某氏へのメッセージ10

1月24日

2014年にドイツのマンハイムで見た "ESCUELA" の作家 Guillermo Calderónの新作である"Mateluna"を、サンティアゴ・ア・ミルで見た。

その作品は "ESCUELA" の後日談のようなものだった。
"ESCUELA" は80年代のチリにおける、反体制左翼ゲリラの養成所を描いたもので、皆々が覆面をしてお互いの顔も名前もわからないまま、ゲリラになるための訓練をするというものだった。

少年時代にそれに参加したという Jorge Mateluna が共同製作として参加しており、彼の経験談が作品構成に大きく影響しているということだった。
そのJorge Matelunaは、"ESCUELA" 初演の2013年同年に、銀行強盗を行なった容疑でチリ当局に逮捕され、その後有罪判決が出て13年以上の懲役に服しているという。
"Mateluna" は、"ESCUELA" と同じように覆面をした俳優たちが、この事件についての検証を行い、最終的にそれは冤罪であるという証拠をつかみ、彼の逮捕が不当なものであるということを舞台上で告発するというものだった。
終演後の劇場出口には、「Jorge Matelunaに自由を!」といった横断幕とともに支援団体がビラを配っていた。

客席は満席で、この作品、その内容に観客は激しく動揺した。
そして最後はスタンディングオベーションだった、そして、ぼくは誰に拍手をするべきなのか迷った。それでも、ぼくはこれを観れてよかったし、できれば "ESCUELA" と "Mateluna" の同時上演を日本でも見たいと思いました!


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