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2020年6月号 アマゴと共に育つものたち

春夏秋冬亀成園便りの18作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。 

【亀成園便りここから】
一年で一番植物が成長する季節になりました。雨と温度と日照時間とに恵まれたこの時期は、日に日に成長する野菜や花苗に顔がほころび、それらを上回る勢いで伸びてしまう草にげんなりして、目まぐるしいですね。ここで野良仕事に精が出せるかで夏の収穫に差が出てしまうので、ツバメのように頑張るのが吉です。
外出自粛要請がじわじわと解かれてきて、山や川にも人が増えてきました。休業していた亀成園のゲストハウスも再開となり、広々とした昔ながらの空間で過ごすことを望む旅人たちを待っています。
田んぼや麦刈りもあるのにいきなり大繁盛したらどうしようかと懸念しておりましたが、亀らしいスタートです。

子供たちの通う小学校では、毎年アマゴの稚魚を放流する体験をさせてもらっています。地域のきれいな川を守っていく環境保全教育として、漁業協同組合や釣具屋さん、蓮ダム管理所の協力を頂いての貴重な体験です。児童一人一人のバケツに5㎝程の小さなアマゴがたくさん居ました。無事に大きくなってくれるでしょうか。
放流してしばらく観察した後は次々と質問が挙がりました。オスとメスの見分け方、どんなところに居るのか、どれくらい大きくなるか、釣りのコツなどなど。オンライン授業とは対極の体験教育で川を学べた子供もたちはつくづく恵まれているなと感じましたよ。

人々が息をひそめてきたからなのか、気候の巡り合わせなのか、今年はなんだかどこでも虫が多いようです。人の動きも他の生物の動きもくっきり見通すなんてことはできないけれど、美しいものに出会う毎日を変わらず大事にしていきたいです。まだ色付き始めのアジサイを楽しむ心を忘れずに。
【亀成園便りここまで】

ゲストハウスにお客様が来はじめたのがこの頃です。初年度はやはり知り合いに助けられました。そうでないお客様がどんなご縁で来てくれることになったのか、当時は必至でお迎えしていただけですが、振り返ってみると感謝が太くなっています。
小学校の話題もチラホラ上げています。山に囲まれて、川のそばで育つ子供たちの笑い声が地域いっぱいに響いてほしいなぁとの願いはずっとずっと続いているので、どの時期の話も古臭くならずに済んでおりますね。
この時に釣りのコツを聞いた亀成園の息子はそれなりに釣り好きに育っております。川釣りの機会すらなかった私にはとても眩しい姿です。

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