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Vol.XX 結局、何がやりたかったっけ?

真面目に思考を整理したいところだけど、不意に考え込んでしまったので雑記にまとめてみる。以前にも述べた気がする根っこの部分、これから小分けにしていく話題と重なる部分も含めつつ、今思うこと、考えていることとして吐き出しておく。

何で「仮面ライター」にこだわってるんだっけ?

何がやりたくて今に至ったのか、時々見失う

「自分はただのWeb屋(HP制作)じゃない、モノ書きの端くれだ」と思っているけど、多分そう思っている、言いふらしているのは自分だけで、周りの人は「HTMLコーダー」とか「フロントエンド」の人、コンテンツ(マーケティング)に詳しいWeb関係の人と認知してもらっていれば御の字だろう。また、実際にできること、売り物として切り売りできるのはそこら辺のスキルや経験、感性や知識ということにもなる。

明確な仕事としては絶対的にそこの売り上げが大きく、たまに声をかけられるライティング系のものは基本的に見送っている。「そういうモノ書きじゃない」と思っているからだけど、そこすらやらず、空いている時間に何かコツコツ書いているわけでもないのに、何を持って「自分はモノ書きだ」と自負しているのか、「作家性」が武器になっていると思えているのか、迷子になってしまう。

モノ書き的な側面、情報伝達における感性の部分、流行り廃りを見極める眼の部分を全面的に活かしてWeb屋さんをやっていて、そういう方面の業務でそれなりの収益や業績、経験を積めているのならまだしも、実際はそこらへんも大した実にはなっていない。

「商売ナメんな」という話でしかないものの、現状の生業になっているWeb屋さんも、そこまで儲かっているのか、何らかの業績を積んでいるのかと言われると、そこも前述の認識でやっているもんだから、必死に食らいついてまではやらず、やってもやっても良い実入りには至っていない。正直、フリーランス、自営業なんてやめて、どこかへ就職して食って行った方がはるかに良いというか、社会的な責任を果たし、相応の権利を得るにはそうする方がマトモな路線だとも思う。

マトモな働き方に対する向き不向きだったり、大人になれていない甘さもあるんだろうけど、今までやってきて明るい材料が多くなっていないのなら、さっさとWeb屋にもモノ書きにも見切りをつけて、他の働き方を選べば良いんじゃないのか。別に、強烈に描きたいものやどうしても伝えたいものがあるわけでもないし、必死に作りたいWebサイトも明確に打ち出したいWebサービスもないんだし、と。

今までも何回も自問自答して、今に至っても自問自答して。目の前にある現状、自分で起こした惨状や問題を目の前にしながらも、仮面ライターとしてどうするか、自営業として今後どうしていくか、作家としてどっちを向くかを考えている。なんでそうなんだろう、と考える。

エンタメに未練タラタラ。プライドも捨てられていない

十年前にフラれたのに、二十年も片想いし続けて諦められずにいる

ゲームプランナー、ゲームシナリオライターを目指して突っ走った10代。学生時代の就活も、ほぼゲーム業界一本で動いた割に、動き方を誤って自爆、多少いい線まで行ったにも関わらず、立ち回りをミスって内定を得るには至らなかったのにも関わらず、大学を卒業してからも未練がましく行けそうなところには手を伸ばしてみて、フラれるだけフラれて早々に見切りをつけさせられ、流れに流れて「手に職を」とWebへ舵を切りながらダラダラと今に至っている。

そんなにゲームを作りたかったのなら、スマホアプリなりWebアプリなり作れば良いし、映像や文章に自信があるなら自主制作でもやれば良いのに、何やかんやと理由をつけたり、とにかく生活を成り立たせるために「良い人」をやっていたらどんどん変な方向、万に一つの逆転があるんじゃないかと楽そうな道を自分で選んで、今の状況を作り出している。

学生時代に上月財団の奨学金をもらっちゃったり、小説書いて応募したら佳作とかとっちゃったり、狭き門のコワーキングに手を挙げてみたら通っちゃったり、何だか凄そうな人に目をかけてもらっちゃったり。色んな勘違いやうぬぼれも積み重なって、「自分には何かある」とか「自分がすべきこと」を大きく捉えすぎちゃったりして、どんどん可笑しな方向へ向かっていったのも、紛れもない事実。

未練や勘違いを抱えたまま、やるべきことをやらず、楽なことばかりして逃げて来た。逃げながらも、本を読んだり、映画やドラマを見たり、Web屋として必要そうな技術、関連する領域の勉強を自分なりに積み重ねたり、面白そうなものに極力触れるようにしてみたり。なぜかそういうことは一所懸命にやって、何かを磨いて、何かに備え続けてきたようにも思えるけど、それもこれも「いつかエンタメをやる」「いつかエンタメに戻る」という未練が捨てられなかったから、なんだろうなぁ……。

