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【ブラジル】不満だらけのリオ五輪

▼不満だらけの五輪運営

今回リオに行ってみて感じたのは、予想以上に運営面の不満があったということ。事実、日本や海外での報道を鑑みるに、今回の五輪でブラジルの評判が「上がった」とは到底思えません。そこで気付いたのは、“五輪はその国の評判を上げる絶好の機会である一方、評判をさも簡単に地に落とすことができる脅威でもある”ということ。今回は自分がリオで感じた不満をまとめると共に、東京五輪ではどう対策していけば良いのか、私見をまとめてみました。


▼アクセスの悪さ

リオで最も感じたのがこの「アクセスの悪さ」 とにかく時間が掛かるし、混む。メイン会場の一つ、バーハ地区まではダウンタウンから2時間満員電車やバスを乗り継いで行かなくてはなりません。帰りは3時間かかることも。加えて会場までの行き方が分かりにくい!英語表示が無い所も多く、これには誰もが不満を抱えていました。

▲リオ市内にあった各会場へのアクセス図 とにかく遠い

さて、東京に目を向けてみると、東京五輪は「コンパクトな五輪」を掲げていて、見る限りアクセスの悪さは問題になりそうにもありません。ただ東京五輪の怖い所は分散型であること。リオではバーハ地区にかなりの施設が固まっていたものの、東京五輪ではそのような固まった施設は建設しないとのこと。

また、会場図を見る限り、

さいたまスーパーアリーナ バスケットボール
幕張メッセ フェンシング・テコンドー・レスリング
伊豆ベロドローム 自転車競技(トラック・レース)
伊豆マウンテンバイクコース 自転車競技(マウンテンバイク)

らへんは都心から遠く不満が溜まってしまうことは必至。ここで大切なのは、アクセスを明確にすること。ただでさえ複雑な東京の交通機関、英語表示を徹底し、シャトルバスを出すなどのサービスを提供することが求められるのではないでしょうか。個人的には“裏アクセス図”を作って、比較的空いているルートで会場までのアクセスを案内したいとおもっています。

ちなみにベイエリアではBRTというバス輸送システムが整備される予定で、新たな足として期待が集まりそうですね。


▼不完全な施設

リオ五輪で目についたのは、不完全な施設。スタジアム、道路、会場をつなぐ階段、トイレなど、建設中のような出で立ちの施設が点在していました。勿論コスト削減は五輪運営における重大テーマ。今回のリオ五輪でも一定の成果は出しているみたいです。実際、東京都も経費削減のためにリオスタイルの簡素な施設建設を目指すことを掲げています。ただ“簡素な施設”と“みすぼらしい施設”は似て非なるもの。今回リオで見た施設の数々は、お祭りの舞台としてはあまりにもみすぼらしく、興ざめしてしまう場面もありました。東京五輪ではシンプルな作りでも、是非とも見た目にはこだわって欲しいと切に願っています。

▲鉄骨むき出しの会場 さすがに気分が萎えてしまいました


▼治安の悪さ

連日報道されていたように、リオでは強盗やスリが連日発生していました。自分の滞在中も知りあった人が強盗にあってパスポートから財布まで根こそぎ持っていかれるという事件が発生しています。東京はリオに比べたら遥かに平和な街、というか世界的に見てもすこぶる平和な街です。ですから東京五輪では是非“平和な日本”を示す絶好のチャンス。スリを含めた軽犯罪に徹底的に目を光らせ、来場客が安心して観戦できる東京五輪にして欲しいですね。

▲宿までのバス車内 治安は良くない


▼対応の悪さ

リオでは案内の悪さもあって、頻繁に道を尋ねていました。その時感じたのが、言語的な壁ではなく、心理的な壁。困って質問したときに、「英語しゃべれないからほかの人にあたって」という対応は寂しすぎますし、正直むっとしてしまいます。そういう人がいる一方、単語を紡ぎ合わせたりグーグル翻訳を駆使して必死にコミュニケーションをとってくれたりする人に会うとそれだけで嬉しくなりますし、ブラジルのことが好きになります。

そこで感じたのが、“言語の壁はさほど問題にならない”ということ。大事なのはおもてなしの心であって、いまの時代グーグル翻訳と知っている単語を駆使したら大抵のことは解決してしまします。英語に苦手意識を持っている人は多いとは思いますが、そういう方は是非グーグル翻訳を使ってほしい。なんとかなりますから。(笑)

▲落書きだらけの壁

▼まとめ

ここまでリオ五輪で感じた不満をまとめてきました。今回挙げたことは決して僕だけじゃなく、リオを訪れた多くの人が感じたことだと思います。

勿論自分は北京やロンドン五輪を経験していないので、比較対象がリオだけになってはしまいますが、それでも今回のリオから学べることは多いように感じました。

数多くの関係者が視察したであろう今大会。これらの不満を反面教師にして東京五輪に活かして頂きたいところです。

サポートしていただいた暁には、よりディープなエストニアを探訪してきたいと思います。今年は色んなサウナを巡る予定です。