なぜ、経営者は膀胱が強いのか?

兼ねてから疑問だったことがある。

それは経営者の膀胱の強さだ。

言い換えれば、サシ飲みしているときのオシッコの頻度。3時間の飲み会があったとして、下っ端の自分「3」に対して、経営者は「1」しか行かない。頻度も少なければ、トイレに行ってから戻ってくる時間も早いのだからますます意味がわからない。

「もしかして経営者の器量と膀胱の強さは比例している…?」

そんな疑問を抱えながら気づけば5年が経過。自分なりにサシ飲みの経験値を蓄えて、飲みの作法にも詳しくなったと思う。ここ最近は、ありがたいことに年下と飲む機会が増えた。そう、立場が逆転したのである。

一杯目はビールを注ぎあって、二杯目以降はあえて曖昧に。大衆居酒屋なら生ビールよりも瓶ビール。量より質。お任せスタイルの居酒屋で、旬のつまみがテーブルにテンポよく並べられた日には「これはこれは…!わかってらっしゃる!」と、声を張ってお店を褒める。そんな気持ちの良い年下とのサシ飲みで気づいてしまったことがあった。

「あれ、相手の方が酒を飲むペースが早い…?」

「膀胱に自信のない自分よりも、相手が先にトイレへ…?」

経営者は膀胱が強いわけではなかった。年齢差、関係差の中で、ただただ年上の人間が長時間喋っているだけだったのだ。喋る時間が長い分、お酒を飲むペースが落ちる。年下は聞き手にまわるため、自然と手持ち無沙汰となってお酒を飲むペースが上がる…。

つまり早くトイレに行きたくなる。

もちろん喋りながらガンガン酒を飲む先輩経営者もいるだろう。ただし、場を支配する力があり、話すと止まらないタイプの人間は、自然とお酒のペースが落ちるのも事実だ。

同時に年を取っている側の方が、アルコールの処理が落ちてくるし、なんなら飲み会続きで体調崩しがちだし、それでも飲み続けている存在。それがいわゆる経営者という生きものなのかもしれない。

なんにせよ一方的に話しすぎるのはよくないので、若かりし頃のように聞き手でオシッコ頻度を高めていきたいと思う。






1982年生まれ。全国47都道府県のローカル領域を編集している株式会社Huuuuの代表取締役。「ジモコロ」編集長、「Gyoppy!」監修、「Dooo」司会とかやってます。わからないことに編集で立ち向かうぞ!