3月25日の市場のブレについて―NYから

今ニューヨークに来ています。3月25日に日経平均が21000円を割れて3月初めの水準をつけるなど市場のブレが大きくなっています。簡単に言えば世界の景気減速懸念が強まりました。いくつかの景気指標がそれほど強くなかったということもあったのですが、FRBのパウエル議長などのコメントが予想外に弱気に見えて、何か市場が知らないことが経済で起こっているのではないかという疑心暗鬼が台頭したようです。
またイールドカーブの逆転も話題になっています。10年金利が低下し、3ヶ月金利を下回る現象が起こることを、イールドカーブが逆転したといいます。一般的に、イールドカーブの逆転が起こるとそのあと景気後退が起こると示唆されると言われます。しかし、イールドカーブは市場の予想そのものですから、市場参加者が景気について疑心暗鬼になっていることの裏返しでしかありません。イールドカーブを心配することは、心配を心配することです。イールドカーブの逆転は景気後退の原因になるわけではありません。FRBがインフレを心配している場合、イールドカーブの逆転はタカ派の政策で過熱を冷ますことを意味するのですが、いまはパウエル議長もインフレを心配していなさそうです。
今のところ株価指数は昨年来の景気後退懸念が強まった1月ごろの水準には下がっていません。このような懸念が先行する状況は良い景気指標や企業収益が示されることで払拭されるでしょう。5月の企業決算発表時期に景気減速懸念からの回復を期待します。

 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42902970W9A320C1000000/




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