見出し画像

ズッコケ制作記|unity1week「かわる」

3/18~3/24に開催されたUnity 1週間ゲームジャム「かわる」に参加しました!

unity1weekの参加は今回で5回目になります。
前回開催(12/18~24)された「おくる」で、途中まで作っていたものを断念したということがあり、今回はどういう形であれ出したい!と思っていました。


つくった作品

「引き出しを介して、過去の自分を手助けするようなノベル風ゲーム」です。実家に帰った時に、ふと勉強机をごそごそして、こんなんあったなーと言いながら、昔の自分を振り返るような雰囲気を目指しました。

大幅に遅刻してしまった(4/1提出)のは反省点ですが、出せて本当によかったなと感じています。

これまで作った中でもけっこう思い入れのある作品になりました。作った過程をゆっくり振り返ろうと思います(本作のネタバレめちゃくちゃするので、もしよければ1度遊んでみてください!)。

モチベ

始まってすぐの3/19(火)に、映画『BLUE GIANT』を観ました。

……しょっぱな何やってんだという感じですが、前日に浮かんだアイデアがしっくり来なくて、この案で作り始めるかどうか悩んでいた時期で、うーんとりあえず気分転換に観てみるかくらいのつもりでした。

ホントによかった。
もうボロボロ泣きました。3、4回は泣きました。
観終わったあとに「こういう人を揺さぶるような作品作りたいなー」というのがずっと残っていて、もういっそアイデア全部変えたるか!と思い至りました。
観終わった余韻と深夜のノリが全てですが、「ストーリー重視」の作品に舵取りすることにしました。

着想

とはいえ全くの0からの挑戦ではなく、こういう作品にする場合のネタとか目標は少しだけ持ってました。

まず、「選択」をするゲームを作りたかった。unity1weekで遊んだこちらの作品がきっかけです(作者:tnkさん)。

アイテムを変えたり順番を入れ替えたりすることでシナリオを変え、物語の世界をハッピーにする。自分はこの作品に強烈な影響を受けました……

そして、「どのアイテムを選ぶか」という話、もう少し進めて「日常でどんな選択するか」という話につなげたら面白いなぁと考えていました。

  • 出かける前に見るテレビのCM

  • 配信者におくるコメント

  • 居酒屋でお酒を頼むペース

こういったふとした「選択」で物語を動かすようなゲームを作ってみたいなという気持ちがずっとありました。

もう一つ、1画面で完結するゲームを作りたいという気持ちがありました。
これも同じく、unity1weekで生まれたこちらの作品がきっかけです(作者:Seaeeesさん)。

扉以外をあえて描写せず、未知の存在をプレイヤーの想像力にゆだねる。全て計算の上で成り立っている本作がとても好きです。また、unity1weekにおいては「省エネ」の意味でも、1画面完結はかなり大事な一手。

この選択1画面の両立を求めた結果、「引き出し」がいいんじゃないかと考えました。

  • 開ける順番

  • なにを入れるか

といった感じで、いろんな選択の組み合わせが生まれそう。かつ、引き出しの開け閉めなら1画面で完結しそうと考えたからです。

ストーリー

人を揺さぶる作品をつくるため、自分がこれまで経験してきたことを詰め込んでみたい。祝日もあったので、丸一日使ってどんなストーリーにしたいかずーっと考えました。

お題が「かわる」だったので、引き出しを介して過去の自分を手助けし、過去を「かえる」ようなストーリーにしたい、というのは思いついていました。

……あれこれ悩んだ結果、もしかしたら過去の自分を「大きくかえる」必要はないんじゃないかなと思い至りました。
「いや、かえないんかい」となりそうですが、正確に言うと、行動を変えた直後の結果がうまくいく必要はないかなと。

  • 好きな子に告白したかった➡やり直す➡フラれる

  • コンクールに作品を出したかった➡やり直す➡入賞できない

  • 転校する人に本を返したかった➡やり直す➡断られる

主人公は実家の勉強机で見かけた、昔の日記を読み返す。過去の自分の「後悔」を思い返し、「やり直したい」と考えるけど、結局やり直したところでその時の結果が「うまくいくことはない」だろうなと思い至る。

