高橋悠

85年、西ドイツ・ボン生まれ/東京育ち 文化学院卒。東池袋カフェ「KAKULULU」店…

高橋悠

85年、西ドイツ・ボン生まれ/東京育ち 文化学院卒。東池袋カフェ「KAKULULU」店主。13年自身の表現の場を持つことを考え始め、長年の夢であったカフェを始めることを決意。築45年の建物をリノベートし14年5月東池袋にKAKULULUを開店。時折、執筆/DJ。写真: 垂水佳菜

マガジン

  • リノベーション・カフェができるまで

    このマガジンは、2013年東京の東池袋で新聞配達所だった廃墟同然の築40年を超える小さな三角形をしたビル。「三角ビル」をリノベーションをして、カフェ「KAKULULU」が出来るまでを綴ったブログ「The Renovation Will Not Be Televised」を、7年経った2020年に加筆修正を加えた物です。 これからカフェ経営をしてみたい方、リノベーションをしてお店/住まいを始めたい方など、少しでも何かになれば幸いです。

  • 定額では聴けない音楽

    Apple Music,Spotifyに代表されるサブスク・サービスには未登録の名盤の数々。時代に取り残され「なかった事」にされるのは惜しい7枚を紹介します。

最近の記事

  • 固定された記事

KAKULULUはこんなお店です

KAKULULUは2014年東池袋 (最寄駅は有楽町線「東池袋」駅徒歩2分、都電荒川線「東池袋四丁目駅」徒歩4分)にオープンした元新聞配達所をリノベーションしたカフェです。 サンシャインの麓にあり、お隣が豊島区最大の防災公園「IKE・SUN PARK」があります。 お店はオープン当初から「COFFEE MUSIC GALLERY」の3つを標榜しており、どれ一つ欠かすことができない要素となっております。 「COFFEE」 小石川「karta coffee」さんと共同開発した

    • ナニかになりたくて、ナニかになる話

      いつからカフェをやりたいと思っていたんだろう。 学生時代、美術系の学校に通っていた。絵を描くことが好きだと思って入学したが、自分より巧い人が当たり前に多くいて、絵に対する情熱なんかすぐに冷めてしまった。学校近くには沢山の楽器屋、レコード屋、書店、そして喫茶店やカフェがある街だった。絵より楽器、貸しCD、古本に触れている方が圧倒的に楽しかった。学校帰りにそれらの戦利品を喫茶店やカフェで一人広げていた。 当時のカフェは「カルチャーの最前線」だったと思う。その街の音楽好きやファ

      • 青春のアイドルに会う時

        今堀恒雄の隠れファンだと思う。自分は。 兄の残した録画を見ていたアニメ「トライガン」('98)。 当時、13歳ぐらいかな。その音楽はどうしても「今堀恒雄」だった。WOWOWの番外編に続いていた「カウボーイ・ビバップ」の菅野よう子の音ですら、裏で弾く今堀恒雄の音を探していた。そう90年代後半から00年になる瞬間、少年/キッズの自分は今堀恒雄のギターの音が唯一無二だった。 高校生になるともう立派な「ヒップホップ」だった自分がギターを手にしたキッカケは「ゴンチチ」と「今堀恒雄」

        • 池袋から生まれる、新たな音楽の祭典

          東京には音楽を楽しめる場所がいくつもありますが、僕の周りのミュージシャンたちはここを拠点として意識しているところがあって、音楽的にハプニングする、僕が思う「東京の音楽」の中心地になっています。 「今」という時代と場所も一緒に音になって、世の中に一石を投じている。それがライブハウスではなくカフェであるというのも面白いですよね。 今思っているのは、近い未来に「東池袋の音楽」という文字を見ただけで音楽が立ち上がってくるような状況にしていきたいということ。 だからみなさんにも東池袋

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        KAKULULUはこんなお店です

        マガジン

        • リノベーション・カフェができるまで
          25本
          ¥1,500
        • 定額では聴けない音楽
          7本

