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歌姫2024 ① あいみょん

私は1967年生まれで、中学高校大学の10年間がぴったり80年代。レコード屋さんの棚は「ロック」「歌謡曲」「ニューミュージック」に大別されていた。実に大雑把なネーミング、ニューミュージック。しかし、これが当時隆盛を極めていた。

中島みゆきや松山千春などのフォークシンガーもニューミュージックだったし、八神純子やクリエイションなど他のジャンルにカテゴライズされそうな音楽もニューミュージックと呼ばれていて、それは今でいう「J-POP」と同義だったかもしれない。ただ、いまだにオフコースだけはニューミュージックとしか呼べない気がする。オフコースは特別だ。

40年後に私みたいなやつが「J-POPとしか呼べない気がする」と思い起こすのは、あいみょんだろう。

特殊なコードや過剰なアレンジはなくて、歌声と歌詞が別格だ。リアルな恋の風景を率直な言葉で映し出すと思ったら、哀しい死別が挿入されたりする。刹那的だが温かい。まっすぐにチャーミングな人だとわかる。

「桜が降る夜は 貴方に会いたいと思います どうして?と聞かれても 分からないのが恋で この体ごと貴方に恋してる それだけは分かるのです」

妻が「最近どうなんですか。恋をしたくなったらしていいんですよ」と大胆なことを言う。しかし、あいみょんの描く恋の心情に触れれば、私には新しい恋をするモチベーションもシチュエーションもないと悟る。4年に一度しかない閏日に入籍した私たち。2024年2月29日、5度目の結婚記念日がやってくる。

40年後、ジャンルは細分化されていて、Adoはリテラチャー・コア、スピッツはナショナル・エンヴェロピング・ロック、宇多田ヒカルはブルーズ・エレクトロニカ、ゆずはミーニングレス・ポップスのオリジネーターなどと称されているかもしれないが、きっとあいみょんはJ-POPと呼ばれ続けるだろう。

ところで、あいみょんと同じ事務所の汐れいら。私の可愛い元部下がマネージャーをしているので売れてほしい。


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