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花粉症デビューの絶望感

2019年3月15日、遂に花粉症デビューを果たした。

これまで何百回も見てきた知人友人の花粉症を患っている姿。自分は大丈夫だという意識だけが先行し、その苦しみに想像力を配ることは正直できなかった。

ふーんの連続。大変だね。花粉症じゃなくてよかった。

いやいやいやいや、実際になってみたら花粉「症」なんてもんじゃなく、ほとんど花粉「病」じゃないか。なんだこれ。目のかゆみ、滴り落ちる鼻水、鼻づまりによる口呼吸、そしてエクスプロージョンな怪音MAXのくしゃみ。

朝起きた瞬間に鼻がむずむずして、そこから人間が30%しか使い切れていない脳みその29%の意識を持っていかれる。何も考えられない。ただ過ぎ去ってほしい理不尽な感情。藁にもすがる思いでアレグラを仙豆感覚で飲み込むことしかできない。

病院に行って薬をもらったり、注射を打ってもらったり、食べ物を気をつけたりなど、改善に繋がる方法論はいくつかあるんだろうけど、絶望的な気持ちになるのは「え、これが毎年続くの?」という逃れなさにある。

日本の林業政策が憎い。奇しくもジモコロで林業取材を続けていたこともあって、山を取り巻く課題感に意識的なことも、また複雑な心境に繋がっている。里山の保全って地球環境にめちゃ大事だよ〜〜!と思っていたのが、とにかくスギの植林止めてくれ〜〜〜!!に変わってきた。町の若者たちを山に送り込んで、「稼げる木こり政策」を実施し、スギ山ハンターハンター的な世界を作れないんだろうか。

富裕層の花粉症の皆さん、ドーンと「稼げる木こり基金」に寄付をして、この現代病に立ち向かいましょう。スギ花粉を一発で治せる薬研究に投資した方が早いのかな。なんにせよ、花粉症になったことでこれまで他人事だった世界に関心を持つことができた。自分ごとにならないとイノベーションは起きないなんてよく言うけれど、花粉症のやる気減退力はなかなか厄介だ。

1982年生まれ。全国47都道府県のローカル領域を編集している株式会社Huuuuの代表取締役。「ジモコロ」編集長、「Gyoppy!」監修、「Dooo」司会とかやってます。わからないことに編集で立ち向かうぞ!