債券バブルについて

欧州中央銀行(ECB)は9月の理事会で−0.4%の政策金利を−0.5%に引き下げるなどの金融緩和策の追加を決定しました。これ自体は概ね市場の予想通りです。しかし投資家には漠然とした経済への懸念が強まっているほか、債券バブルではないかとの声も出てきました。まずバブルかバブルでないか、その時はわからないものとされます。その意味でよくわかりませんが、今バブルだから債券投資をしないと考えるほどではないと思います。債券投資はそもそも出来るだけ元本を保全することを目的とします。経済が成長するほど金利が上がるといったことがない代わりに、決められた金利と償還金を期待します。倒産リスクや為替リスクはありますが、少なくとも目的としては元本を保全しようとします。仮にマイナス金利で債券を持ったとしても、償還までにそれ以上に物価が下がるのであれば、ものを買う力は保全されたことになります。そのため、マイナスだからバブルだと説明することもできません。 市場が物価が上がらないことや実質成長率がさらに下がることを予想している中でも、債券投資の意味は変わらず償還時の購買力の維持ですから、それが目的である限り、投資してよいと思います。もちろんマイナス金利は一部の証券だけですから、他の投資を合わせて考えることも正しいと思います。投資は目的から考えることをまず思い出してください。


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