菊花賞 傾向と対策


2022年 アスクビクターモア

人気構成:分散型
1人気4.1倍 アスクビクターモア
2人気3.5倍 ガイアフォース
3人気7.0倍 ドゥラドーレス
4人気9.0倍 ジャスティンパレス
5人気11.5倍 ボルドグフーシュ
✴︎神戸新聞杯は中京2200mで実施

 ダービー上位人気馬不在で混戦。
 1人気は、セントライト記念からの上がり馬ガイアフォース。ダービー3着馬アスクビクターモアと人気を分け合い競り勝ったところが評価された。結果は8着。初G1で1人気は辛かったか。
 勝ったのは、そのセントライト記念で1人気2着のアスクビクターモア。軽く凡走後+人気ダウン+ダービー下位馬(ジャスティンパレス)も人気で、ダービーより劣るメンバーで走りやすかったのかもしれない。
 2着には神戸新聞杯3着で滑り込み出走のボルドグフーシュ。ダービーには出走していないが神戸新聞杯で軽く凡走して人気が緩くなった本番で巻き返した。神戸新聞杯ではジャスティンパレスに0.7秒差つけられたが巻き返し、続く有馬記念でもジャスティンパレスよりも上位に来て2着に入っている。通常だとかなり難しい巻き返しなので並の馬では難しい芸当かもしれない。
 3着には、ダービー10人気9着で神戸新聞杯圧勝して4人気だったジャスティンパレス。夏を挟んで神戸新聞杯を圧勝して成長具合を示していた。ダービーでは下位なので、4人気では楽な人気ではなかった分の3着か。ボルドグフーシュがかなり充実期に入っていたようなので3着だったが、2着はあり得た戦績だった。
 3人気ドゥラドーレスも上がり馬だったが4着まで。人気が割れて押し出された感はあった。1人気のガイアフォースもそうだが、春のクラシック不在で人気を負うのはかなり辛い形になる。実績のない馬は有力馬が出ているトライアルなどを経由して、ボルドグフーシュのように少し人気が薄めでの出走が理想的か。


2021年 タイトルホルダー

人気構成:分散型
1人気3.9倍 レッドジェネシス
2人気4.1倍 ステラヴェローチェ
3人気5.4倍 オーソクレース
4人気8.0倍 タイトルホルダー
5人気13.1倍 アサマノイタズラ
✴︎神戸新聞杯は中京2200mで実施

 ダービー9人気3着馬、6着馬のみの出走で人気は分散傾向。
 1人気はダービー13人気11着後の休養明け神戸新聞杯5人気2着のレッドジェネシス。ダービー9人気3着→神戸新聞杯2人気1着でレッドジェネシスより実績馬のステラヴェローチェより人気になる異常な状態だった。結果はレッドジェネシス13着、ステラベローチェが4着と馬券圏外に沈んだ。
 勝ったのはダービー8人気6着後に休養明けセントライト記念1人気13着と大凡走したタイトルホルダー。人気を落として巻き返した。神戸新聞杯勢力が異常な人気だったので別ローテーションの馬たちにチャンスが回ってきたが、終わってみれば弥生賞勝ち、皐月賞2着の実績馬が入った。
 2着には長期休養明けセントライト記念で5人気3着に入ったオーソクレース。2歳時のホープフルSで3人気2着実績のある馬で、今回は3人気とメンバー的には辛い人気ながらそれに応えて大幅距離延長をこなした形。
 3着には条件戦からの上がり馬の牝馬ディヴァインラヴ。重賞初挑戦ながら6人気で3着に入っている。小倉2600→中京2200と長距離志向のレースを連勝しての参戦だった。


2020年 コントレイル

人気構成:超集中型
1人気1.1倍 コントレイル
2人気10.3倍 ヴェルトライゼンテ
3人気12.5倍 バビット
4人気23.0倍 アリストテレス
5人気34.9倍 サトノフラッグ

