亀山亀男

ついにここまで来てしまったかという感覚と今まで自分の中で見て見ないフリをしていただらし…

亀山亀男

ついにここまで来てしまったかという感覚と今まで自分の中で見て見ないフリをしていただらしなさからくる借金、精神的な病みを大事な人たちにしっかり吐露することができたスッキリした感覚もあります。 #https://ncode.syosetu.com/n8473fu/

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恥男、群馬に逝く

期間工赴任日の当日の群馬県太田行きの電車です。 東京に出てきたのが、21歳。 大阪の田舎でチヤホヤされそのままキラキラした世界に憧れ満身創痍で上京、なにかと芸事のため、勉強のため、とない袖ふるってまともに働くことが夢から遠ざかると逃げに逃げ気付けばカードローン、キャッシング、税金、総額250万ほど。よくもまあ自分のために自分のためにといいつつこんな額惜しみもなく使えたなぁと思います。 お金のだらしなさは上京してからなのかと思い振り返ってみるとそれはもう大学の頃から始まっ

    • それでも俺は活きていく。

      「一人の作業員が今朝、自決しました」 作業前のラジオ体操を終え、朝礼が行われた後、各自工程へ向かい、工場全体に轟くように鳴る鐘の音と共に足元のベルトコンベアーが動き出し、作業が始まるはずであった。 朝礼後、一つの係にあたる各班の作業員総勢三十人ほどが係長席の前に集められた。 本来なら課長が出てきて、事のなり行きを説明するのだが、コロナウイルスの影響でなるべく集団行動は避けたいとのことから、課全体ではなく各係長から少数規模に分かれて発表するとの前置きがあった。 早番作業

      • コロナの意味は"王冠"なんだって

        古本屋で一〇冊ほど本を買った。 昼から夕方にかけて、喫茶店のテラス席で一杯の珈琲を持って、一冊一冊を舐めるようにして見る。 連日のコロナウイルスのニュースで疲弊していた心に束の間の栄養が行き渡った。 まだ感染者が出ていない群馬県の太田市では市長がいくつかの学校において、政府の要請には従わないとして休校しない方針を明らかにした、というニュースを朝一番で見ていた。 喫茶店を出た。 自転車をゆらゆらと漕いでいるのが、まるで自身の不安定な気持ちがまだ残っているかを現している

        • 石川啄木とコロナウイルスと私

          はたらけど はたらけど 猶わが生活 楽にならざり ぢつと手を見る 期間工として車の製造に関わる一工程に配属され早四ヶ月。 群馬県太田市、戦後焼け野原になった状態から復興の支えとなった"ものづくり"産業の歴史が根付く街で、期間工という単調で責任感もそこまでない仕事ではあるが、"ものづくり"をする一人として携わっている。 日々の重労働の大部分は軍手を嵌めた手作業で行うため、初めのうちは毎日手が痛くて仕方なかった。 一ヶ月経つと慣れで痛みもなくなり、手の皮が分厚くなり、よく

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        恥男、群馬に逝く

          歩いて、見て、触れる、歴史の旅。

          https://www.jreast.co.jp/otona/tvcm/kofun.html 吉永小百合さんが現在も二〇〇〇基余りの古墳が残る、「古墳王国群馬」の中の一基の古墳に訪れるCMを観た。 キャッチコピーもさながら、現在群馬県に住んでいながら、知らなかった「古墳王国群馬」を調べてみると、住んでいるすぐ近くにも数基の古墳があることがわかった。 天神山古墳、別名男体山古墳と言われ、一五〇〇年以上前に築造され、その大きさは東日本最大と言われる。 月曜日の昼下がり、目

          歩いて、見て、触れる、歴史の旅。

          男はつらいよ

          男というもの つらいもの 顔で笑って 顔で笑って 腹で泣く 腹で泣く 寅さん演じる渥美清さんの心に染み入るような歌声に軽快なリズムも乗って、一年ほど前、第一作を観始めてから頭の中でよく再生されてきた。 腹で泣く 腹で泣く 男というもの我慢、腹で堪えるんや、どこかしらでよく聞くフレーズではありながら、腹で泣くということを体感したことはなかった。 とにかく20代はよく怒った。 気に食わない先輩にタメ口で反論しながら勢いで手を出したり、グループでの会話で仲間外れにされたよ

          男はつらいよ

          ティンダーのS奈【プチ官能シリーズ】

          「元気?」 約半年振りにS奈から連絡が来た。 マッチングアプリを通して出会ったS奈とは夏頃に出会い、北海道出身で色白の彼女は束の間の気怠い暑さを忘れさせてくれるようなツンとした冬の匂いがする女性であった。 S奈とはもっぱら家で会うことが多く、休日の昼からテレビやパソコンを観ながら、ダラダラと何気ない会話をして、夜になるとS奈得意の手料理をご馳走になり、終電前に帰るのが会う際のルーティンであった。 長い時間共にしながらも、お互いのことを深く詮索することはなく、一定の距離

          ティンダーのS奈【プチ官能シリーズ】

          静かなるオカン

          先輩と静岡の富士を訪れた。 富士に行くのは二回目であり、観光名所を訪れる目的ではなく、先輩が長らく会っていなかった親戚一同を訪れるのに同行させてもらったのが一回目である。 初めて行く富士の土地で手厚く歓迎してもらい、人の良さ、土地の良さを満喫させてもらった一回目の余韻が残っており、半年前に訪れてから再度はるばる彼ら彼女らを訪れるために二回目の富士行きが決定した。 東京上野から快速アクティーに乗り、都会の格式ばった景色から徐々に自然が広がる景色に変わっていく様子を車窓から

