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ハローワークはもっと有効活用されるべき(体験談を添えて)

私が考える「適材適所」実現のイメージは、
「適材」が「適所」を求め、それをやりやすくする「環境」を整える
というものである。

「人」は、「自分は何がしたいのか」「自分は何ができるのか」ということを自分で考え、自身を把握し、「所」は、「そこはどんな目的のために何をするのか」「そこはどんな(特長がある)ところなのか」を明確にする。

その上で、「人」が「適所」に出会い、「所」が「適材」を得るには、「人」「所」それぞれについての情報がなるべく明確に伝わる必要があり、その情報が表現されたものが、「人」については履歴書(や職務経歴書)であり、「所」については求人票に類するものになる。

「人」が自身を把握したことや、「所」がどのような組織であるか明確にしたことを、履歴書や求人票にわかりやすく表現するにあたっては、どのように表現するかのサポートがあるとよいだろう。

そのサポートができる場所の一つとして、ハローワークを有効に活用できないかを考えてみた。

働く所を探すだけの場所にとどまらないハローワーク

働く所を探す方法はいくつかある。
ハローワーク、転職サイト、転職エージェント、求人雑誌、紙媒体の求人広告などである。
自治体の広報に掲載されている場合や、業界内特有の求人票がある場合もある。

この中でも、全国にあり、多くの人が思い浮かぶ方法であるハローワークは、働く所を探すだけでなく、働く所を探すために必要なサポートをする機能も備えている。

ハローワーク利用ガイド
(厚生労働省 都道府県労働局 ハローワーク)

このガイドの最後2ページの部分に、
ハローワークで受けられるサービスがまとめられている。
履歴書・職務経歴書を作成するためのセミナーや、添削、アドバイス
をしてくれるサービスもあるようだ。

働く所を探すという点についても、属性
(学生、新卒、シニア、子育て中の人向けなど)ごとなど、
専用の相談窓口をもうけており、探しやすい工夫をしてくれている。
(下記ページの一番下参照)

仕事をお探しの方へのサービスのご案内(ハローワークインターネットサービス)
(厚生労働省)

また、インターネットで情報を得るものとしては、

ハローワークインターネットサービス(求人情報検索ページ)
しょくばらぼ
(厚生労働省)

があり、「しょくばらぼ」の方は、通常の検索条件よりも、
働き方に着目した検索条件での検索ができるようだ。

さらに、ハローワーク自体ではないが、自己分析ができる

マイジョブ・カード
(厚生労働省)

というサイトもある。
質問に答えていくことで、自分の性質が明確になったり、
これまでのキャリアを振り返る中で自分自身の強みや
これからの働き方についての考えなどをまとめることができる。

ハローワークには「歩き方」が必要ではないかと思う(体験してわかったこと)

上記でまとめたように、ハローワークは、働く所を探すにあたって、
全方位的なサポートを行う機能を持っている。

もちろん、ハローワークを利用しなくても、「人」が「適所」に出会うことは可能だが、すでに様々な機能を備えており、
全国に置かれているのだから、もっと有効に活用できると思うのだ。

実際にハローワークを利用して感じたことは、
ハローワークの機能を良く知らないで利用するとガッカリしてしまう
ということだ。(雇用保険関連の手続をしたいだけの場合は除く)

ハローワークに行くと、まず総合窓口で用件を聞かれる。
職探しをしたい旨を伝えると、求人登録の手続を案内され(これはハローワークに出向く前に、ネット上で済ませることが可能)、登録後は相談窓口に案内される。

この相談窓口に、何も考えずに行くと、
窓口の人が条件だけ見て、あてはまる求人の用紙を印刷してくる。
その中から応募したい所があれば、そこに電話をしてくれて、
応募可能かどうかを確認し、可能であれば面談の日取りを決め、
紹介状を出してもらうという流れになるわけだ。

この流れの中で「相談」というものは一切出てこない。
上記のような流れであれば、ハッキリ言って相談窓口は要らず、
単に紹介状だけ出してくれればよいことになる。

相談窓口と言うのだから、私としてはてっきり、
窓口の人が相談内容をヒアリングしてくれるのかと思いきや、
そこまで面倒見がいいわけではないようだ。
もしかしたら窓口の人によって違うのかもしれないが、自分から具体的に「●●について相談したい」旨を言い出さなければならないようだ。

