沖縄コミコン

そういえば、ご報告が遅れましたが、 去った10月17日、米軍基地のキャンプフォスター内のコミコンに参加し、アニメ版「あそびにいくヨ!(北米バージョン)」の1話と2話を上映して参りました。

 朝イチ上映と言うこともあって人はまばらでしたが、それでもクライマックスでお隣の嘉手納基地を襲撃するアニメをよくもまあ上映させてくれたものです(笑)

 一年近く前、基地内に関係の深い友人のTさんから「基地の中でMCCS(アメリカ海兵隊の福利厚生機関)がコミコンやるから手伝って欲しい」と頼まれ、「政治的、思想的プロパガンダの場所にはしないこと、そう受け取られる危険性を避けるため、展示も販売も現実のミリタリーメインの作品は取り扱わないこと(純粋にコミックやアニメなどのオタク文化が好きな人たちに向けての娯楽に徹するという意味。これは自分たち日本側も同じ)」を協力の絶対条件に、さらに「できればアニメの『あそびにいくヨ!』の1話と2話の上映をやらせてもられば(十分条件)」ということで今回のキャンプフォスター内のコミコンに関わることとなりました。

それまで図書館を借りてやる程度の小さなイベントをいきなりバスケットコートが四面入るような体育館でやるという大規模イベントにするということからくる準備段階の認識の違い、そして日本とは文化的に根本から違う、指揮系統や決済(決議)のシステム、ルールの不明瞭な部分やそれに対する互いの微妙な認識の違いなど、面食らう部分も多く、何度も途中で「やーめた」と投げだそうと思い、実際口にもだしましたが、間に立ってくださったTさんや他の日本人スタッフの努力と、一緒に参加協力することになった玉盛さんの説得、MCCS側の方たちの歩み寄りなどで、何とか当日に持ち込むことが出来ました。

当日、私がやったことはアニメを上映してちょっとスピーチしたことと、自分の持っている著作と関連商品、および表紙絵のデータを許可を貰って出力、展示したぐらいのもので。

展示の方法に関するアイディアはヤマト2199のメカデザイナーでもあり「あそびにいくヨ!」では原作版「うなーたん」のデザインをしていただいた玉盛さんのアドバイスで、表紙絵にいたっては描いて下さった方々と管理しているMF文庫J、講談社ラノベ文庫他、編集部の方、および絵を描いていただいたイラストレーターの皆様の御厚意と好意で可能になったものです。

また当日はお隣のブースのうきしまころんさんたち、通訳のオガワさんに言語関係でお世話になり、年上の友人のSさんに荷物と私自身の移動、さらにはブース内の管理監視も手伝っていただきました。

また他にも友人多数に手伝っていただいたり、来場して貰ったりというのも嬉しかったです。

残念ながら上映のほうは開場したばかりの朝イチで、宣伝方法もなにも考えないままだったので閑散とした状態になりましたが、それでも十数名のお客が来てましたし、あとでノートPCで上映しているのを興味深くじーっと観てくださってた方や、何名か「あのアニメ好きだよ!」と言ってやって来てくれる方もいらっしゃいました。
基地の中に居ようが外にいようがオタクはオタク同士、やはり言語を越えて通じるものがありますようで(笑)。

そして販売ブースでないにも関わらず「あの絵を売ってくれ」とただのカラーコピー出力にお金を出そうとする人たちも来られ、撤収時にすべて無料で差し上げましたが、その際「サイン入れて」と言われました。
「これらの絵は私が描いたのではない」と説明したら「でもあなたの本の表紙だからあなたの絵でもある、だからサインを入れてくれ」と言われ、生まれて初めて何人もの人を相手にサインをするということをしました。
アニメ化された時でさえ無かったサイン会(のようなもの)をまさかここでやることになろうとは(笑)
皆さん、プライバシー保護の為にモザイクかけてますが、皆さんいい笑顔を浮かべて受け取ってくれました。

(※映したタイミングでサインの入ってないのもありますが、基本、全ての出力コピーに私のサインが入っています)


それから後は、速水螺旋人先生(恐らく海兵隊イベント歴史上、初めてソ連国旗をテーブルクロスにして同人誌を販売するという快挙をなされました!)と開田裕治先生、あや先生ご夫妻とゴジラロールを基地近くのレストランで食べたりということでまた、夜中近くまで楽しい時間は続き、家に帰ってからも暫く興奮冷めやらぬ素敵な一日でした。

MCCS側の発表によると1万人以上の人があの場所につめかけたそうで、イベントとしては大成功と言うべきでしょう。

私の場合、米軍基地は沖縄からある程度減らして欲しいが、現実的には完全消滅はあり得ないと思っております(どんなに善人ばかりが周囲にいても、相手を疑わない為にも玄関に鍵は必要という意味で)。

上の人たちがどう思っているかは知りません。

ですが現実として沖縄という場所で「恐らく永遠に隣人同士」であるならば、いや、「現実にお隣さんどうし」である以上、やっぱり「実際にいる現場の人たちとは」仲良くしておきたいし、手助けできることを望まれたら対応したい、とも思っていますし、これは変わりません(当然、馬鹿をやらかした人間はフェンスの中でも外でも同じ様に罰せられるべきですけれども)。

まして同じオタク同士であるのならば、交流するのに何の問題も無いでしょう。

来年もこのイベントがあるかどうか、また私がお呼ばれされるかどうかは判りませんが、協力を要請されたらやはり協力しようと思います。

同じオタク仲間から頼まれたら、大抵イヤとは言えないのがオタクですから(笑)

皆様、本当にありがとうございました。

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