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海外のゲーム事情【韓国編】第1回

本日より、ニュルンベルク国際トイフェア(Spielwarenmesse International Toy Fair Nürnberg)が始まりました。Spielwarenmesseとはおもちゃのことで、10月のエッセンシュピールと異なりボードゲームだけでなく、おもちゃ全般を取り扱っています。ヨーロッパ最大のおもちゃショーで、EU圏内だけでなく、アメリカやカナダ、中国や台湾からも企業が参加していて、日本からはタミヤやバンダイが参加しております。

今回、いつも紹介している韓国のボードゲームメーカーが初参加していまして、企業規模が大きくなったのだなあと痛感しています。私が初めて海外のボードゲームイベントに行ったのは10年前のこと。その頃、韓国のボードゲームは、まだまだ模倣から抜けていない状況でした。それが、たった10年で世界でも指折りのおもちゃショーに出展するまでになったのです。
そこで、何回かに分けて、韓国のボードゲーム事情の偏移を書いていきたいと思います。どうぞお付き合いください。

私が初めて韓国に行ったのは2008年、第3回韓国ボードゲームコンに日本のゲーム関係者が招待されてのことでした。それまで憧れはあるものの海外旅行をしたことがない私は、GENCONやSpielに行くなんて考えられませんでした。そんなとき、ヤポンブランドや冒険企画局が韓国のイベントに招待されると聞いて、韓国なら近いからと理由で、同行することにしました。
前情報は全くなく、ただ会場が清渓川(チョンゲ川)公園で行われるということしか知らなかったので、近くにイベントホールでもあるのかな?と思って当日行ったら、なんと普通に屋外の公園だったのです!

10ほどのブースがテントに並んでおり、プレイ卓となるオープンカフェのようなテーブルが100余。一応ステージもあります。しかしながら、特にイベント開催の合図もないまま、なし崩し的に各卓で勝手にゲームのプレイが始まり開始となります。
初めてのことに戸惑いながら見てみると、ゲームを遊んでいるのはゲームマーケットで見るようなゲーマーっぽい人ばかりでなく、老若男女様々です。特に家族連れが多い印象でした。
ゲームはというと、ホッケーゲームやバランスゲーム、パズルゲームといった軽いゲームが多い印象でした。もちろん、プエルトリコのようなゲーマーズゲームも片隅で遊んでいます(大会もやっていました)。

さて、屋外ということで、もちろんイベントは天候に左右されるのですが、当日は風が強くて、かなり大変でした。というのも、当時、日本のゲームといえばカードゲームが主流で、持っていったゲームもすべてカードゲーム。当然、風が吹けば吹っ飛んでしまいます。ビニールシートを引いたり、重りを使ったりと工夫しながら遊ばないといけない状況は、ある意味良い経験でした。ちなみに、この時の体験が、外でも遊べるというコンセプトの「空飛ぶチーズ」が誕生するキッカケになったのです(本当)。
 イベントは、国が主催ということで、韓国のボードゲームの歴史のパネルコーナーもありました。簡単に紹介していきます。

ユンノリ(韓国すごろく)。現在でも遊ばれている、韓国の伝統ゲームです。2面体(半円状の棒)を4個振って進む、バックギャモン系とは違った進化をしたゲーム。

ファトゥ(花闘)。日本の花札が韓国に伝わったものです。札はそのままですが、小野道風が韓服を着てたり、赤丹にハングルが書かれていたりと、ローカライズされてます。日本と違って基本は3人プレイです。

ブルーマーブル。1982年に発売した、いわゆるモノポリークローン。発売当時大ブームとなり、ボードゲームの普及に携わったゲーム。現在でも、ボードゲームカフェに置かれていて、遊ばれています。

2000年以降に発売されたゲームたち。右上のレクシオや右下のピーパーは、大富豪のようなルールを牌でするゲーム。2000年台よく遊ばれていました。レクシオは、機会があれば紹介したいと思います。

その後、5年ほど韓国のボードゲームショーには行くことはなかったのですが、少しずつ変化が見られました。
(続く)


ボードゲームデザイナーです。2004年から活動しており、「ピラミッドピラミッド」「フライングチーズ」「ファンタジーディフェンス」などを制作しております。 現在は、韓国を中心に欧米でもゲーム制作の活動をしております。