宍戸幹央(鎌倉マインドフルネス・ラボ代表)

禅とマインドフルネスのフォーラム ZEN2.0の共同創設者。企業の組織開発、人材育成と…

宍戸幹央(鎌倉マインドフルネス・ラボ代表)

禅とマインドフルネスのフォーラム ZEN2.0の共同創設者。企業の組織開発、人材育成とマインドフルネスを広げる活動を展開。一般社団法人 21世紀学び研究所 理事。

最近の記事

自分の意志ではないが自分でやったことをどのように考えるか?

   第16回 小林秀雄賞を受賞した「中動態の世界 意志と責任の考古学 」の著者であり哲学者の國分功一郎さんの「中動態」という考え方が、とても興味深い。 こちらの記事の中では、 「昼食に自分はラーメンが食べたかったが、友人はソバがいいと言うので仕方なくソバを食べた」――。「ソバを食べる」行為は自分がやったことだが、自ら進んでしたわけではない。これは「能動」か「受動」か。 という問いを用いて、中動態について考えるきっかけを与えてくれている。 「自分の意志ではないが自分

    • 他者の存在が生み出す「内省」の可能性

      今、「内省」が経営者などビジネスリーダーから注目されています。  「内省」とは、過去の悪い行いを懺悔するような行為の反省とは違い、自分の内面を振り返ることで、自分自身の認識の枠組み(固定観念)を取り外す行為です。 未来に同じような場面や状況になった時に、自ら新たな可能性を生み出していく行為に繋げることができる「内省」の重要性は今非常に高まっています。 *反省については、「反省させると犯罪者になります」という少々刺激的なタイトルの本がありますので、「内省」との対比として参

      • グレートリセットの時代に求められるものとは?

        世界的に新型コロナウイルスの感染が広がるなか、世界経済フォーラム(WEF)は6月3日、2021年1月に開催する年次総会(ダボス会議)のテーマを「グレート・リセット」にすると発表しました。 WEFを創設したクラウス・シュワブ会長は「グレート・リセット」とは何を意味するのかという問いに対して以下のように答えています。 「世界の社会経済システムを考え直さないといけない。第2次世界大戦後から続くシステムは異なる立場のひとを包み込めず、環境破壊も引き起こしている。持続性に乏しく、も

        • トップアスリートが瞑想をする理由

          先日、J1神戸の元スペイン代表MFイニエスタ選手が練習で座禅を組んでいたことがニュースで話題になりました。 イニエスタ は慣れない体験であぐらに苦戦したものの、楽しい経験だったようです。 この企画は、京都の両足院を訪ねたフィンク監督が座禅を気に入ったことがきっかけで実現しました。監督は、禅の教えがサッカー以外の面でも人生において豊かな経験になると考え、また「精神を整えて、一致団結してシーズンに挑むためにも、この体験は大きな意味がある」と、座禅の効果に期待して両足院から副住

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          婚活も結婚式も坐禅会もオンラインなニューノーマル時代

           約2ヶ月に渡る非常事態宣言が解除され、新しい局面に向かおうとしています。この2ヶ月間で色んなことが変わった方も多いのではないでしょうか。  会議だけでなく、飲み会までもオンラインでやるようになったりと様々なことがオンライン化されました。 会議がオンラインになって進めやすくなった、移動時間がなくなった分生産性が高まったという声を多く聞きます。また、営業活動ができないため、その時間を使って社員同士で普段話せなかったことを話すことができ、業務改善につながったという声もありまし

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          アフターコロナに注目されるのは日本の武道!?ーカミュの「ペスト」に対する思想家・内田樹さんの視点から紐解く

           コロナ禍の中、仏ノーベル賞作家カミュの「ペスト」の発行部数が日本で100万部を超えるなど改めて注目されている。  それにあわせて再放送されていたNHKの『100分de名著ーアルベール・カミュのぺスト』第4回のゲストで出演されていたフランス文学者・思想家であり、武道家の内田樹さんの話が面白かった。 以前より、内田樹さんが思想家でありながら身体性に注目される武道家であることに興味を持っていたが、その背景には、なんとカミュの「ペスト」があったのだ。 内田さんは「ペスト」を読

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          利他の可能性、そして義理人情の世界へ

          前回に引き続き、NHKのETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界〜海外の知性が語る展望〜」で登壇された世界の知性へのインタビューから考えたことを書いてみます。 3人目に登壇された仏経済学者ジャック・アタリさんは、11年前の2009年の著書『危機とサバイバル――21世紀を生き抜くための〈7つの原則〉』の中で市場のグローバル化や自由な流通による未知の感染症によるパンデミックを予想されていた方。 アタリさんは、最悪の事態を避けるために最悪の事態を予測しておいた方が良いとメ

