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【マンガ感想】『ダンピアのおいしい冒険 6巻』 (著・トマトスープ)

17世紀に実在した英国人探検家ウィリアム・ダンピアの冒険を描く海洋冒険飯漫画もいよいよ完結。

好奇心の赴くままに未知の大地を踏み、未知の文化を学び、未知の食事で腹を満たしながら、彼曰く「知らないことでいっぱい」の世界を冒険するダンピアの旅路を最後まで楽しめました。

(引用:『ダンピアのおいしい冒険 6巻』 / イースト・プレス/ トマトスープ/ p.177)

今巻では、未知の世界を切り拓くことの正の側面だけではなく、エラスモやジェオリー君の顛末を通して当時の大国による一方的な搾取や略奪、征服といった人類史の闇深き負の側面についても強く描写されている感じ。特に番外編として収録されている『楽園に背を向けて』が、ダンピア視点の本編とは別視点であの時代の人類の業を描いている秀逸な短編でした。光と闇の両輪が描かれることで、本作全体に一層の深みが与えられた気がします。

(引用:『ダンピアのおいしい冒険 6巻』 / イースト・プレス/ トマトスープ/ p.76)

「未知の世界を知りたい」というダンピアのぶれない信念と、”知識”が世界を切り拓いていくというメッセージが最後まで心に染みる傑作でした!


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