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八百屋さん

今しか食べられないよ、はい、もう時期が終わっちゃうよー!と、親父さんが言う。

ここは近所の八百屋さん。見るとプリプリのとうもろこし。親父さんが皮をむいているところだった。


じゃあこれ一本ください

とひとつ手にとるとそこにはちょうど、幼虫が!!

「わー!虫っ虫虫!!」

と私が親父さんの手にそのとうもろこしを返すと親父さんはポンと叩いて虫をとってくれた。そこには虫のかじった穴が葉っぱに空いていた。親父さんは無農薬の証だわ、ガハハハと豪快に笑った。レジ番をしていたせがれは私に申し訳なさそうにガハハと笑っていた。虫に会いたくないと思っている人のところにこそ現れるんだよねーガハハとまだレジで笑っている。そんな昼下がり。


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