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プロフェッショナルを目指すための講義記録 ~経営戦略編~

こんにちは。
トライバルメディアハウスでマーケティング担当をしている亀井(@kame1da1k1)です。

現在、通年で実施されるトライバルメディアハウスの教育プログラムの一貫である「Tribal Professional Academy」のチューターをしています。

私たちの代表の池田(@ikedanoriyuki)が通年で講師を努め、経営戦略や競争戦略、財務会計、組織行動論、マーケティング、行動経済学や社会学などの「理論」を学びます。課題図書を読み、事前にnote上に「感じたこと」や「学び」に関するアウトプットを行って、当日単語テストを実施し、その後社長を含む場で主に自社を題材に議論を行う。それを隔週で行うといった内容になっています。

前回はこちらのnoteで、導入編をお送りしましたがこれからはシリーズ物でお送りしていきたいと思います。初回についてはこちら。

章ごとに独立した内容になっているので、気になったところだけでもお目通しいただければ嬉しいです。

「単年度会計」と「持続可能な競争優位を目指す」ことの相性

一般的に、会社の持ち主は株主であるという考えのもと、単年度での成績となる財務諸表の掲出が求められる。

会社の持ち主は株主。キャピタルゲインもしくはインカムゲインで利益を還元する必要があり、経営者は株主に評価されるために頑張らなければならない生き物。(同族企業はその限りではない)

やはり単年での成績が重視されがちではあるが、近年ではESG投資や鎌倉投信に代表されるような、「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三方良しな会社に投資すべきという潮流が生まれている。政府もインパクト投資の普及を後押ししようとしているようだ。

その背景には、すべてのステークホルダーを幸せにしようという想いの元に事業を行っている会社は、ある程度サステイナブルな会社であるという立証がされており、上述した投信においては利回りが高いと言われている。つまり、下世話な言い方になるが儲かっているのだ。

どうしても単年度で社長は株主に評価されてしまうので、まだまだそちらに偏重「してしまう」施策をとってしまう流れは続くだろうが、中長期的に「三方良し」な戦略に基づいた競争優位の構築を目指すことで、利益も中長期的に還元していく。そういった考えのもとで社長が経営が行い、それが評価されるというケースも増えていくだろうと予想される。

経営者にとっての「フレームワーク」とは?

PPMやアンゾフのマトリクス、SWOT、3Cなど、世の中には様々なフレームワークが存在する。それを経営者はどのように使いこなしているのか?

経営者の周辺にはあらゆる事象があふれている。あらゆる意思決定が求められる。経営者は、自身の経験を元にして無意識のうちに、適材適所で、必要なフレームワークを手に取り、都度事象をフレーミングするツールとして用いている。

たとえば飛行機のコクピットにおけるメーターや機類。

わたしたちから見ると、あの多数のメーターや機類は何を示しているか分からない。しかし、飛行士は航行中に起こるあらゆるシーンで、適切な計器を見て適切な操作を行っている。

たとえば、知識や経験がない状態で仮に飛行機を運転したとき、墜落間近でいろいろ操作して、はじめて「これを見るべきだった」「これが高度を示していたのか」などを理解する。(実際はありえないけれど)

それと同様に、やはりまずはフレームワークを使ってみること。その繰り返しが血肉となって物事を見るメガネとして活躍してくれる。

経営戦略の全体像

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手書きでごめんなさい。

まずはなぜやるのかのミッション。
そしていつまでに・どこを目指すのかがビジョン。
ビジョンを目指すための道筋を決めることが戦略

そして戦略に準ずるのが組織
戦略は環境によって影響を受ける。つまり、組織も間接的に影響を受けることになる。

戦略を遂行するために自分たちはどんな存在であるのかを決めるのがバリュー。そしてそのバリューを下支えるのが企業文化である。文化によって、定義したバリューを実現できるのかどうかが左右される。

