日米の通商交渉の行方と影響は?

日米通商交渉について、4月15日からライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と茂木経済財政・再生相との協議が始まり、報道も増えてきました。物品貿易だけなのかなど、まだ交渉範囲すら決まっていませんが、重要な部分は米国からの農産物輸入を増やすか、自動車の対米輸出を減らすか、ということになります。日本経済全体からみると、自動車問題が重要でしょう。
トランプ政権は日米の貿易不均衡全体を気にしていますが、自動車についての交渉内容は、米国の自動車産業が何を政権に求めているのかに依存します。米国の自動車産業は日本にもっと輸出しようとは思っておらず、米国への自動車の輸入を減らすことに興味がありそうです。米国での現地生産やメキシコでの生産における部品の現地調達比率を増やすことなどが日本企業に求められるかもしれません。交渉結果により、短期的には、日本からの高級車輸出を減らしたり、メキシコでの生産コストが増えたりするかもしれませんが、長期的な日本経済全体への影響が大きいとはいまのところ考えていません。
また、為替操作を防ぐための条項を協定に盛り込むという点は、日本だけが求められているのではないですし、市場がぶれたときの一時的な介入による安定化を否定するものにはならないとみています。総じて長期投資に影響するものではないとみています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?