スプリンターズS 傾向と対策


2022年 ジャンダルム

人気構成:2強型
1人気2.5倍 メイケイエール
2人気2.9倍 ナムラクレア
3人気8.5倍 シュネルマイスター
4人気16.7倍 テイエムスパーダ
5人気18.6倍 ナランフレグ

 高松宮記念2人気5着実績あって、休養明けセントウルS1人気完勝したメイケイエール、牝馬クラシック戦線から夏のスプリント戦線(函館スプリント勝利→北九州記念1人気3着)に切り替えてきた3歳牝馬ナムラクレアの2強型の人気構成。
 勝ったのはこの2強の2頭に大敗してきたジャンダルム。人気着順が完全に崩れ大荒れとなった。同馬は中山1200のGⅢオーシャンSを3月上位人気で勝ったことがあり中山での実績はあったものの大穴で大敗を2戦続けていたため8人気(20.3倍)のポジションだった。
 2着にはウインマーベル。ナムラクレア同様3歳馬だったが、葵S勝ち→キーンランド2人2着などややナムラクレアより裏路線の短距離経由だったため7人気(20倍)と実績の割に穴ポジションだった。
 3着にはナランフレグ。その年の高松宮記念を8人気1着した後に安田記念0.4差の9着後の休み明けで5人気(18.6倍)と穴ポジションだった。中山のオーシャンSでは、勝ったジャンダルムの2着に入っている。ちなみに安田記念2着でナランフレグより上位に来ていたシュネルマイスターも休養明け1200初出走で出走していたが、3人気9着に終わっている。スプリントでの実績も欲しいし、目標が11月のマイルCS以降になるようなマイル志向の馬は敬遠が妥当か。

2021年 ピクシーナイト

人気構成:3強型
1人気2.6倍 ダノンスマッシュ
2人気3.4倍 レシステンシア
3人気5.3倍 ピクシーナイト
4人気11.1倍 ジャンダルム
5人気15.3倍 モズスーパーフレア

 その年の高松宮記念馬で、前年のスプリンターズSでも2年連続で上位争いしているスプリント実績抜群のダノンスマッシュが1人気。香港競馬後5ヶ月半の休み明けでの出走だった。結果は6着。スプリンターズS3回目で鮮度はあまりない状態だった。
 2人気は、高松宮記念で前出のダノンスマッシュより人気の1人気2着実績があって前哨戦のセントウルSも1人気で勝ってきたレシステンシア。結果は2着。
 3人気は、そのレシステンシアとセントウルSで接戦していた3歳馬ピクシーナイト。セントウルS(中京1200mで実施)ではレシステンシアに人気先着を許したものの、ここで逆転して勝っている。
 3着は10人気休養明けシヴァージ。休養前は1400mのOP戦で人気で勝ちきれないレースが続いてたが、シルクロードSなど1200の重賞実績もある馬だった。

2020年 グランアレグリア

人気構成:3強型
1人気2.2倍 グランアレグリア
2人気3.9倍 モズスーパーフレア
3人気5.1倍 ダノンスマッシュ
4人気13.3倍 レッドアンシェル
5人気14.5倍 ダイアトニック

 高松宮記念1人気2着→安田記念3人気1着後のグランアレグリアが休養明け1人気。結果は1着。短距離実績もあってマイルG1でも実績があると休養明けでも軽視できない。高松宮記念で9人気1着だったモズスーパーフレアが2人気でメンバーダウンもあったので1人気はむしろ楽な人気だったか。
 2人気は、高松宮記念9人気1着→北九州記念1人気2着後のモズスーパーフレア。高松宮記念から見ると大幅な人気変動だったので辛い場面だったのか結果は10着。
 3人気は、高松宮記念3人気10着、前哨戦セントウルS(中京1200開催)1人気1着後のダノンスマッシュ。他のセントウルSの上位馬達は、スプリンターズSで穴ポジションだったので、若干人気先行な感じもあり結果は2着。
 3着には、シルクロードS勝ち→高松宮記念11人気11着後に北九州記念10人気3着後だった10人気アウィルアウェイ。高松宮記念出走馬が上位人気独占していて、メンバー的にはスプリンターズSの方がメンバーダウン気味で、しかも大穴ポジションだったのがよかったのかもしれない。

2019年 タワーオブロンドン

人気構成:2強型
1人気2.8倍 ダノンスマッシュ
2人気2.9倍 タワーオブロンドン
3人気6.2倍 モズスーパーフレア
4人気8.9倍 ディアンドル
5人気14.9倍 リナーテ

