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シマダダイチ選手独占インタビュー それぞれのYOKOHAMA vol.1

ポケモンカードゲーム世界一が決まる、ポケモンの祭典 Pokémon World Championships が2023年8月、横浜で開催されます。日本発のゲームであるポケモンカードですが、その世界大会が日本で開かれるのは史上初めてのこと。「それぞれのYOKOHAMA」はこの記念すべき大会に対する想いを聞く連続インタビュー企画です。第一回はポケモンWCS 2022 準優勝、第5期ポケカ四天王でもあるシマダダイチ選手です。

「決勝が終わった瞬間、悔しいという感情はなかったですね」

ロンドンで開催されたポケモンワールドチャンピオンシップス(WCS)2022の決勝で敗戦が決まった時のことを聞くと、シマダはよどみなくそう話した。

世界中のポケモンカードプレイヤーが目指す舞台で、あと少しのところで優勝を逃したというのに、だ。

「試合後のインタビューでは悔しいと口にしましたけど、大会を通じて何度もプレイミスしていますし、デッキも悩んでいた数枚の選択がベストではなかったので」

彼のポケモンカードに対する姿勢がよくわかる回答だった。もちろんポケモンカードが対戦するカードゲームである以上、お互いのプレイヤーは勝利を目標にする。しかし勝敗という結果ではなくその過程に重きを置いているシマダは、たとえそれがWCSの決勝戦であっても、その姿勢を変えなかった。

そんな彼の感情が揺さぶられたのは決勝戦が終わってしばらく経った後だった。

インタビューを終えてステージ裏に向かった彼は、これまで一緒に戦ってきた仲間や友人たちが自分のことのように悔しがっている姿を見た。優勝したオンドレ・シュクバル選手を祝福する周囲の人たちとは対照的な姿だった。

「仲間の顔を見て、はじめて悔しいという気持ちが湧いてきました。彼らに喜んでもらうことができなかったことが本当に悔しかったんです」

自分が勝利していたら、仲間たちはとてつもなく喜んでくれていたに違いない。それが実現できなかったことが悔しいという。このあたりにシマダがプレイヤーの間でも多くのファンをもつ理由があるのだろう。


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