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ある日の藍姫とゴールドミルクは、ほのぼのと会話をするかの様に、仲良く放牧していた。

お母ちゃんの姿を見ると、放牧後は、人参が待っている。

「ちょっと!!あれ見んさいや!!ミーちゃん!!」

「あっ!!おばちゃんが来とる!!今日はようけ人参が食べれるね!!お姉さん!!」

私に気が付き、ソワソワする二頭…。

「でも、ミーちゃん、あの真っ白いのがようけ食べたら、ウチらの食べる分が少なくなるわいね…ウチがちいと怖がらしちゃるわ!!」

「バカ言いんさんな!!お姉さん!!」
ピシャリとミルク。

「人の前では絶対にええ子と見せる事が、ようけ貰える事の秘訣なんよ!!ウチゃ、よー知っとるじゃけんじゃけぇ!!」

「でもね…ミーちゃん…」

「いらん事言いんさんな!!黙っとりんさい!!うちの食べる分まで少のーなるじゃない!!」

こんな感じだろうか?
その後の二頭は、非常に大人しく、一口でも多くの人参を熱望していた。
トレジャーと同じく、この二頭にも勿論人参に限っての満腹中枢はない。

ところがどっこい、みな平等である。

「みんな、一緒!!同じなんよ!!」
のお母ちゃんの言葉に、

「なんじゃぁ…しょうもな!!はぁ、やめたわ!!」
と触ろうとすると耳を絞るミルク。

「あの…人参くださいな…。」
とまだまだ、ひと芝居続ける藍姫…。

「どけ!!どけ!!どけぃーー!!みなワシのもんじゃいー!!」
と真っ白い長男は、いつ何時でも、誰にも流されない。

コヤツだけは、みな平等なのを知っている。
ブン取った方が得するに決まっているのだ。

藍姫は、カチンときても、首を左右に可愛くキメているが、時折頬が怒りでプルプルしていた。

一方ミルクは、無駄な体力は使わない。

「人参くれんのなら、もぅ触るんじゃねー…。」
と、スイスイ私の手を避ける。

まるで数を把握している様だ。

結論、一番流されやすく純粋なのは、藍姫だと思う
今日この頃である。

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