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第192段「朧げで曖昧な境界」

あることについてわかってる人とわかってない人がいるけど、面倒なのはわかってないのにわかってると思ってる人。
そして多分その人はわかってないことに気づいてないから改善も向上もない。
さらに厄介なのはそんなことを言ってる自分自身もわかってないかもしれないんだけど、それも気づけないこと。

なんか年々歳取ると感じるのは、年々歳取ってわかったことが増える分、どんどんわからないこともそれ以上に増えること。
さらに今まで見えてたと思ってた境界が実は全然見えてなかったんだと気づく。
歳取るとクリアに見えてくると思っていた世界の領域はどんどん朧げになり、境界が消失していくのだ。

何かをわかるためには、実はそのことに焦点を合わせるのでは無く、その朧げさに自分の身を委ねることなのかもしれない。
自分の存在さえ朧げになることなのかもしれない。
その朧げな曖昧さの中でこそ、すーっと静かに見えてくるものがある。

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