けれど、そんな過去の自分の行動1つの違いで、今の自分がゲームを作っていたり、はたまた小説を書いていたり。そんな全く違う自分になっているかもしれない。
そしてそれは自分だけじゃない。あのときの行動1つの違いで、あのとき関わっていた人の今が大きく変わっているかもしれない。

そういう、今の自分を形つくっているものってなんだろうと、遊んでいるプレイヤーでさえも思い返せるような作品にしたいなと考えました。

あとは、せっかくなら過去と今の自分どうしで対話させたかったので、

  • 昔の自分にスマホで写真を撮られ、顔を見られる(ついでにカッコ悪いと言われる)

  • 最後に今の自分が日記を書き連ねる

ことはやりたいなと思いました。
そうして、自分がこれまで経験してきた後悔や、このゲームでやりたい演出を、とことん混ぜて煮詰めたシナリオにしたいと決めました。



余談ですが、作中に出した『ズッコケ三人組』は、小学校の頃とてもハマってた小説でした。『ズッコケ文化祭事件』とか、いまだに覚えてる好きな作品です。

年代バレちゃうと思うけど、『マジック・ツリーハウス』、『デルトラ・クエスト』とかも読んでました。書いてて懐かしすぎる。『ハリーポッター』、『ダレン・シャン』も当時熱かった気がするけど、分厚くて敬遠していた……笑

作る過程

ストーリーの大枠が決まり、かつシステムも大体決まったようなもの。あとはイラストを友達(@acrocat08)にお願いし、ようやく作り始めました。

……が正直、予想よりも大幅に時間がかかってしまいました。。かなり省エネ仕様にした本作ですが、途中で仕様変更をしたり、シナリオの細かい部分で悩んだり、本業が忙しくなったり。2週目にさしかかったあたりでメンタルに来はじめる。

ここで心の支えになったのがいくつか。開発中、友達のイラストが無事完成して届いたのですが、自分のイメージぴったりすぎて。。大喜びしました。精神的にまいってた時期だったので、ほんとに嬉しかった。

自分が思ってたイメージそのまま送られてきて、感動。。
しかもアイテムの配置まで考えて送ってくれた(この配置をそのまま採用!)

これまでイラストがないモックの状態で作っていたので、画像を取り付けてみてテンションが上がるのなんの。

もう一つ心の支えになったのは、日記の内容です。大枠は決まっていたのですが、細かい部分に関してアイデアが欠けていて、悩んでいました。が、これも友達に相談してみて、

  • ちょっと奇抜なアイテム入れたい➡前作のチョコミン君を出したるか

  • ダミーアイテムほしい➡ラブレターは告白の時のダミーにしよう

と細かいアイデアをポンポン決めていくことができました。相談してよかった。。

全体がほぼ完成して日記の推敲作業に入った際、自分が見返してもジンとくる日記に仕上がった感じがしました。これなら心揺さぶれるかもしれない。日記のおかげでなんとかへこたれずにすみました。

公開

よし大丈夫だと全て確認し終えて、4/1(月)にようやく公開しました(だいぶ遅れてしまいました)。
ただ、自信あるとはいったものの、初めて作成したストーリーもので、かつ見てもらったのは友達1人だったので、かなり心配しながら提出しました。

が、公開してすぐに熱い感想をいただき……とても安心したのを覚えてます。遊んでいただいた方、感想送ってくれた方、記事に書いてくださった方、ほんとにありがとうございました。公開した1週間はずっと幸せでした。
(実況もしていただきました。感謝……)

また、今回初めての総合ランキング入りをしました。18位とちょっと予想もしてなかった順位をもらい、呆然としてしまいました。ほんとにありがとうございました。

感想

とりあえず、出せてよかったです。日記の中に書いた「コンテストに作品を出せなかったぼく」は、前回のunity1weekで作品を出せなかった自分でした。今作、反省点がないかと言われればとても色々あるんですが、とにかく出せたことに対して自分をほめたいです。出せたよーほんとによかったよー。

短期間でストーリーを書ききれたのは自信につながったし、 確実に今後に活きてくれると思いました。今後も、unity1week以外でもストーリーもの作っていきたいね。



読んでいただいてありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?