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遠くの日常に息づく紙|メキシコから送る手紙

Labdien!
ラトビアからこんにちは。
kami/(紙一重)のなみえです。
ラトビアでは年に一度の「森の民芸市」に行ったり、そこで出会った作り手の方の工房におじゃましたり、手仕事にたくさん触れています。

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さて、今日は5月にメキシコからお送りしたお手紙(※)について書こうと思います。

※kami/ では、毎月旅先からお手紙をお送りしています。詳細は下記のnoteをご覧ください。

メキシコからのセット内容

メキシコ、と聞いてわたしが思い浮かべていたのはタコスや陽気な音楽、鮮やかな色彩の衣装、危険であんまり洗練されていなさそうな場所というイメージ。

3週間滞在してみて感じたのは、「意外ときれいなものもあって、都市部は怖くない!でも荒いものもあって、両極端で結局よくわからん。タコスはおいしい🌮サボテンはまずい🌵」でした。

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メキシコで感じたごちゃまぜ感が伝わったらいいなと思いながら選んだ紙ものがこちら。
聞きなれない単語がいくつも出てきて大変かと思いますが、どうぞお付き合いください。

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photo by 栞や

メキシコからのセット内容・アマテ(手作りの紙)・パペルピカド(切り絵)・型抜きカード・カードの端切れ・ピンク色のクラフト紙・タヒン(調味料)

ひとつずつ詳しく書いていきますね。
わたしはこの時間がだいすきです。紙について存分に語れる機会って なかなかないので…。


アマテ

メキシコの手作りの紙・アマテ。アマテの存在を知ってから、旅先にメキシコを加えました。
なんとも言えない風合いで一目見たときから「これを作っているところを見にいきたい!」と思っていました。

工房に伺い制作のようすを見て、さらにamateに魅了されました。
生業として紙づくりが残っている村の、小さく綿密に続いてきた紙を届けられてほんっとうにうれしいです。

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手紙に同封したのは、この工房で作られている紙をポストカードサイズにカットしたもの。
漉いて(水に繊維を散らし掬って)作るのとは違う「繊維を叩き潰して作る紙・アマテ」の質感を味わってください。

アマテを制作している村はアクセスしづらいところにあるのですが、メキシコシティやオアハカの民芸品市場でも売っていました。ただ、装飾のないシンプルなものは見かけませんでした…。

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△その場で絵描いてるお店も。メキシコシティのシウダデラ市場にて。


パペルピカド

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△市場の屋台に吊るされたパペルピカド。

スペイン語で、パペル=紙、ピカド=切る、切った紙という意味のパペルピカド。

死者の祭りの日には、街のいたるところに掛けられるそう。普通の日にも、市場や飲食店で掛けられているのを見かけました。

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△パペルピカドの専門店。とても鮮やか。

もともと紙で作られていたのですが、今ではビニール製のものが主流になっています。その方が汚れや破れに強いもんね…。
今回は紙製のものを探して、ガイコツとメキシコのモチーフ(サボテン、ギター、バナナなど)を一枚ずつ同封しました。
本来は上の部分が紐で繋がって、ガーランドになっています。

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△栞やさんより。上下逆に見ると、ガイコツの顔が…見えるかな?


型抜きカードと端切れ

街を歩いていると、不意に現れるカード屋さん。メキシコのイメージとは程遠い洗練されたデザインで、驚きました。

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メキシコシティのソカロ(広場)の周辺には、結婚にちなんだお店が並んでいる場所があります。
一本目の通りにウェディングドレスのお店が30軒、次の通りにジュエリーのお店…と続くのですが、その一角にカードの専門店が50軒ほど集まっています。
お店の個性はあるようなないような、どうやって成立しているのか気になる雰囲気。

その中でも1番シンプルなカードを選んで送りました。
この型抜きカードがおもしろくて。

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photo by 栞や

機械で型付けしてくり抜かれているのですが、不要な紙がまだ取れていない状態なんです。
なので、お店の人が一マスずつ指で押して紙を外していくそう。大変…!

「初めは楽しいけど、忙しいときや注文がたくさんあるときは、イライラしながらこの作業してる!笑」
と笑って話されてました。

今回は、パーツを外す前のものと、カードを作る際に出た端切れ(「紙出(しで)」と言います)を同封しました。
心に余裕があるときにくり抜いてください。


ピンク色のクラフト紙

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photo by 栞や

オアハカで見つけたピンク色のクラフト紙。白いペンで文字を書くとかわいいです。
今回は包装紙としてパペルピカドやカードを包むのにも使いました。さらに何かに活用してもらえるとうれしいです。

この紙は、屋台やパン屋さんの包み紙としてオアハカでよく見かけました。

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ザラッとした質感で、よく見ると銀色のチリが入っています。
最初に見たときに「何この紙!」と惹かれて、必死に探しました。

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△銀色のチリの部分だけスタンプのインクが乗らなくて良い味を出してます。

メキシコシティでは全然見かけなかったのでメキシコシティに住む友人に聞くと、「数年前までは見たけど、今はペーパーナフキンを使うお店が増えた」とのこと。

ちなみにお値段は、30cm×60cmのもの50枚で120円くらい。やっっす。

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タヒン

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photo by 栞や

メキシコで売っている香辛料。ふりかけ感覚でいろんな料理にかけて食べます。
辛そうな色をしてますが、辛さよりも酸味が強め。

去年の冬、友人と鍋をしたときに「これメキシコで買ったの。癖のある味だけど鍋に合いそう」と聞いてかけてみたら、どハマりしました。
amazonでも売っているのですが割高だし、こんなに小さいサイズは見たことがなかったので同封しました。

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メキシコの紙ものと雰囲気を感じていただけたでしょうか?
オンラインショップでは引き続き手紙を販売しています。気になる方は覗いてみてください。

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こんにちは、kami/(かみひとえ)です。いただいたサポートは、「世界の紙を巡る旅」をまとめた本の出版費用に充てさせていただきます。今年の12月に発売できる…はず…!