今の時代は、「ミッション」と「カルチャー」の差別化競争の時代であるといえる。

なぜ「ミッション」と「カルチャー」が重要視される時代なのか

理由は2つある。

・「このままじゃいけない」という組織学習を繰り返せる文化があることが大切
・あらゆるものがコモディティ化する中、左脳的な戦略アプローチは陳腐化しており負けはしないが、勝てもしない

コアリジリティという言葉がある。「硬直性」のことを指す。
これは企業や事業の変化を妨げるコンセプトのことだ。

簡単に言ってしまうと、一度できた強みは、時間の流れとともに「硬直性」へと変化してしまうことを示す。

たとえば社内で蓄積されたスキル、知識、設備、ソフトウェア。そしてそれらを適切に稼働させるためのオペレーションなど。

これらは強みが市場における競争優位を築けている間はよいが、強みが相対的に強みでなくなってしまったときに、過去の栄光にすがり続けてしまう結果になりかねない。変化ができない理由(言い訳とも言える)へと化してしまう。

その際に大切なのが、「今自分たちはまずいのではないか?」と自発的に気づき、改善が行われ続ける文化であるかということだ。

思考の様式はカルチャーに起因する。各々のメンバーが「自分たちらしい」意思決定ができる組織は、強い。

また、技術の進化やインターネット普及による情報流通量の増加は目ざましい。先進技術は一瞬にして模倣され、ノウハウも人材も流通しやすい世の中になった。

新しい理論や手段もコモディティ化しやすい。コモディティ化されたそれらを用いて練られた戦略には差別化要因がない。みんな同じ、あるいは似通った解を出しているからだ。そんな世の中においては、「なぜ自分たちが在るのか」を謳ったミッションこそが最大の差別化要因になる。

しかし企業文化はマイナスに働くこともある。分析を重んじる文化であるゆえに、とりあえずやってみようといったスピード感が失われるなど。それを企業文化の逆機能という。

ベーシックな事業拡張の考え方

アンゾフのマトリクスというものがある。新規・既存の商品/新規・既存の市場の2軸で四象限の戦略を練るものだ。

それぞれ、市場浸透(既存製品/既存市場)、新製品開発(新製品/既存市場)、新市場開拓(既存製品/新規市場)、多角化(新規製品/新規市場)にわかれるが、新しい事業を考える肝はノウハウシナジーとブランドアセットである。

「この会社がこの事業をやるなら、(ノウハウが発揮されていて)良いものなんだろうなぁ」ということを社内外に思わせることが大切である。社外のそのイメージは営業シナジーとして貢献することもあるし、社内においては、培った嗅覚を成功のために活かすことにつながる。

プロダクトポートフォリオマネジメントで投資先を決める

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※画像は起業TVさんのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)とは?ビジネスマンなら押さえておきたい用語をご紹介からお借りしました。

金のなる木は、市場が成熟しており、競合も競争に破れた結果ほとんどいなくなっているため利益率も高い。つまり、キャッシュの源泉となる。

そのキャッシュを問題児へと投下し、花形製品へと育てていく。

では、質の良い問題児を見極めるコツはなにか?
それは嗅覚や、経験、歴史や知識に基づく予測(といってもほぼ直感に近い)である。身につけるのは大変だ。

GAFAは成長を続けるか?

GoogleとAmazonはかなり長期で成長を続けそう。
FacebookとAppleは正直10年も先になればわかんない。

この感覚はどこから来るのだろうか。(同じような感覚をお持ちだろうか…?)

答えはないが、仮説は、GoogleとAmazonは機能的便益を最大限突き詰めているから。(FacebookとAppleは右脳で選ばれる。つまり飽きられる。

以上、気付いたら3000文字超えてましたが、なにかお読みいただいた方のヒントにつながれば嬉しいです。

BtoBマーケティングのプロを目指すため、日々精進しています! ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます! スキくれる方はみんな大スキです(*´ω`*)