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オンライン本人確認サービス”Veriff”の日本展開プランを勝手に練ってみた

Cover image: https://veriff.me/

今回は、エストニア発のオンライン本人確認サービス”Veriff”を紹介しながら、彼らが日本市場に展開するのであればどういう戦略をとるんだろう、という妄想を繰り広げてみます。

この記事をざっくりまとめると、以下の通りです。

① Veriffが提供しているオンライン本人確認サービスは日本にはまだ少なく、ブルーオーシャンである
② 一方で法律や技術面など、日本進出にあたって解決すべき課題は多い
③ 法律で本人確認が求められている金融機関に加えて、C2C領域への適用ポテンシャルが大きい

Veriffとは

Veriffはオンライン本人確認サービスを展開しているエストニア発のスタートアップです。2015年の創業後、現在は20名程度の規模で事業を展開しています。

Veriffでは、スマートフォンのカメラで自分の顔と本人確認書類をビデオで撮影すると、
① AIを用いた画像比較
② 国のデータベースとの照合
などのプロセスを経て2〜3分で済む素早い本人確認を実現しています。ここでいう国のデータベースは、日本で言うマイナンバーのデータベースをイメージしていただければいいと思います。

javaベースのAPIを提供しており、クライアントは自社システムの中にこのシステムを簡単に組み込むことができます。価格は月額50ユーロ程度からの従量課金制です。

本人確認が法律で義務付けられている金融機関を筆頭に、ヨーロッパやアメリカに市場を広げているのが彼らの現状です。

日本の本人確認マーケット

そもそも本人確認って何なのでしょうか。日本において、本人確認は、犯罪収益移転防止法によって以下の場合に求められています (参考: http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=419AC0000000022)

・口座開設、貸金庫、保護預りなどの取引開始時
・10万円を超える現金振込や、持参人払式小切手による現金の受け取り
・200万円を超える現金、持参人払式小切手の受払い
・融資取引 など

その確認方法としては直接書類を提示することが求められ、そのうえ認証のために数日から数週間を要することから、利便性はかなり低いといえるでしょう。既にGMOなどが日本でもマイナンバーのデータベースと連携した本人確認サービスを提供していますが、それでも直接書類を提示するプロセスは変わりなく、日本の市場はまだまだブルーオーシャンと言えるでしょう。

ポテンシャルクライアント

そしてより具体的にマーケットを見てみると、適用の余地があるクライアントは多いです。

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サポートしていただいた暁には、よりディープなエストニアを探訪してきたいと思います。今年は色んなサウナを巡る予定です。