絵を描くときに考えてること

どうも、GAIです。
なんかよく訊かれるのですが、わかったところで何が起きるものでもないとは思いますけれども。
飯食ってる時に何を考えてますか?みたいなもんで、おいしいだったりそういえばゴミ袋買わないとなあだったり明日何曜日だっけ?だったり、まあどうでもいいようなことばかり考えております。
しかし皆さまが知りたいと思っていることはきっとそういう事ではなく、絵に関する技術につながるなにか秘策のようなものだと思いますので、絵に関して意識していることを今回は書いていきます。
相変わらず周りくどい文章ですが、別にハウツーを書くつもりなどさらさら無いので読み物としてお付き合いくださいませ。

美しさ

のっけから概念的な単語を出しましたが、絵を描く上で考えていることと言えば大体これです。
しかし、美しさなんてものは人によって考え方が違いますので、もっと具体的な何かを教えてくれということなのでしょうが、自分の頭の中を言語化することはなかなか難しいものです。
理解できるかどうかはわかりませんが、少しそのあたりもお話しましょう。

美しいってなんぞや

美とは個々人が持つ感覚で、決まりはありません。
花を美しいと愛でる人もいれば、工場のごちゃごちゃした機能性をこそ美しいとみる人もいるわけです。
あるいは、そういう具体的なものでなくても、形そのものが良いとする見方もあるわけです。脚線美、なんて言葉もあります。線の流れが良い。ただそれだけで見惚れてしまうというものです。
僕が絵に関して感じる美しさとは、「曲線」と「密度、隙間」です。
とにかく、見た目がいい。それに尽きます。
流れる曲線、目を離さない密度、バランスの取れた隙間。これを常に意識しています。
特に曲線。これについては、本当にこだわります。線自体についても、コンピュータで描いたかのような美しいベジエ曲線を手で描くように意識しています。

ベジエ曲線?

Adobe Illustratorをやっている方ならおなじみ、ベジエ曲線。点とベクトルで書く線のことです。
そんなこと言われてもなんのこっちゃ?という方は調べてみてください。そして、実際に使ってみてください。とても美しい曲線が描けます。
点から、どの方向にどれだけの力で線を引くかという情報のみで構成された線なので、数学的に処理された線です。
つまり、不自然な形にはなりません。必ず、数値通りにきれいな曲線となります。
僕はこの線がとても好きでして、小学生の頃から何故か使っておりました。
偶然家のPCに件のソフトがインストールされておりまして、年賀状をそれで作ったりしていました。そのせいもあってか、線に異常なこだわりを見せる厄介な少年になっていったわけです。

アナログでデジタル並みに

僕はアナログ絵描きです。デジタルも描けますが、基本はアナログです。理由はいくつかありますが、それは今回は省きます。いずれまた。
アナログ描きである以上、紙とペンです。そして、手は精密機器ではありませんから、どうしたって多少のブレはありますし、紙によっては少しにじんだりもするでしょう。
ですが、ブレた線はイヤですし、線の終端はきちんと尖っていなければ気が済みません。黒い部分はきちんと黒く塗りつぶさないと、線の跡が残ってしまいます。
とにかく、そういう「アナログだから」という理由で手を抜いてしまいがちな部分をとにかく潰していくのが僕の美しさへの追及です。
無駄な努力と言われようと、時間の無駄だと言われようと、もっと効率よくと言われようと、変えることはありません。これは僕の美へのこだわりです。

こだわりは最も大事

何かにこだわる、というのは何をやるにしても大事なことです。
料理をするなら、例えばキャベツの千切りはだれにも負けないだとか、徹底的に味見して探した食材へだとか。サッカーならドリブルだけはまけないとか、フォームの知識は右に出る者はいないだとか。とにかくそういう「誰にも負けたくない自分だけの何か」は、非常に強い武器になります。
もちろん、誰にも負けないと豪語したところで自分より優れた人はいると思います。ですが、そんなことは些細なことです。大事なことは「断言してこだわり続ける」ことです。線にこだわると決めたなら、線にこだわり続けるのです。自分の存在証明みたいなものです。自分とはこうである、という確固たる何かを持つことは、継続することへのメンタリティとなりえます。こだわりの無い継続は、ただの惰性です。やらないよりかはマシですが、せっかく続けるのであれば意味のある継続をしましょう。

結局は継続

随分と本題からずれてしまった気がしますが、要するにこういうことです。
「何を考えていようと、どういうものを描いていようと、こだわって続けろ」
他人様の考えなんて上っ面しかわからないんですから、そんなものを気にする必要はありません。情報の取捨選択は自分でしましょう。
知識だけいれてわかった気になって鼻を伸ばすような頭でっかちには何もできません。
知識を得るのは実行するためです。行動無き知恵は宝の持ち腐れだということです。そのへんをしっかりと理解した上で、今日もちまちま絵を描きましょうね。

トライバルデザイナー / 細密画家 GAI


よろしければ100円くださいませ。塩おむすびが買えます。