エンタメ系としての作家性もあるはず

良質なコンテンツを、丁寧に届けたい

どんなコンテンツにするかという美学や方針もあるだろうし、どんなクオリティのコンテンツにするかという部分もあるし、どんな受け手に向けて作るのか、市場に対してどの程度のスタンスでやるのかという面もある。色んな部分でこだわれるところがあるし、自分自身、数々の良質なコンテンツ、時に心や身体に良いだけじゃない、毒気や苦味を含んだコンテンツを浴びて今がある。

ゲームにしろ、漫画にしろ、アニメにしろ。もちろん小説や映画、ドラマでも、自分自身をズドンと貫くものもあれば、それをコアに誰かと出会ったり、それを生み出した人の思想や心、作品の中に生きるキャラクターや世界と出会うこともできる。

コミュニケーションのきっかけにもなるし、コンテンツを生み出す過程も濃密なやり取りができるし、何ならコミュニケーションの一瞬一瞬、一挙手一投足に「楽しんでもらいたい」という想いを込めることだってできる。教科書的な良い子ちゃんぶった書籍が今ひとつ得意じゃなかったり、手前勝手な低クオリティのコンテンツにカチンとくるのは、「ちゃんと楽しませろよ」と思ってしまうからだろう。

特に最近のありがちなWebサイトやブログ、Webサービスやスタートアップ系ビジネス、観光地の中途半端な見世物、雑な商売にもイラっときたりするのは、その辺の理由が大きいんだろうな。

「いわゆるコンテンツマーケティング」とか「いわゆる(Web)ライティング系の業務」に今ひとつ食指が動かないのも、近しい理由があるように思う。そこに展開するコンテンツの質、コンテンツに至るまでのUX、コンテンツに触れた後のUX、コンテンツを生み出す根っこにある思想やポリシー。そういったものと、自分の作家性や美学とかが合致しにくいから、距離を取っているんだろう。

最も手近で、最も手薄っぽいからWebにこだわる

コミュニケーションの断片を磨く。やりたいことをやりやすいように、収益化しやすい状況を作りたい

今の今まで、散々好き勝手に、自由にやってきたように思えるけど、実際は誰よりも「どう見られるか」、「どうやれば受け入れてもらいやすいか」を考えて動いている。それが上手くいっている、功を奏しているやり方、自分と世間とがピタッと噛み合った「ハマったポイント」を見つけられているとはとても思えないけど、日々それを考えて、擦り合うポイントを見つけようとしている(つもり)。

今自分が身を置いている業界が、最もエンタメに対する考え方が甘く、自分が大事にしたい部分で穴が大きく、ツメが甘いようにも思えるし、きちんとやって行けば自分がやりたいようにやるだけの基盤を構築することだって、そう難しいことじゃないような気もしている。

今まで上手く行っていないのは、目的の設定、ゴールの設定がお客さんと噛み合っていないからだろう。自分はさっさと良質なコンテンツで引き込むところをやりたいのに、Webが上手く行っていないお客さんは、まず「いいHPが欲しい」ときちゃう。そうすると、エンドユーザーさんとのコミュニケーションがズレてきちゃって、どう構えるかから噛み合わなくなる。

本来は自分が考えるべきじゃなさそうなところまで考えて、かなり強引に「こうやった方がいい」を持ち込む理由、先の先までやろうとして自縄自縛に陥るのはなぜなのか。その理由は、きっとこういうところにあったんだろう。

「これがいい」と思うエンタメをやるために、Webをやる

やりたいようにやれる舞台、エンタメを受け取りやすい環境構築を目指す

結局、やるべきことも身につけるべきことも、足りない経験や実績も、何も変わらないんだけど、改めてなぜやるか、どこを目指してやるかをはっきりさせて、帯を締め直そう。

今まで出会ってきた人たち、自分を応援してくれようとしている人たちは恐らく、「もっと自由にやれ」と思ってくれているだろうし、「もっと自分を表現しろ」と待ってくれてもいるだろう。そう信じて、自分が思う道を突き進んでいくしかない。

とはいえ、受け入れられてナンボ、受け取る人がいてナンボのところでもあるので、受け入れられやすさも加味しつつ、尖らせるべきところは尖らせて、わかりやすい部分、通好みの癖になる部分も持ち合わせながら、色んなバランスをとりながら、いいエンタメ、いいコンテンツを生み出せるように、さらなる精進を積み重ねたいと思う。

この路線を突き進むには、色んな再整理も必要だろうなぁ。申し訳ないけど、自分のため、相手のため、世間のためにも、理解を求めよう。仕切り直すところは、きっちり仕切り直していかなきゃいけないな……。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。 ただ、まだまだ面白い作品、役に立つ記事を作る力、経験や取材が足りません。もっといい作品をお届けするためにも、サポートいただけますと助かります。 これからも、よろしくお願いいたします。