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10の思い込みと、自分の無知をしって世界の彩を感じたい

事実をただしく捉えることの難しさ

問題を解決する上では、まず事実を正しく理解することが大切です。
そのための共通言語として、私たちは現状や目指すべき目標を何らかの基準によって定量化しています。

体重、売上、利益、人口動態、GDP、出生率、投票率・・などなど

数学を学び、エクセルでグラフを作り、論理的思考を習得し、同じ言語でコミュニケーションが取れる私たちですが、世界の見え方がこんなにも違うのはなぜなのか。

誰もが調べようと思えば簡単に情報にアクセスできるようになった現代でも、事実をありのままに捉えることは難しいように感じます。

目をくもらせる10の本能

この本では、その要因となる人間の10の本能とその対策についてまとめられています。

ざっくりとまとめます、詳しくは本書でどうぞ

分断本能:極端な比較しかしない
ネガティブ本能:世界はどんどん悪くなっている
直線本能:人口増加は止まらない
恐怖本能:恐ろしいものだけを気にする
過大視本能:数字を比較しない
パターン化本能:ステレオタイプにとらわれる
宿命本能:定められて変わらない宿命があると思い込む
単純化本能:肩入れしている考え方を追認する
犯人捜し本能:誰かを責めれば万事解決
焦り本能:いますぐやらないとヤバイ。危機感煽り系に惑わされる

ものを知るほどに注意が必要

私はプロジェクトマネジメントを行う上で、リスクマネジメントやファシリテーションについて学んだ際に、ここで紹介されているような心理的なバイアス、行動心理学に興味を持ちました。

東日本大震災後のボランティア活動でも、原発や放射能汚染リスクに関する衝突や防災や避難行動にも、人間の心理が大きく作用していたように思います。

頭ではわかっていても、同じものを目にいれていたとしても、その解釈は、人それぞれの背景や心理状態に大きく影響をうけてしまう。
さらにこれは、自分がよく調べ詳しいと自負していることほど、視野狭窄になりやすい

あの偉い人は英雄か悪魔か
どっちかじゃないと耐えられない
ぼくらは利口な「いい者」だから
ものを知るほど縮む視野
モノクロビューの目開きの目眩

これは2017年、日米どちらも歴史問題で論争が激しくなっていた頃に感じたことを表現したものです。

極端な意見ばかりが目立ち、単純化本能、犯人捜し本能に惑わされ白黒でしかものを見られなくなってしまうのは悲しいこと。

謙虚さと素直な好奇心を持ち続けることの大切さを思い出させてくれる名著でした。



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