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戦略はポジショニングと実行能力の掛け算 ~プロフェッショナルを目指すための社内講義記録④

こんにちは。
トライバルメディアハウスでマーケティング担当をしている亀井(@kame1da1k1)です。

現在、私は勤めているトライバルメディアハウスの教育プログラムの一貫である「Tribal Professional Academy」のチューターをしています。(以下テンプレ)

私たちの代表の池田(@ikedanoriyuki)が通年で講師を努め、経営戦略や競争戦略、財務会計、組織行動論、マーケティング、行動経済学や社会学などの「理論」を学ぶ。課題図書を読み、事前にnote上に「感じたこと」や「学び」に関するアウトプットを行って、当日単語テストを実施し、その後社長を含む場で主に自社を題材に議論を行う。それを隔週で行うカリキュラム。

今回のテーマは「競争戦略」です。今回の講義記録を残します。
事前課題として、自身の気づきをまとめたnoteもよろしければご覧ください。

クライアントの競争戦略を日頃意識するか?

私たちはクライアントのマーケティングコミュニケーションを戦略レイヤーから支援することを強みにしています。

マーケティングは機能なので、担当者を相手に事業の競争戦略を踏まえて提案をすることはほとんどありません。

しかし、BtoBといえど対面しているのは人間。そして、その方が日頃何をミッションにしているかは企業の戦略に準じているはずです。

その立場や苦労を理解するために、クライアントがおこなってるビジネスの地図を頭に描き、全体の中で担当者が何を果たそうとしているのかを知ることは相互理解に近づく一歩になるはずです。

お互いに同じ方向を見て、同じ敵を倒す。そのためには担当者の向こう側を想像する力と視座が必要です。

その機能、内部で持つか市場から手に入れるか?

取引には3種類の形態があります。

1)市場取引
2)内部取引
3)中間取引

市場取引とは、その名の通り必要とするモノや作業を市場を通じて外部の企業に依頼することを指します。

取引コストがかかる、あくまで別組織なので経験曲線を描きにくい、というデメリットはありますが、市場環境の変化によって取引を終了するなど対応は柔軟に行うことができます。

逆に内部取引は、機能同士を垂直統合して内部に抱えることで、取引コストの減少と、経験曲線を描く(取引が増えるほど『阿吽の呼吸』ができる)ことが可能になります。しかし市場取引とは逆に、変化への対応力は弱まります。

その中間となるのが中間取引で、機能同士の関係をアライアンスで組むことで比較的中長期の取引を近い関係で行うことを指します。

戦略で実現させたいコンセプトを軸に、どの選択をするかが肝要です。

理論はあくまで「過去分析」

経営とは、企業を存続させるため(未来のため)に日々起こる意思決定を繰り返す作業です。

たしかに栄華を極めた企業は多くあります。
経営学は、その「過去」を分析することで成功要素を抽象化したり、類型化することを目的とします。

つまり、向いている方向が違うのです。
たしかに過去、学者が見つけ出したその法則で企業は成功していたかもしれませんが、企業自身が明確にそれを意識していたかは定かではありません。

なので、理論にかならず当てはめようとはせず、経営者自身の「腹落ちしない」感覚も大切にする必要があります。過去は未来の輪郭をつかむヒントになるかもしれませんが、戦略を正しかったと証明するのは、実際に起こした行動の結果のみです。

理論を学ぶことは重要ですが、自身の「知識と経験」に基づき何を受容し、何を受容しないかを決めることも重要です。

ポジショニングはトップの意思決定&組織能力は全社の実行能力

自社がどこで戦うか、どこのポジションを狙うかに正解はありません。いまの時代で競争がないところを探すポジショニングは難しい。
トップが定めたポジショニングは、そこで戦うという意思です。

その意思を受け取り、実際に遂行するのが組織であり、その組織内でおこなわれているルーティーンに競争優位の源泉があります。

カルチャーは模倣困難姓がもっとも高いものです。同じ制度や一部の人を転用したからといって、同じ状態が実現できるわけではありません。カルチャーは経路依存性が高いと言われています。

では、カルチャーが生まれる経路とは何か?ここからは私の推測ですが、それは「歴史」ではないかと思っています。
歴史とは、会社を成長させるために創業メンバーがおこなってきた意思決定の積み重ねです。その意思決定の裏には、創業メンバーの価値観が見え隠れしています。組織が拡大するにつれ、他のメンバーが「自社っぽい」選択を求められる機会も増えていきます。そのときに他メンバーが参考にするのは、以前創業メンバーが意思決定していたときの価値観なのではないでしょうか。その積み重ねと、価値観の伝播こそがカルチャーが醸成される経路なのではないかと思っています。

代表と戦略を話す効果

このプログラムをやっていて本当によかったなと思うのは、直接社長と議論することで、自分の会社に対する戦略理解度と解像度が上がっていくことだなと思います。

トップが決めた「ここで戦う意思」を、実際にこなすのは社員一人ひとり。自身の役割が最終的にその戦いのどこに作用しているのかを意識できるかという能力は、これからの時代に不可欠だと思います。

過去の講義記録はこちらから。ここまでお読みいただきありがとうございました。


BtoBマーケティングのプロを目指すため、日々精進しています! ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます! スキくれる方はみんな大スキです(*´ω`*)