水分を、油や保湿成分などでふたをするというイメージを想像するとわかりやすいでしょうか。
反対に乳液を使わないと、肌に入った水分はどんどん蒸発してしまいます。つまり、せっかく化粧水で潤いを与えたにも関わらず、乳液を使わないと、その水分がどんどん失われていくということです。お風呂の栓をせずにお湯を注いでいるようなものです。
スキンケアの効果を最大限出すためにも、化粧水をした後は、乳液を使うようにしましょう。

乳液のポイント
・化粧水を使った後に使う
乳液は化粧水で蓄えた水分を外に逃がさないようにするためのグッズです。つまり、まずは肌にうるおいを与える必要があります。乾燥した状態の肌に乳液を使ってもそれほど効果は実感できませんので、乳液は化粧水を使ったうるおった状態の肌に使用するようにしましょう。

スキンケアグッズの選び方

スキンケアを始めるにあたり、用意すべきグッズがあります。とはいえ特別なものありません。ここでいうスキンケアグッズとは、洗顔料、化粧水、乳液です。
洗顔料、化粧水、乳液にはいろいろな種類があり、使う人の肌質やその日の肌の調子などによって使い分ける必要があります。洗顔料、化粧水、乳液、それぞれの選び方を見ていきましょう。

洗顔料は洗浄力の強すぎないものを選ぶ
男性の肌は女性よりも乾燥しています。また皮脂の分泌量が多いことも特徴です。皮脂の分泌量が多いことで、お肌の環境が狂い、より肌が乾燥しやすくなってしまいます。
このことからもわかるように、男性と女性では肌質が違うのです。評判の洗顔料だからといって女性用のものを使うと、あまり効果が得られません。
男性の場合は乾燥肌を防ぐためにも、洗浄力のあまり高くないものを選ぶ必要があります。皮脂の分泌量も多いのだから、強い洗浄力のものを選びたくなりますが、洗浄力が強すぎると、必要な皮脂まで洗い落としてしまい、肌トラブルが発生しやすくなるのです。もちろん乾燥しやすくもなり、それだけではなく、必要な皮脂がなくなってしまうことで体が皮脂不足を感じ、よりたくさんの皮脂を分泌するようになってしまいます。
肌の調子をキープして乾燥肌が進んでしまわないよう、洗浄力の強すぎない洗顔料を選ぶようにしましょう。
ココイルグルタミン酸Na、ココアンホ酢酸Naの配合された洗顔料がおすすめです。反対に、ラウレス硫酸Naやラウリル硫酸Naは洗浄力が強すぎるので、それらの成分が入った洗顔料は避けるようにしてください。

化粧水は保湿成分が配合されたものを選ぼう
化粧水の目的は肌にうるおいを与えること。乳液を使うとはいえ、化粧水の段階で、その潤いを逃げないようにしておきたいものです。化粧水はできるだけ、保湿成分が多く含まれているものを選ぶようにしましょう。
保湿力が高い成分には、主に以下のようなものがあります。
・セラミド
・コラーゲン
・ヒアルロン酸
化粧水を選ぶ際は、上の成分が配合されているかどうかチェックするようにしましょう。

乳液も保湿成分がたくさん含まれたものを選ぼう
乳液は保湿を目的に行うものですので、できるだけ保湿成分が高いものを選ぶ必要があります。
女性の場合は皮脂の分泌量が少ないため、油分が多く含まれている乳液が多く発売されていますが、男性は皮脂の分泌量が多く乾燥肌です。乳液を購入する際は、油分ではなく保湿成分に注目しましょう。
保湿成分としての注目すべきなのが、化粧水と同様、以下のような成分です。
・セラミド
・コラーゲン
・ヒアルロン酸
ほかにも、アミノ酸などが配合されたものや、メーカーごとに独自の保湿成分を配合したものもあります。

男性であってもスキンケアをすることは大切です。これまで水で顔を洗うだけだったというような方は、これを機会にスキンケアをしっかり行っていくようにしましょう。
化粧水や乳液を使っている時間がない、という方は、化粧水と乳液が一緒になったオールインワンの商品などもありますので、使ってみるようにしてくださいね。