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この気持ちの答えもきっと見つかる。

11月30日、東京、冷やい夜。
4人と機材を乗せた車は福岡、名古屋、京都と回ったツアーから東京に無事帰って来た。
僕らが帰った頃にはすっかり東京の雪はもう溶けていた。少しは見たかったなぁ。

ツアー中、夜
何度か空を見上げると寒い季節柄か星が綺麗に見えた。それはそれは綺麗だった。
東京にいるとあまり見ないがたまに空を見上げることも良いなと気づかされる。忙しさを理由に多くのことを忘れているんだなと。フジファブリックの茜色の夕日が沁みる。

家の猫が亡くなった。僕が小学生の頃から飼っていたので20年は生きていたことになる。アップライトのピアノを弾いているとピアノの上に乗りよく寝ていた。
あまり弾けない拙い僕のピアノを1番聴いてくれていたのではないかと思う。猫アレルギーだったけどよく膝に乗せては一緒にテレビを観て、その度目が痒くなったけどそれも良い思い出。家の近くに住んでいる猫好きのおばさんに亡くなったことを知らせると、「死にゆくものは周りの悪いものや悪い気を全部持って旅立つからその猫に感謝してあげて。」と言われた。

どうもありがとう。

ありがとう。

最近も良く暇を見つけては映画を観に行く。アキ・カウリスマキの作品が好きだ。中でも日本で2007年に公開された街のあかりはとても好き。
あまり話すとネタバレになるので是非観て欲しい。夜の警備員仕事をしている主人公がある女性と出会うところから始まる。
終始ニヤニヤしながら観れるのがとても良い。ミニシアターでたまに再上映しているのを見にいくのがおすすめ。
1番最近観たのは
僕らnicotenの「サイダーの泡」のMVにも出演してくれた岩井七世さんが白木リン役で声優をした映画「この世界の片隅に」をメンバーと観に行って来た。

原爆の話。と一言では括れないほどあの時代、あの日の日常が事細かに描かれているし、ある意味アニメなのにドキュメンタリーのようでもあった。描写が綺麗で水彩画や線香花火のような抽象的な描写。
そのどれもが柔らかく、身体に染み込むように入って来て、気付けば泣いていた。
僕は映画を観るまで勘違いしていた。あの時代って当然のように今まで隣にいた人や昨日まで仲良く喋ってた人が亡くなってた時代。だから僕らが感じている悲しさとは違うものがあると思っていた。うまく言えないんだけど悲しみの重みみたいのが違うと思っていた。
これもあまり話すとネタバレになるので是非観に行って欲しい。笑

あるシーンを見た時、その悲しみや憂いは今の僕らと同じだったんだと思えた。そう思った瞬間に映画の冒頭や半ばの話に深みが増し映画を観ながらにしてフラッシュバックしてきた。そして泣いていたのである。
人にオススメしたくなる映画。
是非観て欲しい。

気付けば12月
今年ももうすぐ終わる。

冬の海が好き。
時間を忘れて眺めていたい。

宮田航輔

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