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          コロナ禍を乗り越えるために世界の知性が提唱する『瞑想』の可能性

          新型コロナウィルスによって瞑想の重要性が益々高まっています。 先日放送された、NHKのETV特集「緊急対談 パンデミックが変える世界〜海外の知性が語る展望〜」 は、世界の叡智として、政治学者のイアン・ブレマーさんと、歴史学者のユヴァル・ノア・ハラリさん、また、思想家のジャック・アタリさんによる大変興味深い番組でした。 感染そのものによる人命の被害や経済的な打撃だけではなく、国際的な政治のあり方というより大きな危機の可能性について大変わかりやすく解説してくれています。 ※

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          マインドフルネス×禅の可能性

          先日の落合 陽一さんのNewsPicksのライブ動画番組「WEEKLY OCHIAI」のテーマは 「禅・マインドフルネスを考える」 として以下の3名をゲストとした興味深い対談だった。 ・山下良道(鎌倉一法庵住職、ワンダルマ仏教僧) ・ネルケ無方(禅僧、安泰寺 堂頭) ・平原憲道(慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室助教) 同じ禅寺、安泰寺で修行した山下良道さんとネルケ無方さんでさえ、「マインドフルネス」という言葉に対してスタンスが違うのが興味深かった。  そも

          世界で広がるマインドフルネス。忙しいビジネスパーソンにとって瞑想できる場所は?

          世界中で「マインドフルネス」という言葉が広がり、瞑想する場所が増えています。  しかし、日本ではまだ、どうやってやったら良いか、分からない。またどこで教えてもらえるの?という方も多いのではないでしょうか。 そんな方のために実践するための場所を紹介したいと思います。 まずは、海外では瞑想できる所として、どのような場所があるかということのご紹介。  米国全土では、ヨガや瞑想などのマインドフルネスプログラムを開催する美術館や博物館が増加しており、ニューヨーク近代美術館(Mo

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          ティール組織とマインドフルネスをつなぐ「目的」とは?

          今、話題になっているティール組織。  非管理型の組織のあり方で、これまで主流であったヒエラルキー型組織とは全く違う世界。 昨年本が発売されるやいなや、国会で取り上げられたり、最近では霞ヶ関の官僚の間でも勉強会が開かれるなど急速に認識が広がっています。 そんな中、先日「ティール組織」の本の著者、フレデリック・ラルーさんが来日しSNS上でも話題に上っていましたが、ラルーさんの発言には禅やマインドフルネスに繋がる世界観を改めて感じました。 ティール組織では、管理されない中で、

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          目に見えないものを大切にして急成長する企業経営者の告白本「ハートドリブン」

          先日、Zen2.0に登壇頂いた株式会社アカツキの創業者 塩田元規さんの著書 「ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力」 の出版記念パーティに参加してきました。 アカツキは、2010年に創業して、2016年にマザーズ上場、2017年に東証一部に上場し、売上高281億円、利益136億円という急成長企業。  共同創業者の香田さんと塩田さんのお二人はとても仲が良く、これまでの”一部上場企業の経営者”のイメージとはかけ離れたかのような短パンとTシャツ姿という自然体なあり方で

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          鎌倉で開催する禅とマインドフルネスの国際フォーラム ZEN2.0が今年のテーマを『つながり』にした理由

           鎌倉の禅寺、建長寺で2017年から開催してきた禅とマインドフルネスの国際フォーラムZEN2.0を今年は9月21日(土)、22日(日)に開催します。  マインドフルネスが世界的に医療、教育、ビジネスなど様々な分野で取り上げられる中、今では日本でも多くのメディアで取り上げられ、本も出版されるようになりました。  イギリスでは2015年の段階で、国をあげてマインドフルな国家『Mindful Nation UK』を目指すという宣言しています。  ※ついに英国から始動――「マイン

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          はじめまして。鎌倉マインドフルネス・ラボの宍戸です。

          はじめまして。  この度、COMEMOのキーオピニオンリーダーとして投稿させて頂くことになりました鎌倉マインドフルネス・ラボ代表の宍戸幹央です。 まずは最初の投稿ということで、自己紹介を。  今、私は海と山に囲まれ、自然豊かで禅や武士道など和の文化の歴史をもつ鎌倉を拠点に、これからの時代に必要な”学び・体験の場”を色々プロデュースしています。  主には個人が自律的に動きイノベーションを起こす組織づくり支援のコンサルティング、坐禅、マインドフルネスを組み合わせたリーダー

          はじめまして。鎌倉マインドフルネス・ラボの宍戸です。