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2020年4月号 時代の流れがどうあろうとも

 春夏秋冬亀成園便りの16作目です。三重県松阪市飯高町での自給率の高い暮らしをする小さな自然養鶏農園からの季節レターをお楽しみください。 

【亀成園便りここから】
 せわしなく暮らすことに終止符を打って田舎暮らしを始めてもう4年になります。地域の人々とできるだけうまく付き合っていこうと心掛け、本当におかげさまで暮らしながらも、好きなようにマイペースを保つ呑気さがあることで成り立ってきました。お世話になってきた地域が過疎高齢化で消滅してしまわないためにもっと人を呼び込もうと一年前から準備して、ようやく農家体験民宿の許可を取ることができました。
 亀成園はこの2020年4月16日より一棟貸切型ゲストハウスとして開業できることになりました。同時に移住者目線での地域ガイドも始めようと大きく決意を固めたのが、2020年のコロナ嵐直前くらいでした。
 盛り上がっていた観光業は大打撃、どんなおもてなしも許されないような風潮の中、どう舵を取ろうか悩みながらも、人が駆け込める場所の用意だけはしておくことにしました。どうぞお越し下さいとはとても言えませんが、瞑想のできる場所、森林浴のできる場所がここにもあることは発信しておきます。
 
 もう20年以上も前に縁あってイギリスにホームスティをさせてもらったことがあります。その時初めてB&B(Bed and Breakfast)という朝食だけ提供する宿のスタイルがあることを知り、気ままな旅の象徴として憧れていました。それがまさか自分がB&Bを開業することになるとは。人生はつながっています。
 もっとも亀成園は日本の古民家改装でベッドはなくて布団なので、正しくはF&Bというそうですよ。そして亀成園の朝食はもちろん卵かけご飯です。コロナ渦とあって始まる前から暗雲の中にあるB&B事業ですが、いつか世界中の好奇心いっぱいの若者たちを迎えられる場所になればいいなと望みを抱いています。どんなに情勢と合致していなくてもそんなに不安ばかりではないのは、高校生の頃のかけがえのない思い出に支えられているからです。ゲストハウスとして難点があるとすれば勇ましい番犬君ですかね。お客様にしっぽをふるはずもはく、時代遅れかもしれません。それでも番犬君のおかげで鶏はまま安全で、何事も表裏一体の世の中です。見極めていけるでしょうか。

【亀成園便りここまで】
いやぁ、2023年終盤になる今振り返ってもすごい時のオープンでした。それでもちっとも暗さがないのは空元気なのではなく、長い年月でチャンスを待っていたからで、未来を信じているのは一貫しています。
次の春ぐらいからはいよいよインバウンドの若者がどんどん来てくれるかな。数か月後のわくわくを実現させるために、今わくわくできることが最高です。

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