チャップリン_独裁者_演説

未来文明史論2019(9)独裁者論《改訂》

【なぜ独裁者が生まれるのか、未来予測】
 いままでの歴史のなかで、数多くの #独裁者  が生まれて消えていった。
 独裁者は自然と生まれるのではなく、他者の支持を得て生まれている。
 22世紀の未来も、#独裁者 は生まれるだろう。それは、はたして人間なのか、政党なのか、あるいは人間ではないものなのか、わからない。
 だれが独裁者になるという点よりも、なにを支配するのかが問題である。お金、領土、権力、、、、一番怖いのは「人の心」を支配することである。


【BSチャンネル「独裁者の妻たち」「独裁者ヒトラー 演説の魔力」を視聴して】

「独裁者の妻たち:デヴィ夫人|BS世界のドキュメンタリー|NHK BS1」 
デヴィ夫人が、フランス制作の「独裁者の妻」シリーズに登場。インドネシアのスカルノ大統領との恋と死別、パリ社交界などでの波乱に満ちた人生のあやを、率直に語る。
http://www6.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/?pid=190312

NHKドキュメンタリー - BS1スペシャル「独裁者ヒトラー 演説の魔力」
ヒトラーが大衆を熱狂させた最大の武器は「演説」だった。飛行機で全国を飛び回って恐慌に苦しむ国民の心を演説でつかみ、ナチス政権を打ち立てた。特に心酔したのは若者たちである。現在彼らは90歳を越え、その証言を聞くチャンスは残り少ない。番組ではヒトラーの演説を聞いて熱烈に支持した人々をドイツ各地に訪ねると共に、ヒトラーが行った25年間の演説150万語のデータを分析。謎に包まれた演説の実態を解き明かす。
https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/2225658/

おススメの図書:
高田 博行 『ヒトラー演説 - 熱狂の真実』 (中公新書) https://www.amazon.co.jp/dp/4121022726/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_BUsyDbN53TYYB

独裁者の妻たち。夫は独裁者であり死亡していても、亡命国でその妻や家族が暮らしている。裁判中とのことだったが、家族も責任はあると思った。

90歳をこえた、元ヒトラー・ユーゲントの貴重な証言。悪いことだと分かっていても、体験者にとって輝かしい思い出の一つなのである。教育の怖さを思い知った。


【独裁者の功罪】

 独裁者が生まれる背景がある。①軍事政権がクーデターを起こして設立した場合、➁選挙で合法的に多数派を占めて第一与党になった場合、➂歴代の王権を引き継ぎ世襲制として生まれた場合など。
 民主制であると様々な意見がぶつかり合い、政策が早く遂行されないけれども、独裁政治では、ある種の施策が迅速かつ大規模に実行されるため国民の支持を得られる場合もある。ただし、反対派勢力に対して、厳しく弾圧する傾向もある、大量虐殺などいたましい歴史がある。
 現在では、支持率が低くても極端な偏り思考をもつ大統領が当選する場合、野党があまりに弱体化しすぎて長期政権する場合、大統領任期あるにもかかわらず傀儡をはさみまた大統領に就任する場合など、現在の独裁者はいることを忘れてはいけないだろう。

 映画「独裁者」の演説が身に染みたので、引用します。


【チャップリン映画「独裁者」演説より】
申し訳ないが、私は皇帝などなりたくない。それは私には関わりのないことだ。誰も支配も征服もしたくない。できれることなら皆を助けたい、ユダヤ人も、ユダヤ人以外も、黒人も、白人も。
私たちは皆、助け合いたいのだ。人間とはそういうものなんだ。私たちは皆、他人の不幸ではなく、お互いの幸福と寄り添って生きたいのだ。私たちは憎み合ったり、見下し合ったりなどしたくないのだ。
この世界には、全人類が暮らせるだけの場所があり、大地は豊かで、皆に恵みを与えてくれる。 人生の生き方は自由で美しい。しかし、私たちは生き方を見失ってしまったのだ。欲が人の魂を毒し、憎しみと共に世界を閉鎖し、不幸、惨劇へと私たちを行進させた。
私たちはスピードを開発したが、それによって自分自身を孤立させた。ゆとりを与えてくれる機械により、貧困を作り上げた。
知識は私たちを皮肉にし、知恵は私たちを冷たく、薄情にした。私たちは考え過ぎで、感じなく過ぎる。機械よりも、私たちには人類愛が必要なのだ。賢さよりも、優しさや思いやりが必要なのだ。そういう感情なしには、世の中は暴力で満ち、全てが失われてしまう。
飛行機やラジオが私たちの距離を縮めてくれた。そんな発明の本質は人間の良心に呼びかけ、世界がひとつになることを呼びかける。
今も、私の声は世界中の何百万人もの人々のもとに、絶望した男性達、女性達、子供達、罪のない人達を拷問し、投獄する組織の犠牲者のもとに届いている。
私の声が聞こえる人達に言う、「絶望してはいけない」。
私たちに覆いかぶさっている不幸は、単に過ぎ去る欲であり、人間の進歩を恐れる者の嫌悪なのだ。憎しみは消え去り、独裁者たちは死に絶え、人々から奪いとられた権力は、人々のもとに返されるだろう。決して人間が永遠には生きることがないように、自由も滅びることもない。
兵士たちよ。獣たちに身を託してはいけない。君たちを見下し、奴隷にし、人生を操る者たちは、君たちが何をし、何を考え、何を感じるかを指図し、そして、君たちを仕込み、食べ物を制限する者たちは、君たちを家畜として、単なるコマとして扱うのだ。
そんな自然に反する者たち、機械のマインド、機械の心を持った機械人間たちに、身を託してはいけない。君たちは機械じゃない。君たちは家畜じゃない。君たちは人間だ。君たちは心に人類愛を持った人間だ。憎んではいけない。愛されない者だけが憎むのだ。愛されず、自然に反する者だけだ。
兵士よ。奴隷を作るために闘うな。自由のために闘え。『ルカによる福音書』の17章に、「神の国は人間の中にある」と書かれている。一人の人間ではなく、一部の人間でもなく、全ての人間の中なのだ。君たちの中になんだ。君たち、人々は、機械を作り上げる力、幸福を作り上げる力があるんだ。君たち、人々は人生を自由に、美しいものに、この人生を素晴らしい冒険にする力を持っているんだ。
だから、民主国家の名のもとに、その力を使おうではないか。 皆でひとつになろう。 新しい世界のために、皆が雇用の機会を与えられる、君たちが未来を与えられる、老後に安定を与えてくれる、常識のある世界のために闘おう。
そんな約束をしながら獣たちも権力を伸ばしてきたが、奴らを嘘をつく。約束を果たさない。これからも果たしはしないだろう。独裁者たちは自分たちを自由し、人々を奴隷にする。
今こそ、約束を実現させるために闘おう。世界を自由にするために、国境のバリアを失くすために、憎しみと耐え切れない苦しみと一緒に貪欲を失くすために闘おう。
理性のある世界のために、科学と進歩が全人類の幸福へと導いてくれる世界のために闘おう。兵士たちよ。民主国家の名のもとに、皆でひとつになろう。

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