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2019年10月号 実りの秋は大忙し

春夏秋冬亀成園便りの10作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。 

【亀成園便りここから】

陽が短くなり風が冷たくなり木々が色づき、毎年のことながら秋の急激な変化は四季の中でも一番見事で、五感がそわそわするのがこの時期です。○○の秋とはよく言われますが、イベントなども多くて慌ただしい秋は芸術や読書にはあまりむいていないのではと思っています。食欲は別ですけどね。なにせ秋は実りの季節であり、果実もイモ類も次々です。

亀成園では栗の木はまだ2年程の小さな木で、実が成るまでは育っておりませんが、今年は成り年だそうで、おすそ分けが続々たまります。むくのは一苦労なものの、栗には夢がありますね。栗といえばサツマイモもですが、今は芋ツルと葉っぱを食べまくっています。あらかた食べてから芋掘りの予定ですが、こちらも豊作なため、いつになったら掘れるのでしょうか。

田んぼもいよいよ収穫期となりました。小学校で先に習った娘に教えてもらっての初めての手刈りにわくわくします。古代米も思いの外色づきました。お米の色を使ってのいつか田んぼアートに挑戦するためにも、大事に種もみを残して受け継いでいきたいです。

水田の隅でぐんぐん育っていたのはマコモダケです。真菰筍と書くとタケノコの仲間のようですが、イネ科で水辺に群生してきた古い植物です。飯高町では水田の一枚を「マコモの里」として栽培しているところがあり、小学校が十年前に株分けしてもらって育て、更に各家庭に株分けしてもらったのが今うちで育っています。生命力が強く、食べやすく、現在各地で栽培が広まっているそうですね。薄切りにしてご飯に混ぜる他、きんぴらや天ぷらにしても美味しいです。今年のマコモはバケツから広い水田に移ったからなのか、太く立派になっただけでなく甘みの濃い仕上がりになりました。本当に慌ただしい秋ですよ。

【亀成園便りここまで】

栗に芋にお米にマコモ。並べるだけでほくほくしておなかに溜まりそうですね。亀成園の田んぼでは今はこの時の古代米はつなげておらず、マコモも別の場所に移動しましたが、種もみや作物への愛着は年々強くなっています。ここに記載していた「マコモの里」も今やソーラー田んぼになっておりますが、他の場所で株つなぎをすることはできますね。成り年があったり成らない年があったりと全て読むわけにはいきませんが、実りを信じてしぶとく生きていきたいです。

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