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あなたの個性は愛らしさ

僕が住む石川県は大雪、世間は新型コロナウイルスの第3波の真っ只中という2021年1月11日、ワンワンがワンワン鳴いている今日、ずっと放ったらかしにしていたnoteを始めてみようと思った。

ここではInstagramやTwitterでは伝えきれないことを、それほど長くない文章でお届けしたいと思っている。多分伝統がどうとか継承がどうみたいな難しいことはあまりここでは書かないつもり。

僕を知る多くの人は、僕のことを斬新な九谷焼を作ったり、外国のデザイナーなどとコラボレーションをしている窯元の六代目、もしくはバナナや髑髏などを作っているアーティストと見ている方が多いと思うので、その辺りのことも紐解いていきたい。けれどもゆっくり、そして雑談を挟みながらになると思う。小学校の頃から道草をするのが本分なので。

早速、今日は犬の話。皆さんは動物を飼った経験はありますか?実はというか、僕も二匹の犬を飼っている。狆(チン)という今では比較的珍しい犬種で、よく間違えられるけど日本原産の愛玩犬。お座敷犬とも呼ばれ、お殿様や、吉原の遊女が飼っていた。江戸時代の大奥を描いた歴史ドラマでもよく登場する。狆はペルリ提督に連れられてヨーロッパの貴族にも愛されたそうだ。

二匹の狆は一歳違いの兄弟(同母異父)だけど、性格が結構異なる。兄の亀千代(かめちよ)はおっとりとしていて、社交的で知らない人にも尻尾を振って挨拶ができる。吠えることは滅多にないけど、プライドが高くて時々拗ねることがある。弟のエドワードは自分の主張をストレートに伝える。知らない人には割と吠えるし、嫌いなおやつは食べない。それから暗くて狭い場所が好きで、机の下にいることも多い。エドワードは舌が長くて口からいつもはみ出ているので、そのインパクトで覚えてくれている方もいらっしゃると思う。お散歩の時にも性格の違いが出る。亀千代はゆっくり自分のペースでお散歩がしたいので、リードを引っ張ることも引っ張られることも好まない。ウンチは時間をかけて決めた場所に一度だけ。エドワードはぐいぐい進むし、ウンチは色んな場所に二度も三度もする。また雨や雪など荒天の日は亀千代は散歩に行きたがらず、エドワードは雨が降ろうとも風が吹こうとも関係なく、散歩の支度をすると目が輝かせて猫のように鳴く。

お散歩に連れて行くのは基本的に僕の仕事。今みたいな季節は大体15時過ぎから16時頃。仕事の都合もあるので、夕方遅くなってしまうこともある。でも犬は夜目が利くらしく、真っ暗闇でも怖がらずにずんずん前に進む。2020年、このことがどれだけ僕を勇気づけてくれたか分からない。ありがとう。

このような犬の性格や豊かな個性については、犬や猫を飼った経験のある人や、動物たちと間近に生活している人にとっては当たり前のことかも知れないけど、亀千代を飼うまで犬を散歩させたことすらなかった僕には分からなかったことだった。人と同じように彼らにも個性があって、それがとても愛らしい。今日も亀千代は気持ちの良い寝床を探し、エドワードは舌を出して不思議そうにこちらを見ている。

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