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組織風土あってこその制度なり~プロフェッショナルを目指すための社長講義記録⑥

今日もわたしたち、トライバルメディアハウス社長池田(@ikedanoriyuki
)の社内講義記録をあくせくまとめます。
本日のテーマは「人的資源管理」。

出戻り制度の是非

会社によって「出戻り制度」を設けている会社があるが、成長期にある会社ではあまり有効ではないかもしれない。なぜなら、企業の成長フェーズによって必要な人物像が異なるから。

0→1が得意な人、1→10が得意な人、10→100が得意な人など、得意分野は人によって様々だが、企業と個人の成長によってミスマッチが生まれていく。1万人の会社を巣立ってまた戻ってくるのと、10人時代に去って100人になったときに戻ってくるのとでは、受け入れる会社にとって必要な人物像も変わっているだろう。とはいえ制度化せずとも、非常にハイパフォーマーだった人間が退職するときには、いつでも帰ってきてほしいこともある。その際は退職時に声をかけているだろう。「いつでも帰っておいで」と。制度化までしなくても、そうゆう約束をして別れることは、どこでもありえる。

ゼネラリストとは?

終身雇用制が前提である日本企業におけるゼネラリストとは、高まっていく能力が企業特殊技能の粋を出ないことが特長である。

これはスペシャリストと対比してのゼネラリストと語られるものとはまた別の「日本型企業特化ゼネラリスト」のことであり、本当のゼネラリストとはエンプロイアビリティを兼ね備えた人のこと指す。

あらゆる分野に知見を持ち(特定の分野ではプロであり)、人心掌握力を有した指揮者のような人間はこれから市場価値が高まっていくはず。絶対数は必ず少ないであろうから。

かつての笑い話で、転職エージェントの「あなたは何ができますか?」の問いに対して「部長ができます!」と返す人がいたらしい。それは企業特殊技能としての、その会社での政治力を有しているに過ぎなかったりして、その能力は他社では通用しない。

組織風土と制度はセットである

「あの会社が、◯◯という制度をはじめたらしいよ!」という理由で、すぐさま模倣に走るのはよくない。組織構造・組織行動・そしてシステムとしての人的資源管理はセットだからだ。

逆に言うと、だからこそ風土や文化はコモディティ化しない。絶対的な正解が存在しないからだ。

ハイパフォーマーとローパフォーマー

経営者が気にしなければいけないことは、ローパフォーマーはハイパフォーマーの時間を蝕んでしまうこと。ときにマネジメントのやり方・人の組み合わせで改善されることはある。

報酬制度

どんな制度をそろえていようが、上限は変わらない。

シャープが賞与の数を年3回にする、と発表した。
経営者の視点で見ると、賞与は業績連動であるが故にコントロールがたやすく、労働分配率をコントロールしやすくするという側面もあるだろう。

手当や福利厚生も同様で、結局企業が人に投下できる原資は変わらないので、手当が増えたということはその分月額の給与がさがるということだ。

報酬制度や賞与や福利厚生や手当の形に変換されることで、入社のモチベーション、退職阻止などの心理的なインセンティブになりうるという側面はメリット。ありがたがってもらえることは確定だが、ある意味首輪をすることにも近くなってしまうことは憂慮している。

研修があれば人は伸びるのか?

外部研修等を受けたときに、「まぁ、そうだよね」で終わって実行に移されないケースも無きにしもあらず。

本当に大切なのは課題に直面したときに、課題解消のため自身で知識を吸収し行動するという自律性だ。

まとめ

個人的な感想だが、すべての会社に通じる万能薬のような人事制度は存在しない。企業のビジネスモデルや戦略や文化、それらによって求められる人事制度は必ず異なる。

そのため、安易に他社の制度を真似することはよくないと思った。自社はどんな文化で、どんな組織の構造で、どんな組織の特性があり、どんな行動を好んでいるかをしっかり省みることが大切だ。

BtoBマーケティングのプロを目指すため、日々精進しています! ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます! スキくれる方はみんな大スキです(*´ω`*)