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『戦場のレビヤタン』読了

 砂川文次さんの『戦場のレビヤタン』(文藝春秋)読了。

 基本的に読書感想は呟かない方針なのですが(こちらの記事を参照してください)、砂川さん実は元自衛官なんですよ。また純文学よりということで例外です。

 おもしろかったです!

 エンタメと違って、じっくりと味わいながら読み進める読書もいいものです。


 
 収録作は2作。

「戦場のレビヤタン」表題作で第160回芥川賞候補作品。
 
 武装警備員としてイラクで勤務するK(元幹部自衛官)の話。
 軍人ではなく武装警備員という状況がいいですね。
 過去と現在、概念や人称が入り交じった文章に最初戸惑いましたが、死と生を乾いた空気感でつづる筆致にひかれます。
 

「市街戦」文學界新人賞受賞のデビュー作。

 個人的にはこちらがお気に入り。
 
 陸上自衛隊幹部候補生学校の総仕上げの訓練である、1夜2日の100キロ徒歩行進&陣地攻撃の話。
 自衛官あるあるに共感しまくりでした(笑)。
 行軍をこういう切り口で物語化できるのかと、驚きましたよ!
 
 次回作が楽しみです!
 

 あ~、高橋弘希さんの「指の骨」のような、純文学書いてみたいです!
 浅田次郎さんも最初は純文学への投稿をされてましたからね。
 書けるとは言っていない(笑)。

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第13回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞して自衛隊ミステリー『深山の桜』で作家デビューしました。 プロフィールはウェブサイトにてご確認ください。 https://kamiya-masanari.com/Profile.html 皆様のご声援が何よりも励みになります!