        記事

          私とピエール・バルーとサラヴァ

          今から20年近く前、伊藤ゴローさんの家でギターレッスンをしていた時、バーデン・パウエルの独特の硬いサウンドの話になった。硬質な音の秘密はサウンドホールではなく、限りなくブリッジに近いところで強靭な爪で16ビートを刻みながら弾く、その独特なスタイル。 しかし、若い頃のゴローさんはその演奏方法より、バーデン・パウエルが薬指と小指にタバコを挟んで演奏する姿に憧れたそう。当時はYouTubeで気軽に映像を見ることもできず、どうしたらそのバーデンの演奏が見れます?と教えてくれたのが、

          私とピエール・バルーとサラヴァ

          個人店はいつだって変化していく

          最近、お店が嬉しい事に音楽面でフィーチャされる事が多くなってきた。 ただ、開店した直後(‘14)は、オーディオ周りはそこまでコダワリなく、そもそも「これからはサブスクの時代!フィジカルで持つ自慢みたいなのをお客さんに見せびらかせるような店にはしたくない」とさえ思っていて。 それから数年、お世話になっているbar bossaの林さんに「林さん、もうお店のBGM完全にレコードですよね?」と聞いたら「レコードでかけるとお客さんが「キャー私のためにレコードをかけてくれている!」っ

          個人店はいつだって変化していく

          3.11から10年。

          Hotel New Tokyoの「ペリアンとグレイ」という曲を聞く度にあの地震当日のことを思い出す。帰宅困難となった母を迎えに行こうと待ち合わせた神保町。指定した大型書店は棚から書物が散乱したとのことで、シャッターが下りていた。古き良き喫茶店は安全が確保できないとの理由で入り口で断られる。大通りはヘルメットを被った会社員が大勢歩いていた。コンビニは見た事無いほどの人が殺到していた。明らかな非日常。 思いつきで一本裏道に入ると、人通りはなくいつもどおりの街だった。一件カフェが

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          KAKULULU 6.5周年が終わって

          11/3(火・祝)にKAKULULU初のオンライン・フェス「KAKULULU6.5周年オンライン・フェス」が無事終了しました。配信監修をして頂いた「STUDIO Dede」さん、出演者の皆さん、そして、配信を観て頂いた皆様、改めてありがとうございます! それこそ渋谷/新宿ではない「池袋の東側」で、この形でフェスとして出来たことを誇りに思います。「AARON CHOULAI Raw Denshi SEXTET」で、仙人掌さんが「池袋はいつも西側で遊ぶことが多いんだけど、東池袋

          KAKULULU 6.5周年が終わって

          6.5周年 出演者プロフィール/タイムテーブル

          こちらの記事は東京・東池袋のカフェ「KAKULULU 6.5周年オンライン・ライブ」の出演者プロフィールとなります。 KAKULULUがどんなお店かはこちらの記事を。 主催者からの挨拶文はこちらから オンライン販売チケットサイトはこちらから購入ができます。 12:00 Radio-Acoustique 坪口昌恭× 横山和明× 角田隆太 (from モノンクル) 坪口昌恭が実践してきたアフリカン・ポリリズム、エレクトロニカ、モード、ビバップという多角的アイテムを横山和

          6.5周年 出演者プロフィール/タイムテーブル

          コロナ禍で「中止」と判断したKAKULULU周年イベントをオンライン上で「もう一度やろう」と判断したワケ/6.5周年主催者挨拶

          「またやりますので、また会いましょう」 と6周年パーティーが中止になった時、主催者としての文章の最後に書いた。 ずーと何かが引っかかたまま営業をしている感覚。ミュージシャンのスケジュールに穴をあけてしまった事。そして、祝い事なくして、このコロナ禍をもがくように進んでいる事。 緊急事態宣言が出ている時は、お店が無駄に存在しているような気分だった。自分らが作り上げた空間だけが取り残されているような... 
そんな中、気分を変えるためにも、休業中に石若駿さんに「いつでもREC

