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パンクロックに溶けてはまる

 意味のない詩のよさがすこしわかった気がした。

 意味のあることだけがすべてを包み込んでくれるわけじゃない。時には「意味のない」という余白が、行き場のないものを包括するんだろう。

 新品の靴の踵を踏まれたときの感情を歌う詩があるのか。きっとないだろう。

 恋愛や挑戦、喜びに悲しみを象徴する詩はあっても、踵を踏まれたときの気持ちなんてどこにもない。それに名前なんてない。

 だからその感情を意味のない詩にはめることができる。
 ばちばちのパンクロックが、いま心に溶けてはまっている。

 

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