たとえば、

「応募書類にこのようなことを書きたいが、どのようにまとめたらよいか教えて欲しい」
「履歴書・職務経歴書を書いたので添削してほしい」
「どの職種の仕事がよいか決められない」

といったようにだ。

相談したい内容によっては、そもそも別の窓口(専門のハローワーク窓口)に行かなければならない可能性もあるだろう。
ハローワークについてあまり知らずに、ただぷらっと行くと、ハローワークが有する機能を全く活かせず、
「かばかりと心得て帰りにけり」という結果になるのだ。
(最初にハローワークに行った際には、結局、印刷されたいくつかの求人票を渡されたのみとなったためすぐ家に戻り、ハローワークインターネットサービスで検索して候補を探し、再度ハローワークに赴き、その求人番号を窓口に伝えて、面談日決め→紹介状を取得して帰ってきた。)

このハローワーク利用体験から、「こうすればよいのでは?」と思う、
ハローワークを職探しで利用する方法を考えてみた。

まず、ハローワークに行く前に自分の状態を確認する
①すでに、ここがよいというものを検索済みで、紹介だけ欲しい
②まだ検索していないが、希望職種や希望条件も明確に決まっている
③ここがよいというものが明確に決まっておらず、職種や希望条件も弾力的である。
④応募書類に自信がない、あるいはうまく書けないと思う。

自分の状態を確認したら、ハローワークを利用する
(相談したい場合は相談事項をまとめておく)
①は相談窓口でまだ募集中かを確認の上、可能であれば紹介状を取得する。
②はまず、専門の窓口がないかどうか事前に確認する。
あれば専門の窓口で相談する。
なければ通常のハローワークの相談窓口に行くか、インターネット上のサービスで検索する。
③の場合は「マイジョブ・カード」を利用し、自己分析したり、自身の職歴をまとめる中で、どのように働きたいかや、外せない条件はどんなことかをまとめることをまずおこなう。
ハローワークで自己分析に関連するセミナーがおこなわれている場合もあるので、適宜利用する。
④は相談窓口で履歴書・職務経歴書の書き方の相談や添削をしてもらう。
セミナーがおこなわれている場合もあるので適宜利用する。

こんな感じだろうか?
できれば、このように利用方法をチャート図などでまとめた一枚用紙を、
せめて総合窓口でもらえるとありがたいと思う。
「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。」

「所」の情報がもう少しあったら…

ハローワークインターネットサービスを実際に検索して、
職探しをして気が付いたことだが、求人票を見ても、
その「所」の特色について記載されていることがあまりない。
項目が法定されていることもあるが、ほぼ、条件の記載と言ってよい。

もちろん、勤務条件は非常に重要だが、
そこで何年かは働くことを考えたら、
その「所」の特長がもう少し記されていてもよいと思う。

実は、ハローワークインターネットサービスで検索してみると、
「求人票を表示」のボタンの横に「詳細を表示」というボタンがある。
ここを見ると、求人票以上の情報が載っているのである。

詳細を表示したあと、かなり下の方に「求人・事業所PR情報」という欄がある。
この欄に、その「所」について記載することができるのだが、
いくつか見たものの、ここに記載があることは、
残念ながらほとんどなかった。

おそらく、任意記載のため、面倒だからと書かない事が多かったり、
求人票には載らない(なぜ載せないのか…?)項目だから重要視していないのだろう。

ただ、少なくとも、長く働ける人を採用したいと思うならば、
ここの項目を埋めていないのはかなりもったいないと思う。
(そもそも、求人票の方に載らず、しかも、下の方の欄に位置していることは問題だと思うが。)

ハローワークやまがたの「未経験者応援シート」(未経験者応援シートのご案内 ハローワーク山形)ほどでなくてもよいので、
せめて、この「求人・事業所PR情報」に、
「所」のことがわかるような記載があり、
それが求人票にも載るようにしてもらえればと思う。

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