          静かなるオカン

          「三日坊主、仏の顔も三度まで、石の上にも三年」

          3という数字にはどこか区切りのようなものがあり、色々な場面で使われることが多い中、期間工になり3ヶ月が経ち、環境に溶け込み慣れてきて、当初不安だった気持ちは一切なくなった。 インターネットで期間工と検索し、ひどい環境、刑務所、カイジ等の様々な情報に惑わされていたものの、蓋を開けてみると部屋には必要最低限以上のものはあるし、職場の人間関係も至って普通のどこにでもあるようなものであった。 身体を酷使する仕事内容にだけは苦戦したものの、3ヶ月が経った今では身体が慣れてきて苦痛と

          「三日坊主、仏の顔も三度まで、石の上にも三年」

          スウェーデンのAンナ【プチ官能シリーズ】

          裏浅草にある築30年の2Kの部屋に住んでいた。 二部屋共、畳の部屋で、一つの部屋にはちゃぶ台と座布団を、もう一つの部屋には布団を敷き、風呂場には木の桶と木の風呂椅子を置き、近くを散歩する時には下駄をカランカランと鳴らしていた。 浅草に住んでいると、都心に慣れた人も慣れない人もこちらに来たいと言い、イベントや飲み会などもこちらで開催されることが多かった。 夏の暑さがまだ残る9月、知り合いのDJが浅草から徒歩10分ほどの蔵前にあるゲストハウスの1階兼バーでパーティーをするの

          スウェーデンのAンナ【プチ官能シリーズ】

          新成人になるもんではない

          今年でハタチの成人式から10回目の成人の日を迎える。 令和4年度からは成人年齢が18歳に引き下げられ、大学受験シーズンと被る成人式をどうするのかというのはよく議題に取り上げられている。 成人というのは法的には、単独で法律行為が行えるようになる年齢、いわゆる成年に達した者のことを指し、身体的、精神的に十分に成熟している年齢を指すことが多いとされている。 成人してから10年目の節目にあたる今年、たまたま読んでいた本が、改めてどんな大人になりたかったのか、なりたいのか、という

          新成人になるもんではない

          女優のK美 【プチ官能シリーズ】

          小さな身体の、ぽってりとした唇から吐き出されていた素晴らしいセリフの数々を思い出しては、この瞬間では一言も喋らせないようにしっかりと口を合わせ封じて、シャンプーがふんだんに香る髪を乱暴にかき乱した。 小さな区民会館の一室での映画監督のワークショップでK美を見た。 自然体ながらも力強い演技に監督も周りも圧倒され、半年後に公開が決まっていた映画の一役にK美は選ばれた。 ワークショップ後の飲み会で前の席にいたK美と演技力で完敗していた話はせずに、ハイボールを頻繁に乾杯しては地

          女優のK美 【プチ官能シリーズ】

          初めて人になれた大晦日

          生まれ育った大阪の地に帰ってきた。 家族、友達、たくさんの思い出がある上で長い年月をかけて人々は変化し、土地も変化する。 実家といえるものはなく、母親が新たな家庭を築いている家にお邪魔する。こちらのパパも優しく、何も不便なく気楽に過ごさせてもらっている。 父子家庭で育ててもらったお父さんは一人で再婚はせずとも悠々と暮らしている。 久しぶりに会った高校の友達には子供が生まれ、すっかりパパになり、地に足をつけて生活している。 こちらは地に足をつけるどころか、毎度帰るたび

          初めて人になれた大晦日

          期間工の仕事納め

          休みは思いっきり遊んでリフレッシュしてください 年内工場勤務最終日の班長の挨拶はまさかの異動も兼ねた挨拶で締め括られた。 2ヶ月半働いて、12人からなる班のほとんどから班長は嫌われていたように感じた。 筋肉隆々でジャイアンのような見た目の班長は仕事に実直なあまり、失敗する人を怒鳴りつけては、巷でいうパワーハラスメントが横行されていたように思う。 2ヶ月半の中で、ひとりが1ヶ月で辞め、ひとりが3日後に別の班に移ったのも、班長のパワーハラスメントが原因だと思われる。 不

          期間工の仕事納め

          束の間のクリスマス

          https://m.youtube.com/watch?v=c-teHnwtmUI 昼飯を終えた作業員が束の間の休憩時間で午後の作業のために眠る静かな工場の中で唯一起きているライトがメインステージを煌びやかに彩る エレファントカシマシの宮本さんが歩いてくる さ〜いれんな〜い ほ〜り〜な〜い お〜いずか〜む お〜いずぶらい〜 俺は怒られた。 長年やっている作業の中で重大なミスを犯した。 ひとつの車が解体となり、世界のどこかで待っている場所に届くことが俺のせいで阻まれた。

          束の間のクリスマス

          しんせかい

          心が踊る秘伝のタレを どうやって君に伝えようか 色んなモノに詰まっているんだけど 僕にはこうすることしかできなくて なんで泣いているのか 羨ましくて悔しくて感動して 訳の分からない涙だけど 心は燃えているような気がするんだ 明日への涙に集まってはくれないか 君はひとりじゃないように 僕もひとりじゃない 脳内は世界へと繋がっているはずだ 世はお金で回っているなんて 当たり前のことはわかっている どうにもこうにも僕の心は 反発したい訳ではないのにさ 全てを分かり合えた友と

          しんせかい