首腕サムネ

首の神経と腕の関係

「肩こりがなかなか改善しない」「マッサージとかやってるのに!!!!」そんなお悩みを抱えている方、いらっしゃるのではないでしょうか??

もちろん、肩こりは僧帽筋(肩の1番大きな筋肉で肩こりの要因として1番多い)や板状筋、胸鎖乳突筋や肩甲挙筋などの首回りの筋肉が固くなって起こります。しかし、その筋肉を緩めて改善されなければ「神経」が原因の可能性が高いです。

・首と腕の神経の関係性

頚椎(首の骨、7つある)には腕だけでなく、身体全体に関わる神経がたくさん繋がっています。神経には中枢神経(脳や脊髄)と末梢神経(運動神経、感覚神経。中枢神経の情報を四肢に伝える)があり、脳からの情報は頚椎から脊椎を通り全身に広がっていきます。

そして頚椎から8本の神経(脊髄神経)が腕や手に伸びていきます。

なので、なかなかマッサージなどのケアをしても腕の痺れや肩のだるさが取れない方は、首回りの神経が何らかの原因で圧迫されている可能性があります。

・首回りや腕に関わる様々な症状は??

◯変形性頚椎症
加齢や普段の姿勢の悪さから頚椎の骨と骨の間が狭くなって、神経が圧迫されてしまうこと。対策として人の手や機械で首をけん引(引っ張ってもらう)といい。首を後屈する(後ろに倒す)と圧迫が強くなり痛みが出るので控えること。

◯頚椎椎間板ヘルニア
首の骨と骨の間にはクッションのようなものがありそれが椎間板です。加齢などで首の骨が変形すると椎間板が骨の間から飛び出し、神経を圧迫する。

◯胸郭出口症候群
上腕と胸の境界のあたりに「胸郭(胸の骨の集合)出口」という鎖骨と第一肋骨にある隙間が身体の左右にあり、神経の束や血管が通っています。なで肩の方(首が長く見えやすい・ショルダーバックが落ちやすい人)が起こしやすいものや普段の姿勢が悪く方が内巻きになってしまう人はその胸郭出口が狭くなって神経が圧迫されてしまいます。胸を開くストレッチをして胸を開くように心がける必要があります。

◯肘部管症候群
ガングリオン(手首や手の甲にできる関節包の膨らみ。詳しい原因はわかっていない。)や怪我や肘の骨の変形で尺骨神経(肘の内側を通る神経)が圧迫される。肘の内側を軽く叩くと小指と環指(薬指)にしびれ感が走る。

◯手根管症候群
手のひらにある手根管というトンネル内で正中神経〔首から腕を通り指先まで伸びる神経です。母指(親指)から環指母指側1/2までの掌側の感覚を支配し、前腕部では前腕の回内や手首の屈曲(曲げること)、手指の屈曲、さらに手部では母指の付け根の筋肉(母指球筋)などを支配している〕が圧迫された状態で、初期には親指や人差し指、最終的には薬指までの全ての筋肉に痺れが起きる。突発的に起こり、これも詳しい原因がわかっていない。妊娠・出産期、更年期の女性によく見られる。

◯腕神経叢損傷(腕神経叢損傷)
オートバイやスキーなどの高速滑走のスポーツで転倒して肩と側頭部で着地し強い衝撃を受けた際、また、機械に腕が巻き込まれて腕が引き抜かれるような外力が働くとと、腕神経叢(第5〜8頚神経と第1胸神経から形成される)が引き伸ばされて損傷します。また、肩の脱臼や鎖骨上窩の刺し傷、切り傷、銃で打たれた時や鎖骨骨折の骨片が刺さったりしても同様の症状が起こります。上肢の痺れや肩をすくめたり肘を曲げられなくなったり、最悪手・指が全く動かなくなると言った症状が現れます。

☆痺れとともに、下がもつれるような感じや、ロレツが回らないようだと、脳梗塞などの中枢性の病気が隠れているケースもあるので要注意!!

・どのようにアプローチするか??

一般に「圧迫されている神経が頚椎のどの部分から伸びているか」ということで判断します。それは、「異常をきたしている動作」から判断します。

◯頚椎3〜4(第3・4頚神経根)に障害
→呼吸がしにくい
◯頚椎5(第5頚神経根)に障害
→上腕の内側の感覚の異常(触覚、温度、痺れ)、肘が曲がらない、腕が上がらない
◯頚椎6(第6頚神経根)に障害
→前腕の内側〜親指・中指の感覚の異常(触覚、温度、痺れ)、手首を上にそらすことができない、
◯頚椎7(第7頚神経根)に障害
→中指の感覚の異常(触覚、温度、痺れ)、肘が伸ばせない
◯頚椎8(第8頚神経根)に障害
→小指・薬指の感覚の異常(触覚、温度、痺れ)、手の指を握れない
◯(おまけ)胸椎1(第1胸神経根)に障害
→前腕外側の感覚の異常(触覚、温度、痺れ)、手の指が広がらない

このように見ると、ご自身の身体の症状に当てはまる方もいらっしゃるのではないかと思います。

・まとめ

パソコンを見る、食事をする、スマホを見る、車に乗る、このような日常動作で姿勢を何も意識しないと、無意識に全て体は内側に向いて、首が前に倒れます。そうすると上記のような首回りの神経が原因となる肩こり、腕や指先の痺れや障害が発生してしまう可能性があります。

日常から猫背にならないように姿勢を意識して、ストレッチや体操で首回りの負担を取り除くよう心がけましょう。

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