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伝えることの大切さ・親友が教えてくれたWebライターという道

私は人生で大切にしていることがあります。関わった人に感謝や想いを伝えることです。

自分の気持ちを言葉にすれば、後悔は減っていく。親友の訃報を受けてから、その想いはより強くなりました。

今、本格的にWebライターの仕事を始めて9か月です。事務職を辞めてWebライターとしてスタートするまで約3か月。悩んでいた私の背中を押してくれたのは、亡くなった親友です。

こちらではWebライターになるきっかけをくれた親友「りん」の話を書きました。

1.Webライターのきっかけをくれた親友

8年前、世の中にWebライターという職業があることを私は知りませんでした。りんから「Webライターの勉強をしている」と聞いて、初めて認識した職業です。

当時、就職活動中で時間があった私は、りんと頻繁に連絡を取り合っていました。

私はWebライターという未知の職業に興味を持ちます。質問しまくる私に、りんは丁寧に応えてくれました。

スクールで勉強した内容や新しくできた仲間のこと。どうやって仕事をしていくのか。キラキラした眼差しで話すりんの姿は、とても眩しかったです。

スクールを卒業して、仕事に取り組むりんを心から尊敬していました。りんの執筆した記事を読むうち、私も記事を書いてみたいと思うようになったのです。

「興味あるならやってみたら?」とりんに言われ、私は短い記事を書き始めます。就職先が決まるまでの半年間、まとめサイトに記事を投稿し続けました。

就職が決まって忙しくなると、私は記事の投稿を続けられなくなります。

りんとはメールのやり取りを続けていましたが、ある日突然連絡が取れなくなってしまったのです。

2.突然の別れと後悔

りんは心の病を患っていました。入退院を繰り返していて、一度入院してしまうと連絡が途絶えます。

りんと連絡が取れなくなったとき、入院したのだろうと私は軽く考えていました。しかし、メールの返事がないまま半年が過ぎてしまいます。

そんなある日、りんのお父さんからハガキが届いたのです。訃報でした。りんが亡くなったのはちょうど連絡が途絶えたころ。

りんは病気について多くを語らず、私からも詳しく聞いたことはありません。ただ「幻聴が聞こえる」と話していたことは覚えています。

亡くなって半年も経ってから訃報を受け取った私は、とても後悔しました。りんの病気について調べることをせず、最悪の事態を想定できなかったからです。

病気について調べていれば、前もってりんの家族に私の連絡先を伝えたと思います。行方不明になった当日、家族から連絡をもらえていたら、私はりんを探しに行かれたのに。

りんが亡くなったのは寒い冬の日。夜になって「買い物に行ってくる」と言い残し、家を出たまま帰らなかったそうです。幻聴に導かれ、遠く行って帰れなくなったのかもしれません。

りんが最後どんな気持ちだったのか。私は日々考えていました。苦しくなかっただろうか。いくら考えても結論はでません。

それでも、頭の中でずっと問答を繰り返していました。繰り返すたび、悲しみが心の底に溜まっていくのに、止められません。

そんな生活に変化が訪れたのは、さらに半年後のことです。

3.お墓参りで訪れた気持ちの変化

深い悲しみを抱えたりんのお父さんに、私はどうしても連絡できませんでした。お墓の場所を聞けないまま、訃報を受け取ってから1年が過ぎてしまいます。

普通の生活を送っていても、りんを失った悲しみはいつも心の片隅にありました。

そんなとき、知人から突然連絡があったのです。りんの友人で、何回か会ったことがある程度の人です。連絡先の交換はしていたものの、直接やり取りしたことはありません。

その人はりんのお墓の場所を人づてに聞いて知っていました。話すうちに一緒にお墓参りへ行こうという話になったのです。

私にとっては奇跡のような話でした。りんが「そろそろ会いたい」と思ってくれたのかもしれません。

お墓参りを終えると、私の気持ちは不思議なほどすっきりしていました。その日を境に、私は後悔より一緒に語り合った日々を思い出すようになります。

私とりんはお互い尊敬しあい、気持ちをたくさん伝え合いました。「伝えれば良かった」と後悔することは1つもありません。


これをきっかけに、私の心から悲しみがふっと抜けていったのです。

4.Webライターの道へ

2020年6月に派遣契約が終わったとき、私はコロナで派遣先が決まらず、何か新しいことに挑戦したいと思い始めました。

そのときWebライターという職業を思い出したのです。8年前に投稿していたまとめサイトを検索してみると、すでに閉鎖されていました。

本業の就職活動をしながら、私はWebライターの勉強を始めます。残されていたりんのTwitterやnoteを参考に、りんの残した道を辿りました。

悩みながら手を動かし、クラウドソーシングでなんとか受注。3か月後にはオンラインの有料教材を受講します。それが縁となって編集プロダクションに所属し、お仕事をいただけるようになりました。

今Webライターとして活動できているのは、きっかけをくれたりんのお陰です。

8年前「興味あるならやってみたら?」と背中を押されなければ、Webライターになろうとは思わなかったでしょう。


Webライターという職業について調べて勉強し、仕事にできたのはりんがいてくれたからです。今もりんのことを思い出さない日はなく、生きていたらどんな言葉をかけてくれるだろうと想像します。

今年の夏はりんのお墓参りに行き、Webライターとして順調に前進していることを報告したいです。りんは笑いながら「できると思ってた」と言ってくれるような気がしています。

5.今思うこと・伝えることの大切さ

りんのことはずっと悲しい思い出でした。でも今は新しいことに挑戦し、前進していく力を与えてくれる存在です。きっと天国から見守ってくれているでしょう。

天国のりんに「親友でいてくれてありがとう」と心から伝えたい。りんが本気で話してくれたからWebライターの私がいるのです。

私たちは感謝や尊敬の気持ちをたくさん伝え合ってきました。だから「これを言っておけば良かった」という後悔がありません。

病気のことはりんが「唯一打ち明けたくなかった秘密」だったのでしょう。誰にも打ち明けず天国に旅立ったのだと、今なら理解できます。

言葉にしなければ心の内は誰にも伝わりません。後悔がないよう感謝や尊敬の言葉は声にだして伝えましょう。

後悔しない生き方を教えてくれたりんに心から感謝しています。


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