 2冠状態のコントレイルに人気が集中した。神戸新聞杯も問題なく勝っていて死角がほとんどない状態だった。ここも快勝。
 2着には条件戦から初重賞だった4人気アリストテレス。オークスもそうだが、1頭だけ抜けているときは夏からの上がり馬も絡みやすくなる傾向がある。それなりに支持を集めている上がり馬には注意が必要。新潟2000→中京2200と連勝中だった。
 3着には、弥生賞勝馬で皐月賞2人気5着、ダービー4人気11着のサトノフラッグ。休養明けでセントライト記念1人気2着と軽く負けての参戦だった。戦歴だけみると、2021年のディープボンドに似たようなところがあった。
 3人気バビットはラジオ日経賞、セントライト記念と連勝してきて2人気になったが10着。メンバーアップと大幅距離延長は苦しかったか。


2019年 ワールドプレミア

人気構成:やや集中人気
1人気2.2倍 ヴェロックス
2人気6.0倍 ニシノデイジー
3人気6.5倍 ワールドプレミア
4人気9.6倍 ヒシゲッコウ
5人気10.5倍 ホウオウサーベル

 ダービー2人気3着のヴェロックスが、神戸新聞杯2人気2着から出走して1人気に。ダービー集中人気4着のサートゥルナーリアも神戸新聞杯出走していて圧勝したが菊花賞回避のため2番手のヴェロックスに人気が集まった。ダービー13人気5着のニシノデイジーが2人気になっていたので、だいぶメンバーダウン感はあったのでヴェロックスは1人気でもあまり辛くなかったが3着に終わっている。大幅距離延長の問題もあったのかもしれない。
 勝ったのは、そのヴェロックスと神戸新聞杯で0.2秒差だったワールドプレミア。ヴェロックスの人気が抜けていた分、神戸新聞杯よりメンバーダウンで僅差実績のあるワールドプレミアにとっては走りやすい人気だった。
 2着には春のクラシックは2桁着順で惨敗し、休養明けのセントライト記念で8人気2着のサトノルークス。ニシノデイジーがセントライト記念2人気5着で菊花賞も2人気だったので、8人気のサトノルークスは人気薄めだった。


2019年 フィエールマン

人気構成:やや3強の分散型
1人気3.4倍 ブラストワンピース
2人気3.6倍 エタリオウ
3人気5.5倍 エポカドーロ
4人気11.2倍 ジェネラーレウーノ
5人気12.5倍 メイショウテッコン

 この年は、神戸新聞杯にダービー1、2、4着と上位馬が集結。勝ったのはダービー馬のワグネリアンだったが菊花賞は回避でやや人気は割れ気味。
 1人気のブラストワンピースは、ダービー2人気5着後に休養明けを新潟記念に回っての出走。変則ローテだったものの4着。変則ローテで人気を負うのは危険信号。トライアル使えない事情があったのかもと疑ってかかりたい。
 2人気はエタリオウ。休養明けの神戸新聞杯でダービー13人気4着からの大幅人気変動も2着と成長を見せた。ここでも2着に入っている。秋華賞でもそうだったが、オークスやダービーで大穴激走でトライアルを上位人気で走れた馬は秋のG1で何かしら絡んでくるので注意が必要。対して、3人気のエポカドーロは、ダービー4人気2着明けの神戸新聞杯で人気はあまり辛くなかったのに軽く凡走した馬は危なくなる(結果8着)。
 勝ったのはフィエールマン。ラジオNIKKEI賞1人気2着からの休養明けだった。ラジオNIKKEI賞が初重賞で上位争いができたこと、ラジオNIKKEI賞勝ったメイショウテッコンが神戸新聞杯でダービー勢力と上位争いしていたことから、ここでも通用しそうな兆しはあった。特に今年はダービー勢力がやや勢いがなかったので、こういう年であれば変則ローテーションの穴馬を狙うのもありだろう。


2017年 キセキ

人気構成:分散型
1人気4.5倍 キセキ
2人気4.9倍 アルアイン
3人気5.2倍 ミッキースワロー
4人気8.3倍 タンビュライト
5人気14.0倍 サトノアーサー