          コロナ禍で「中止」と判断したKAKULULU周年イベントをオンライン上で「もう一度やろう」と判断したワケ/6.5周年主催者挨拶

          リノベ日記-25 「RE-The Renovation Will Not Be Televised」

          [Day 104] Is It A Crime 2013年8月12日月曜日 またもや解体した破片が部屋に散乱するようになってしまった。 もう見慣れたと言っても良いかもしれない。当たり前のように、現場に置いていた荷物は粉塵まみれになっている。しかし前回に比べ、汚れたものは後で拭けばいいや、と簡単に受け入れられるようになった。 解体の際に空いたダクトスペースの大きな穴が埋まろうとしている。今後のレイアウトを考えると簡単に埋めるだけでは強度が心配。鉄筋を入れて補強してもらう。

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          中村とうよう と KAKULULU

          今朝、ツイッターで自分のお店をエゴサーチして見つかった話。 「ミュージック・マガジン」取締役会長、音楽評論家であり世界のポピュラー・ミュージックを紹介したレーベル・オーナーである故・中村とうよう氏。80年代末から著作権が切れた音源を解説本にCD付けて発売していた「オーディブック」シリーズ。発行元は「有限会社オーディブック」。その有限会社の住所が「東池袋4-29-6」と書いてあるそうだ。 この住所は現在のKAKULULUの住所と全く同じ こんなことがあるのかと思わず、ツイ

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          リノベ日記-24 「RE-The Renovation Will Not Be Televised」

          [Day 100] Re:Start 2013年8月8日木曜日 職人さんが慌ただしく動いている。 当初より一ヶ月半の遅れで二期工事がついに始まった。まずは現場に仮設ながら電気を配備された。朝方、電気技師さんが来て、仮設の配電盤を設置。そして、東京電力の担当者が元々あったメーターを接続し直す。小一時間で電気が来た。 これにより契約して依頼、初めて発電機以外の電気が建物に入る。解体の時にもお世話になった現場監督に「ついに文明の光が入りましたね」と言われてしまう。しかし、いく

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          リノベ日記-24 「RE-The Renovation Will Not Be Televise…

          リノベ日記-23 「RE-The Renovation Will Not Be Televised」

          [Day 90] Before Today 2013年7月31日水曜日 動きがないと更新も滞る。 始まらない二期工事などストレスが溜まり続ける。発注する業者を変えることも考えた。 ただ、それだとまた新しい業者さんと現場で見積もりの取り直しなければならない。工期や金額の調整など0からのやり直しになり、結果的に事が早く進むとは限らない。 「待ち」の展開の中、一つの出会いがモチベーションを大きく上げてくれた。店舗になる部分を初めて店舗デザイナーさんと打ち合わせをしたからだ。

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          リノベ日記-22 「RE-The Renovation Will Not Be Televised」

          [Day 67] Knock On Wood 2013年7月11日木曜日 30度、いや35度を連日超えるようになってしまった。部屋の中でいるだけでも汗が止まらない。 週末35度を超える中、4階アトリエの板張りが行われた。入居者の縁で、板張りは"ナリワイ"さんによるワークショップ形式で開催され、15名を超える参加者によって板が張られた。 ワークショップ開催を前に一つ大きな問題に気づく。 電気がない。 電気がないために丸ノコやインパクト・ドライバーなど動かす事ができない

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          リノベ日記-22 「RE-The Renovation Will Not Be Televise…

          リノベ日記-21 「RE-The Renovation Will Not Be Televised」

          [Day 60] On Your Own? 2013年7月3日水曜日 週末、友人の結婚式に参加するため少し旅をしたきた。同じ景色の中で試行錯誤を繰り返していたため、違う景色を見れるとやはり良い気分転換になる。 現地のホームセンターで何か役に立つものを見つけようとしたり、買い付けに似た感覚で楽しかった。こういう楽しみがあることを少し忘れていた。 毎週のように呼びかけをして、たくさんの友人にペイントを手伝ってもらっていた期間は少しお休み。本来なら二期工事真っ最中なはずが、来

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          リノベ日記-21 「RE-The Renovation Will Not Be Televise…