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未来文明史論2019(7)未来政治論1

※(3)地方都市改革・近未来編のなかで、さらに「政治改革」について深く考察したい。何回かに分けて、連載しようと思う。

▼今日の箴言:
「しかし悪い人間という一種の人間が世の中にあると君は思っているんですか。~平生はみんな善人なんです。少なくともみんな普通の人間なんです。それが、いざという間際に、急に悪人に変るんだから恐ろしいのです。だから油断ができないんです」(先生・夏目漱石『こころ』上)


【未来予測】
 100年後、政治汚職・選挙公約を無視する「政治家」を排除すべく、立法・行政・司法のほとんどが、AI(人工知能)による22世紀型・三権分立で実施するようになる。最終決断を、ごく少数の、直接選挙で選ばれた、「新しい政治家」が行うようになる。
 かつての政治のように、独裁者・財閥・軍部が一体となって進められた「独裁政治」にならぬように、首相や大統領のほか重要閣僚も、今のような間接選挙ではなく、各家庭からのオンライン選挙(※個人情報を守られた、不正なくした)で国民の意志を直接に反映する「直接選挙」を実施する。選挙権は、老若男女や人種の別なく、日本に住むもの、国籍をもつもの皆、持つことになる。

【予測理由】
 現代の政治家は「世襲制」であり「貴種」がなる場合が多くて、世情に疎い。いまの政治家は国民の代表ではない。代々のお金持ちであり、庶民の生活を知らず、貧しさを経験したことがないのである。たとえば「ラーメンの値段をご存知ですか?」と質問すると「3000円くらいかな」と返事する有様。自分が「年金」をいくらもらっているかどうか分からない。ゆえに、年金以外に「2000万円~3000万円以上の貯蓄」がないと生活できない老後という近い未来も、分からないのである。また「景気が良くなっている」と本気で信じている節すらある。末期の政治家の、悲しい現状である。
 日本政治史を振り返ると、政治家は「井戸塀」とよばれた。政治にはお金がかかるものだが、自分の財産を使い果たして、井戸と塀しか残らなかったという。また、戦前の有名政治家に共通するのは、政治犯として「刑期」を経験していることだ。殺人罪などではなく、政治に関する罪、つまり上手くゆけば、前の体制を一新する指導者になるクーデターのようなもの(維新論)を企てて逮捕、収監されたのであった。その経験を『伝記』を通して分かったことは、

(1)世俗を離れて牢屋に隔離されることで、自分を見つめることができる。哲学者や仏教書で勉強したり、最底辺の人の話が聴けること。

(2)破廉恥な罪ではなく、世の中や他人のための政治行動の刑期ゆえ、牢屋主・守衛も最大限、考慮してくれていた。今後の政治目標や生き方など決められる。

(3)罪人は生まれた時からではない。好きでなったわけではなく、貧困や戦争が招くものである。貧しいから家族のために食べ物を盗む、育ってきた環境が悪い、幼児期に虐待を受けて普通の幸福を知らず育ってきたなど。

 21世紀半ばには、日本国の赤字が増えて、国家が立ち行かなくなる。いかに増税しても間に合わない未来がやってきた。
 もちろん、すべての政治家を牢屋に入れて再教育することは不可能である。人間であれば「また次も当選したい」という願望、重要閣僚を取り合う派閥構成に力を入れること、私服を肥やすなど、己の欲望を完全に排除しなければならなくなる。立法府の国会議員に対して行政府の公務員が忖度できる環境になってしまうため、人間を配置できなくなる。そこで、何万人の公務員や官僚が、計算や判断できないレベルの量であり、忖度しない難しい行政業務を、#量子コンピューター で計算するのである。行政赤字や公文書偽造などゼロにする。国内政治や外交問題など別なく、政治も無駄なく計算できる22世紀の政治のかたちである。

つづく。

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