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英検1級対策(2) 単語編

こんにちは。

今回から、個別の対策についてお話をします。

英検1級では、一次試験でReading/Listening/Writing、二次試験でSpeakingと、4つの技能が問われます。

ここでは、各技能ごとに対策法を考えて行きます。

まず、Reading対策です。
大問1から大問3までがReadingセクションで、3問構成です。

大問1 単語・熟語の知識問題
大問2 長文の空所補充問題
大問3 長文の内容真偽問題

今回は、大問1の「単語・熟語の知識問題」に焦点を当て、1級レベルの英単語を習得するにはどうすれば良いのかについてお話します。

単語学習の三箇条

1 3秒ルール
2 音とスペルも一緒に覚える
3 さまざまな例文に触れる

3秒ルール 

瞬時に英単語の意味を言えるようになること。3秒以内に、例えば"desk"を「机」と言い換えられること。実はこれ、通訳養成学校に通っていたときに、繰り返し言われたことでした。外国語と母語をすぐに変換できないと、スムーズな運用ができないからですね。私自身、スピードと正確さに注意しながら単語学習をするように努めてきました。

訳語を覚えるなんて、当たり前のことじゃないか、と思う方もおられるかもしれません。いやいやそうでもないんです。いろんな世代の学習者を拝見しますと、この当たり前のことができていない方が多いなぁ、という印象を強く持ちます。単語帳に掲載された情報の多さや、本やネットに書かれている無数の教授法・学習法のせいなのか、その理由はよくわかりません。

試験対策(とその後の英語運用)のためには、とにもかくにも、まずは訳語を1つ、即座に言えるようになりましょう。

発音、アクセント、スペルも一緒に覚える

発音を無視して自己流で読む人、最近は減りましたが、以前は大学受験生に結構いました。"deny"を「デニー」と読んで、「自分はこれで覚えたから直しません」と譲らないとか。カタカナ英語だって、もちろん立派な英語方言です。無理に発音矯正する必要性はないでしょうし、現行の大学入試共通テストの英語リスニングテストでは、「日本語訛り」も再現されてもいます。

とはいえ、です。辞書に載っている発音と全くかけ離れた発音では、そもそも相手に聞き取ってもらえません。音声ファイルを使って、モノマネをする気持ちで発音してください。アクセントもしっかりつけて。経験的には、発音が日本語訛りでも、アクセントがはっきりしていると通じることが多いです。

さらに、英語は音とスペルの関係が一筋縄ではいかない言語とされています(気になる方は「大母音推移」を検索してください)。しかも今はスペルチェック機能が優秀なのでスペルを覚えていない方も結構おられます。書き出す練習を積極的に取り入れましょう。

さまざまな例文に触れる

ハイレベルな単語を覚えるのに効果的な方法が、これ。さまざまな例文に触れることです。というか、これをしないと、覚えるのがとてもきつい。英検1級で出題される単語の一例をあげて説明します。

tamper 改ざんする
juggle 改ざんする
plunder 略奪する
loot 略奪する
plagiarize 盗用する

いかがでしょう?

大学の「なんとか概論」で出会うような専門単語や、ひとつの意味に対する類義語が出題されます。単純に反復するだけの学習ではなかなか覚えられません。特に大人になると、単純暗記が子供の頃と比べて苦手になっていくのは否定できないように思えます(私自身がそうです)。

そこで例文です。

単語が実際に使われている文をたくさん読み、実例に触れます。

「あ、これは単語帳に載ってるやつだ」とか「あ、こないだのニュースで聞いた単語が、また出てきた」と言うふうに、単語に対する経験値を上げることによって、記憶を定着させるのです。

まずは単語帳の例文から。音声ファイルを活用し、発音・復唱しながら覚えます。

次に、リーディング部門(大問2と3)の文章です。1級の問題では、単語帳で学んだ単語が、長文問題の中に盛り込まれています。

以上の3点に注意しつつ、さあ始めましょう。

これから単語帳を開き、早速50個覚えてください。

ちなみに、英検1級の英単語を習得すると、ニュースや新聞がとても読みやすくなります。試験対策のために習得した単語が、意外にも数多く使われていることに気づかれるでしょう。

やって良かったと思うこと間違いなしです。

次回はリーディング対策です。

ではまた。


オーキッド外語学院代表。株式会社オデッセイ・グローバル代表取締役社長。トフルゼミナール、アテネフランセ等で教鞭をとる。高校生、大学受験生、社会人を対象に大学入試対策、TOEIC対策を担当。テキスト執筆、ビジネス翻訳も手がける。https://orchid-gaigo.com