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価格と価値と審美眼と

こんにちは。トライバルメディアハウスでマーケティング担当をしている亀井(@kame1da1k1)です。

今日は価格の話を書きたいと思います。
「周りがこの値段だから、うちもこれで!」で価格を決めるのはもう止めようという話です。

どんなにいい商品やサービスであっても、最後に購入の壁となって立ちはだかるのは、いつも価格。増税悲しい。

しかし、人によって「高い」か「安い」と感じるか、今の時代かなりバラつきが生まれてきたように思います。

例えば“価格自由”で話題をさらった光本勇介さんの『実験思考』。
電子書籍は0円、物理的な書籍は原価の390円でした。

結果はこちらで公開されていますが、支払総額は1億円を超えたようです。1人あたりが支払った価格は4万円以上。支払った金額帯でもっとも多かったのは0円ですが、次がビジネス書として一般的なように思える1,500円。
その次に多かった金額がなんと1万円のようです。

人が記憶の中に持っている「これくらいだろう」という価格は内的参照価格と呼ばれますが、「それ以上に支払いたいと思っている層」がかなり多くいたことは大きな発見ではないでしょうか。

好きな価格をつけていいという事例で、他にも話題を集めたのがZOZOTOWNの“送料自由”(現在は終了)。これも結果は発表されていて、平均送料は96円だったとのことです。もともとタダだったものに、ちゃんとお金を払った人は57%いたそうです。

参照価格というのは、値引きのキャンペーンが続くことで崩れていきます。送料無料はいろんなECショップで見かけるため、送料の参照価格は「0円」であることは多かったのではないでしょうか。むしろ送料が発生すると、少し残念な気持ちになるというか。

しかしSDGsに代表されるように、「社会にとって良いことをせねばならぬのだ」という意識が広がっている今、正しく金額を払うこと、そして価値を感じれば、それに対価を払うことを厭わない人も増えていますよね。インターネットを通じて、払う手段が増えていることも背景にあるように思います。D2Cの広がりも、自分が価値を感じたものにしっかりお金を払うという考え方が根底にありそうです。

これら2つの事例を踏まえると、
・価値はなにかを明らかにすること
・それに対して正しい値付けができること
・価値に対してしっかり対価を受け取れる方法を用意すること
これらを嫌味なくできるようになるスキルがこれから求められそうです。

逆に言うと、安請け合いをしないことも大切ではないでしょうか。
日本は機能の良い製品を、いかに安く作ることができるかに心血を注いできました。バブル崩壊後は長らく不景気だったこともあり、安さと品質の良さを両立させることを重要視した結果、人的稼働が発生するビジネスでも、要求に対して低く対価を請求している節があるように感じます。

「あそこの会社はこれくらい(自社より安い価格)でやってくれるよ?」には応じない。

元々がみんな安いんだから、その安いところを参考に、追随して合わせようとしない。

その代わり、しっかり自分たちの価値を掲げる。その価値を感じてくれる人に買ってもらう。仕事を一緒にする。

しかし、自分は求めるのに払わない、というのもナンセンスでしょう。そのために、相手やモノの価値をしっかり見定められるようになりたいものです。

磨いていきたいな、審美眼。

BtoBマーケティングのプロを目指すため、日々精進しています! ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます! スキくれる方はみんな大スキです(*´ω`*)