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山﨑美津江さんは、日々の暮らしも、費目で整理

『帰りたくなる家 家の整理は心の整理』の著者・山﨑さんは、元祖スーパー主婦。『婦人之友』『かぞくのじかん』で家事アドバイザーを務めるほか、各地で講演もされています。「予算も予定も収納も、費目分けですっきり」という山﨑さんに「家計簿のある暮らし」を伺いました。

お金もモノも、置き場所が決まると悩みが減ります

 山﨑美津江さんは、1971年に22歳で学生結婚。6畳と4畳半の二間で新婚生活をスタート。家計簿との出合いは、長女を出産した1976年でした。それまでは基本的にはその日暮らしで不安だったのが、『羽仁もと子案家計簿』を使い始めてから、支出を費目で管理し、予算という「枠」の中でやりくりする面白さに目覚めたのだそうです。以来、40年を超えて記帳が続く家計簿を振り返り、生活の枠を決め、ライフプランで人生を見通したことで、教育費や住宅購入などの大きな支出に備えることができたと語ります。

「置き場所の決まらないモノは用途が不明。用途をはっきりさせれば、家の中は自ずと片付いていきます。置き場所さえ決まれば、家の中もスッキリ落ち着きます」(山﨑さん)

 山﨑さんは、モノの置き場所も、家計簿の費目別に決めています。例えば、食品などをストックしている食の棚には、重箱や大皿などのほか、乾物やパスタなど(副食物費、主食費、調味料費)の在庫を一目でわかるように収納。ラベリングはシニア用に大きい文字を使用。胸につけるネームカードを利用しています。

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 衣服はスカーフやアクセサリーもクローゼット(幅2m奥行1m)にまとめ、年2回の衣類整理でしまい込んでいるものはありません。玄関脇の靴をまとめた棚には、シューズケースに写真を貼って中身がわかる工夫を。家庭事務の棚には、住居・家具費、交際費、特別費に関する書類やモノをまとめています。こうすると、ストックなどの管理も楽になるだけでなく、置き場所に迷うこともなくなったそうです。

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写真『帰りたくなる家』p.54-55。  右から「住」「交際」の棚、「食」の棚。衣の棚は、右がシューズケースや来客用スリッパ、左が裁縫道具一式を収めた棚。

家事暦は家計暦

 山﨑さんは、家計の急所の一つは、お金の流れの見通しと、家族の予定の見通しを重ねて考えることだといいます。そこで、長年、山﨑さんが行っているのが、家計簿の費目ごとに予定を書き込み、お金の出入りの見通しも立てることです。年のはじめに、これをしないと、生活のエンジンがかからないそうで、いつでも確認できるように主婦室に張り出してあります。

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上記は「婦人之友」2019年12月号 p.45 より

「『家事家計篇』に、家計整理の法則と家事整理の原理法則は、その根本の精神においてはまったく同じ、とあります。予算も予定も一年をとおして考えることが大切。家族の誕生日、習い事の発表会、健診など、予定を書きだし、何月に何費からその費用を支出するのか、考えるために作った予定表が上の写真です。『よく考えられた予定のない家事は、家計でいえば帳面づけをしない支払いと同じことになります』『家計予算と、家事の予定が相合(あいがっ)して、私たちの家庭の事務的方面の生活が、はじめて健全なもの楽しいものになる』と、羽仁もと子は書いていますね。予算と予定は車の両輪、家計は暮らしの根なんです」(山﨑さん)

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 山﨑さんが所属している「相模友の会」(『婦人之友』の読者の集まり)では、「暮らしを変える時間とお金の使い方」が長年の合言葉です。時間を上手に使えないと、実はお金がどんどん出ていってしまうんです。

「時間の使い方を変えるには、まず、起床・就寝、朝・昼・夜の食事時間を決める。そうすると、自然と生活にリズムが出てきます。そして、1日のスケジュールが立ったら、”終わりの時間”を決めましょう。終わりが時間通りにいかないと、次の予定も時間通りに始められませんね。そのうえで、『何分で何ができるか』を実際に計ってみること。まずは、10分でできる”10分仕事″を増やしていくと、『いつかやろう』が『10分あるから、今やろう』と発想も変わり、時間に追われる生活が変わり始めます。そうして生まれた時間で、常備菜を作っておけば、忙しいからと市販のお惣菜を買うことも減りますよ」(山﨑さん)

山﨑美津江 Mitsue Yamasaki 
相模友の会(『婦人之友』読者の集まり)会員。家事アドバイザー。1948年、東京生まれ。長女出産後に友の会に入会し、整理収納、そうじの技術を磨く。家計簿歴は40年余り。2000年頃から自宅のオープンハウスを始め 、訪れた人はのべ800人を超える。『婦人之友』『かぞくのじかん』での家事、整理収納、そうじのアドバイスが好評。メディアでは“スーパー主婦”として活躍する。全国各地での講演や、自宅を公開して家事のアドバイスも。

講習会やまさき

山﨑さんの著書『「帰りたくなる家」家の整理は心の整理』は、婦人之友社から絶賛発売中です。

各地で「家事家計講習会」が開かれます

 毎年9月~12月に、各地友の会(『婦人之友』の読者の集まり)で「家事家計講習会」が開催されます。これからの家計をご一緒に考えませんか。『羽仁もと子案家計簿』の特徴や、クラウド家計簿kakei+カケイプラスの使い方の紹介も紹介。すぐに役立つ衣食住のヒントもあります(内容は、会場によって異なります)。お近くの会場は、全国友の会のホームページをご覧ください。

 

 


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