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コーポレートガバナンスを勉強したら日本企業ってやっぱヤバいのではって思った話


こんにちは。
トライバルメディアハウスでマーケティング担当をしている亀井(@kame1da1k1)です。

現在、私は勤めているトライバルメディアハウスの教育プログラムの一貫である「Tribal Professional Academy」のチューターをしています。(以下テンプレ)

私たちの代表の池田(@ikedanoriyuki)が通年で講師を努め、経営戦略や競争戦略、財務会計、組織行動論、マーケティング、行動経済学や社会学などの「理論」を学ぶ。課題図書を読み、事前にnote上に「感じたこと」や「学び」に関するアウトプットを行って、当日単語テストを実施し、その後社長を含む場で主に自社を題材に議論を行う。それを隔週で行うカリキュラム。

今回のテーマは「コーポレートガバナンス」です。
課題図書はこちら。難解に思われそうなコーポレートガバナンスを「そもそも論」や歴史も踏まえて説明してくれている初心者に優しい1冊でした。

取締役とか監査役とか、執行と監督の分離とかなんやねん、という方も一読すればなんとなくわかるのではないかと思います。(私がそうでした)

しかし、この本を読むと「とても理解できるんだけどとても陰鬱な気分になる」という現象に苛まれました。

日本は敗戦国ですから、復興や成長のために不可欠だったとはいえ、その頃行った施策は当時カンフル剤だったんだけど、効果はとっくに切れていて、むしろ息切れしてしまっているよね日本。そんな状態が、ここ何十年続いている裏側がなんとなくわかった気にもなりました。

銀行に頼りすぎて資本効率が低い

復興・成長のため、国は護送船団方式で銀行を集中管理しながら株主となってもらい、どんどん資金を投下させることで企業に事業をさせる仕組みをとりました。

「先立つもの」である財政を銀行が担保することで、企業は不安はなくなるから事業に集中できる。しかし、資金を投入してもらう必要があるから銀行に頭が上がらない、という状態が続いていました。

基本的に株式会社の所有者は株主であるにもかかわらず、銀行や取引先など「物言わぬ株主」が跋扈した、これが1990年代後半までの話です。

しかし、「作れば売れる」時代であれば「効率よく作る」に全社が専念できればよかったものの、そんな牧歌的な時代は終わってしまいました。

たくさんの企業の成長を確かにもたらしたものの、どちらかというとこの仕組みが闇雲に会社を「肥大化させる」要因になってしまったのではないでしょうか。

銀行から資金を投入され、リスク回避のために戦略なき多角化が行われる。お金は銀行が貸してくれるから不安はない=収益姓を意識する必要がなかった。結果、欧米諸国と比較して低い資本効率となってしまっている、という内容が書かれていました。

ただ、もちろん資本効率だけが重要というわけではありません。経営者が株主の方向ばかりを見て短期的な利益を追求してしまうリスクもあります。しかし、企業が存続し続けるためには利益の獲得が不可欠であり、収益性を求めることからは逃れられないと思います。

終身雇用だから「それが普通」が文化

マイナス方向に拍車をかけたのが終身雇用制なのかなと思いました。

終身雇用制は、企業を銀行を支えたのと同様、従業員を会社が一生支えるという約束のもと、現場のオペレーションを効率化・最適化することにはとても寄与しました。

しかし、かつて企業は収益性を求めることはできなかった。企業の選択は利益ではなく銀行のためだった。

それを実現することが中心に培われていた意思決定基準や文化は、人材が流動しないとなればそう簡単に変わらないのではないでしょうか。

花は全部咲くと思っているしリスクは取らない

戦略の本質は「選択と集中」です。
しかし、企業の戦略や方針が、株主や投資家の監視の目にしっかりさらされていなかった日本企業は、「社内をいかに通すか」のほうにしか目を向けられていなかったのではないでしょうか。

もともと和を重んじる国民性もあって、全員が納得するためにはどうするか、という方向にばかり目が向いてしまっていたことも想像できます。

(一部を除き)経営者がリーダーシップを発揮できず、挑戦ができない、だって周りが納得しないから。みたいな状態が長く続いていたことは今になって大きな負債となっているのではないでしょうか。

どうすればいいんだろう

なんとなく日本に漂う暗鬱な感じの部分を明文化してみたことで、私も少し暗鬱な気分になってしまいましたが、必要なのはしっかり戦略を講じること(講じられるようになること)、捨てる覚悟を持つこと、和を重んじるのは構わないが戦えるチームであることが大切なのかなと思いました。

米国や英国を参考にしたコーポレートガバナンスの仕組みを日本が必要とした背景は、国が日本の将来を考えると、このままじゃいかんという問題提起ゆえにです。その文脈をしっかり読み取り、悪いと思われていることはしっかり反面教師にしておいたほうがいいなと肝に銘じました。

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