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第114段「〈悪い見返り〉の腐海」

僕は勝間和代さんの勝間塾に何年か前に入っていたことがあり、それ以来毎日届く勝間さんの無料メルマガを読んでいます。
先日、勝間和代さんがこれからテレビ出演を基本的にはしないと発表されていて、と言うことは特番で言うと、1月に僕と共演させていただいたフジテレビの深夜番組が勝間さんの実質最後の特番出演だったんだなとか思い、その時も「角田さんが出るので、オファー受けたのです」とおっしゃられていて、それはそれ嬉しかったのですが、テレビマンとしては、勝間和代さんのテレビに出ない宣言は、色々思うところがあります。

こちらのブログを読むと勝間さんの心境がすごく伝わってきます。

で、今日受け取った勝間さんのメルマガには、こう書いてありました。

**《テレビ出演の難点は何かというと知名度が上がることにより、テレビ以外の仕事の獲得が非常にしやすくなるということなのです。
私がよくセミナーで説明をしている「悪い見返り」ですね。
何か自分が不本意ながらやってることに対して全く自分にとって報酬が生まれないのであれば、すぐに辞めるのですが、不本意だけれども、何らかのいいことがあるとどうしてもそれをやめづらくなるということです。》 **

この「悪い見返り」、、、この言葉が、なんとなく今のテレビの悪いところを言い当てられていて、僕は勝間さんの慧眼にハッとさせられたのでした。

つまり、出たくないんだけど、出ると一定以上の宣伝効果があるから、仕方なく出る。

これ、テレビを主戦場にしてない人のほとんどが、アーティストであれ、文化人であれ、お店であれ、観光地であれ、抱いてる感情なんだと思うのです。

で、世界のほとんどの人は、テレビを主戦場にしているわけではないですから、つまり世界のほとんどの人は、テレビを「悪い見返り」の箱だと薄々感づいているんだと思うのです。

**「テレビ」=「悪い見返り」 **

この図式、変えられないかな?
じゃないと、少なからずある良い番組も、少なからずいる良心のあるテレビマンも、その「悪い感情」の腐海の中で、どんどん蝕まれていってしまうように思うのです。

あ、ちなみに僕はテレビ局に22年9ヶ月いて、その腐海の中をさまよう王蟲のような心境でした(笑)。
ナウシカ的な正義感は無いですが、でもその腐海の中で生まれ育った王蟲自身の自分が、その腐海を浄化させなければ世界は滅ぶとは思っていました。
で、まあそれは無理だと半ば諦め、3年前にテレビという腐海を出て、それでもテレビを愛し、まあテレビの果てで、やれることを細々とやって抗ってはいるのですが。

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