 ダービーの1〜3着馬不在で混戦。ダービー馬のレイデオロは神戸新聞杯に回って勝ったものの菊花賞は回避となった。その神戸新聞杯で夏の上がり馬としてレイデオロと人気を分け合って2着したキセキが1人気。いきなり春のクラシック組に混じって上位人気で結果を出して力を示したので、強力馬不在の菊花賞でも1人気に応えて快勝した。
 2人気アルアインは、皐月賞勝ってダービー4人気5着後、休養明けセントライト記念を集中人気で2着してからの参戦だった。結果は7着。
 3人気ミッキースワローは、ダービー未出走でセントライト記念に回って2人気でダービー4人気5着馬のアルアインを倒しての参戦。結果は6着。
 4人気タンビュライトは。ダービー7人気6着後に、神戸新聞杯で4人気4着。結果は5着。
 2着には、皐月賞13人気4着、ダービー9人気13着と、春のクラシックで一線級の間では力が及ばなかったクリンチャーが入っている。セントライト記念も4人気9着とパッとしなかったものの大穴で大きく巻き返すことができた。
 また3着にはダービーなど春のクラシックには出ていない条件戦からのポポカテペトルが入っている。
 こうしてみると、ダービーの上位馬が不在でトライアルでも新興勢力に押され気味のときは、春のクラシック実績はあまり重要視しない方がよさそうだ。春クラシック未出走馬や春クラシックでは馬券圏外だった馬を大穴で狙ってみても面白いだろう。


2016年 サトノダイヤモンド

人気構成:2強型
1人気2.3倍 サトノダイヤモンド
2人気3.2倍 ディーマジェスティ
3人気11.7倍 カフジプリンス
4人気12.2倍 ミッキーロケット
5人気16.3倍 レッドエルディスト

 ダービー上位馬がトライアルを集中人気で勝って人気がダービー勢力に偏った。
勝ったのは、皐月賞1人気3着→ダービー2人気2着後に神戸新聞杯を集中人気で完勝した1人気サトノダイヤモンド。
 2人気ディーマジェスティも皐月賞勝ってダービー1人気3着後にセントライト記念集中人気で勝ったものの4着に終わっている。神戸新聞杯でサトノダイヤモンドの2着したミッキーロケットが菊花賞で4人気に支持されていたのに対して、ディーマジェスティの勝ったセントライト記念3人気3着のプロディカルザン11人気だったので、走ったメンバーがディーマジェスティは弱かったところもあって、トライアルの出走メンバーレベルもチェックする必要はありそう。
 2着には9人気レインボーライン。ダービーは12人気8着で他の馬と変わらなかったが札幌記念4人気3着からの珍しい出走だった。
 3着には6人気エアスピネル。ダービー7人気4着でサトノダイヤモンドやディーマジェスティと僅差実績があった。ダービー勢力が強い年は人気のダービー上位勢と僅差実績のある穴馬は警戒が必要になるだろう。


2015年 キタサンブラック

人気構成:やや3強

 ダービー馬不在、1人気はダービー未出走で神戸新聞杯を3人気1着したリアファル。ダービー2人気4着のリアルスティールを倒しての参戦だった。ダービー5人気2着のサトノラーゼンはセントライト記念で1人気7着だったので、ダービーの実績馬達がやや頼りない印象の菊花賞だった。
 勝ったのは、皐月賞4人気3着、ダービー6人気14着、休養明けセントライト記念で6人気1着だったキタサンブラック。ダービー実績馬が出走してこない、トライアル不調時はダービー実績は問われなくなるので、トライアルなどをみて判断した方がよさそうだ。



まとめ

⚫︎弥生賞馬→皐月賞とダービー敗退→セントライト記念凡走→菊花賞人気ダウンに注意
⚫︎ダービー馬や上位馬不在時は、春のクラシック実績は問われず、春と比べて大きく巻き返してくる馬や上がり馬に警戒。
⚫︎上がり馬はダービー実績馬をトライアルで倒してくると菊花賞でも上位人気で馬券圏内に入ってきやすい

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?