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名もなき職業に名前をつける~職種を細分化によって増やすこと~

もしもわが国に一億の職種があったならば、国民みんなが所を得るわけです。みんな一人前です。だれはばかることなく、この仕事についてはだれもまねができない、その人だけがそこに生きることができるわけです。

松下幸之助『繁栄のための考え方』
「万人が所を得る幸福」

(ですから、)人間がいちばん幸せな姿になり、実質的な平等観に立つということはどういうことかといいますと、各自が自分の持ち味というものを十分に発揮できる職種というものが、非常に多くなければならないということです。

松下幸之助『繁栄のための考え方』
「万人が所を得る幸福」

上記は、私が適材適所について真剣に考え始めたときに出会った言葉であるが、これがまさに「適材適所」の理想形だと感じた。
(ただし、上記の言葉の中に出てくる「所」は、私が定義した「所」とは違った意味であろう。その人にしか出来ない「仕事」とか、といういった意味を持つと思われる)

私が考える「適材適所」の実現においては、「人」が自ら「適所」に向かうようにする必要があるため、ある程度「所を転々とする」必要がある。

これまで適材適所について書いてきて、「自身を把握する」内容の一つで、「自分は何ができるか」ということについて触れた。

何ができるかということについて、それを「具体化」「可視化」し、
外に向かってアピールすることができたら、
それが、「所」をうつるにあたっての武器(強み)にならないだろうか?

何ができるかということを「具体化、可視化」する。
それは、「できること」を「職種」化することであると考える。

自分ができることを、具体的な職種に読み替えることができれば、
「所」をうつることについてのハードルが下がり、適所に出会える可能性が高まる。

そこで、私が考える「適材適所」の実現のための環境整備の一つとして、
職種を増やすということについて考えてみたい。

ちなみに、ここにおいて「職種」とは「職業の種類」と定義する。
現在すでにあり良く知られた職業から、聞いたことがない新しい職業。
どんな職業があるのか調べてみた。

現在ある職業とその見つけ方

現在、職種はどのくらいあるだろうか?

令和4年度厚生労働省編職業分類表
厚生労働省ホームページより
職業分類について
ハローワークインターネットサービス 厚生労働省

日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)
総務省ホームページより


分類の目的がそれぞれ違うため数が少しずれるが、
400を超える職種が載っている。
それぞれの目的のために職業の分類をしているため、
実際はもっと多くの、名前のついた職業があるのだろう。

現在ある職業から自分ができることを具体化したものを見つけるとしたら、例えば以下のようなサイトがある。

jobtag(ジョブタグ)

厚生労働省の職業分類にある職業を
スキルなど様々な観点から検索ができるようになっており、
職業の説明欄には、どのようなスキルが必要とか、
その職業につくために必要なことなどが記載されている。

新しい職種はどのようにつくられる?

新しい職業にはどんなものがあるかを調べるために、
下記のサイトを参考にした。

上2つは、すでに職業として存在しているらしいものについて、
3つ目は、記事の時点で予測した職業のため、
現在職業としてあるものとそうでないものが混在していると思われる。
(なお、上から3番目の記事は英語のサイトのため、翻訳されたもので確認)

これからの新しい仕事を考える!注目されている職種や働き方をご紹介
ハタラクティブ

未来を創る注目職種Featured Job
パーソルテンプスタッフ 

20 JOBS OF THE FUTURE
(「未来の職業20選」英語のサイト。2013年の記事)
sparks &honey 社

上記サイトに出てきた新しい職業を、私なりに分類してみた。

1.新しい技術に付随してうまれた職種
2.細分化、専門化したことによりうまれた職種
3.社会背景によりニーズがうまれ、そこから発生した職種

1は、AIやロボットといった、近年発展目覚ましい技術に関連してできた
職業で、当然ながらそれに携わる人材が必要となるためうまれている。

3は、たとえば現在の超高齢社会。高齢者が求めるサービスや必要な支援に関する職業が増えてくるだろう。

2は、元々存在している職種のカテゴリ内にあるものの、
ターゲットを絞り込んだり、扱うサービスの範囲を小さくしたり、
1つのものに特化することで、それぞれ範囲はそこまで大きくないものの、全体で見ると様々なニーズを捉えられるような、
いわば、「かゆいところに手が届く」職種ではないかと思う。

1及び3は求められるものがその時代によって変わるし、新しい知識が必要だったりするので、人がその職業に合わせていくのはなかなか難しいが、
2の職種は人の「できること」に結びつけられやすいだろう。

上記にはあてはまりにくいが、1つの職種が抱えすぎている業務や、
ついでにやっているような業務、つまり、誰にでもできるが
誰かがやらないと全体がうまくまわらなくなる雑用を一手に引き受け、
業務が効率よくまわる手法を考えるような業務をする職種が
あっても良いと思う。

ただ、新しい職種が多く生まれているとしても、
なかなかそれを知ることが難しい。
もし、例えばjobtagで、別枠で「新しい職種」をまとめたものを見ることができたらいいのではないかと思う。

自分が出来ることをやる

もちろん職種にあてはめることが絶対ではなく、
「できること」を外にアピールする一つの手段として、
「職種を増やす」ということを考えてみた。

時代によって、多くの人から求められる職業は異なってくるが、
それに合わせるというよりは、やはり、自身が提供できる力を提供する。
自身を把握し、自分ができること、自分がしたいことを形にして
世の中に貢献していくのが良いのではないかと思う。
それがその時に、一般的にはもてはやされていなくても、自分が、それが世の中に必要なことだと思えるならばそれでいい。

それを斜陽産業であるかないかということをだれが決めるのか、だれも決める力はないと思う。それを決めるのは、私はその人自身だと思うのです。

松下幸之助『繁栄のための考え方』
「人間の持ち味はみんな異なる」

要は自分として何が正しいか、何が適しているか、自分はどういうところに自分の使命を見いだし、そこに打ち込むべきであるかということを、自らお考えになって、そこに信念を持たれることです。そこに、斜陽産業のうちに、いつか、それを成長産業として残しうるものが生まれてくると思います。

松下幸之助『繁栄のための考え方』
「人間の持ち味はみんな異なる」


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