 1人気は、高松宮記念1人気4着後、キーンランドCを1人気で勝ってきたダノンスマッシュ。今回人気を分け合ったタワーオブロンドンにはキーンランドカップで人気先着している。実績は申し分なかったものの結果は3着で終わっている。
 勝ったのは、キーンランドC2人気2着→セントウルS1人気1着と約1ヶ月で3走目になるタワーオブロンドン。使い詰だったが上位人気で完勝した。✴︎この年はセントウルSは阪神1200で実施
 2着は、高松宮記念2人気15着→北九州記念2人気4着で人気凡走が続いていたモズスーパーフレア。

2018年 ファインニードル

人気構成:2強型
1人気2.8倍 ファインニードル
2人気3.4倍 ナックビーナス
3人気10.8倍 ワンスインナムーン
4人気11.8倍 レッツゴードンキ
5人気13.3倍 レッドファルクス

 その年の高松宮記念馬で、前哨戦のセントウルS(阪神1200開催)も1人気1着しているファインニードルが人気に応えて完勝。今回人気を分けあったナックビーナスは高松宮記念10人気3着馬だから、メンバー的には人気でも楽なポジションだった。
 2着はラブカンプー。セントウルSで勝ち馬のファインニードルとは人気を分けあって2着。そして今回は11人気と走りやすい穴ポジションだった。
 3着はラインスピリット。セントウルSでは9人気5着(0.4秒差)とファインニードルたちとは僅差実績があって13人気と穴ポジションだった。この年は終わってみたらセントウルSの上位馬がそのまま来ていて、阪神1200とは連動性が強いのかもしれない。2019〜2022年はセントウルSは中京1200で開催されている。

2017年 レッドファルクス

人気構成:やや分散
1人気3.2倍 レッドファルクス
2人気5.7倍 メラグーナ
3人気6.1倍 セイウンコウセイ
4人気10.4倍 ダイアナヘイロー
5人気10.8倍 レッツゴードンキ

 1人気は、昨年のスプリンターズS勝ち馬で、高松宮記念は1人気3着、安田記念でも3人気3着とマイル実績もあるレッドファルクス。安田記念からの休養明けだった。マイルも走れるスプリンターは休養明けのここでも安定しやすく完勝している。
 2人気は、セントウルS3人気4着後のメラグーナ。セントウルS1人気1着のファインニードルの人気がなかったので、この年は、セントウルS勢力は異常な人気順になっていた。セントウルSからでスプリンターズS最先着だったのは、7人気8着のスノードラゴン。16人気4着になってセントウルS組は完敗組が巻き返す逆転現象が起きていた。阪神1200セントウルSとの連動性が高くても、人気着順の序列で異常人気になっている場合は敬遠するべきかもしれない。
 3人気は、高松宮記念5人気1着実績あって休養明けのセイウンコウセイ。結果は11着だった。
 2着は、高松宮記念2人気2着実績あって、休養明けの5人気レッツゴードンキ。高松宮記念出走馬が人気になっていたので5人気は走りやすいポジションだったか。勝ったレッドファルクス同様、桜花賞馬でもあるようにマイル実績もある馬はここでも安定しやすい。
 3着は、高松宮記念8人気16着後に休養を挟んで条件戦→OP戦と平場を経由したワンスインナムーン。高松宮記念完敗も別ローテで勢いをつけてくると逆転もありうるという好例かもしれない。

2016年 レッドファルクス

人気構成:集中型
1人気1.8倍 ビッグアーサー
2人気8.2倍 ミッキーアイル
3人気9.2倍 レッドファルクス
4人気10.9倍 ダンスディレクター
5人気14.0倍 ソルヴェイグ

 1人気は高松宮記念馬で、前哨戦のセントウルSも1人気で完勝していたビッグアーサー。死角がなさそうなローテーションだったが12着に沈んでいる。セントウルSで2人気2着だったネロの人気が異様に低かったので、異常な人気状態が起きていたのかもしれない。2017年も同じような現象が起きていた。
 勝ったのは、前走CBC賞で初重賞勝ち後だったレッドファルクス。ダートの短距離でオープン戦を勝って、芝に替わりでCBC賞を勝ったばかりだった。スプリンターズSではあまり格は問われないのかもしれない。
 2着は、高松宮記念でビッグアーサーと人気を分けあって、今回休養明けで少し人気が楽なポジションだったミッキーアイル。
 3着は、函館スプリント勝ちがあって、キーンランドCで軽い凡走後のソルヴェイグ。キーンランドCから見ると斤量が軽くなったのと人気もダウンして走りやすかったのかもしれない。


まとめ

⚫︎阪神1200のセントウルSは、スプリンターズSで人気着順の序列が崩れていなければ、ローテーションとしては連動しやすい(上位馬の序列が崩れにくい)。
⚫︎1200実績だけではなくてマイル実績もあると安定して走れる
⚫︎鮮度が高い方がいい(3年以上出走などは鮮度が落ちてくる)
⚫︎格はあまり問われないG1



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