見出し画像

Creep

人間が「キモい」か「キモくない」かで分けられるなら、僕は「キモい」方なんだと思う。例えば、いまだに女性と話すとやたらと緊張しちゃうあたり。いや、職場だと大丈夫なんですよ、それは仕事だから。例えば、よく行く練馬にある和酒のお店「か和もっち」にて、女性のお客さん&ブログ読者を相手にしても(あまり)挙動不審にならずに会話できるのと同じ理屈というか。もうすっかり48歳なのでね、心の準備さえできれば、それなりに普通の対応ができるようになったのです。

ただ、「予想外の角度」からの攻撃には全然ダメでしてね…(遠い目)。例えば今から約3年前、「タマフル24時間ラジオ2017」に「映画の前売り券の特典特集」をやるために出演したんですが、途中で北村まあさアナが乱入した時は、マジで固まりました。襲撃を事前に把握していたらちゃんと「覚悟」を準備できたから、もっとスムースに応対できたと思うんですけど、不意打ちだったから…。だからね、突然、ガチを仕掛けられて対応できなかった橋本真也選手や松江哲明監督について、僕は偉そうなことは言えないとは思っております、マジで。

今年の6月26日にも同じようなことがあったんですよ。あつぎのえいがかんkiki「だってしょうがないじゃない」を観た後、TOHOシネマズ海老名に移動して「ランボー ラスト・ブラッド」をハシゴしたんですが、その帰り道で「三角絞めさんですか?」と女性2人組に話しかけられたのです。でね、思いっきりキョドってしまったーー。宇多丸さん風に言うなら「フヒヒ、サーセン」感が全開だったというかさ。男性の読者だったらそんなこと絶対ないのに、なんかね、まず先に「気持ち悪いと思われたらどうしよう?」とか思っちゃうんですよね…もう48歳なのに!

僕は姉が2人もいる上に、何人かの女性と付き合った経験もあるし(全員にフラれましたが)、今だって妻と娘とお義母さんに囲まれて生きているにもかかわらず、なぜにこの苦手意識がなくならないのか…ってのは、間違いなく中学生の時の経験が大きいと思う。あの頃はオタクオーラ全開であり、同じクラスの女子からは「いないもの」的な扱いをされていたし、基本的には僕も関わらないようにしてた。そして何よりも、口撃力が高い長姉から何かと「気持ち悪い」「ブタに似てる」などと罵られていたこともあって(※1)、「男性」としての自己肯定感はゼロであり、女子と付き合うなんてことは別世界のことだと思ってた。

あの頃、自分の気持ちを上手く言語化できなかったけど、たぶんちょっと女子に憧れてた部分があったと思う。不良が支配する学校で、TRPGのオタク同士が寄り添いながら生きるのはとても楽しかったし、救われたし、貴重な経験になったけど、とはいえ、マチズモな社会において確実に底辺にいる自分が情けなくもあった。バトル系漫画とかアクション映画とかプロレスが好きだっただけに、余計に惨めに感じることが少なくなかった。だからなのか、とりあえずは暴力と無関係(に見えた)女子たちの世界がユートピアに見えたりもして(※2)、一時は本屋でコバルト文庫とか講談社X文庫ティーンズハートとか立ち読みしてましたよ。ファンタジー小説が好きだった僕的に、「女子目線の恋愛小説」は異世界ファンタジーのように楽しめた…って、伝わりますかね、どうでもいいですかね。

クラスの女子から直接、罵られたこととか、バカにされたことはないんですけど…。「誰かがこっちを指差して笑っている」ってのは、ちくしょう、百歩譲って被害妄想だったとしても、「桐島、部活やめるってよ」の「おまた〜(嘲笑)」のようなことはあったし、“付き合いたいなんて1ミリも思わないながらも「可愛いな」と思っていた女子”と目が合った時、即座に目を逸らされてショックを受けたことは、今も強く覚えている(でも、今も「あの子は可愛かったな」とも思ってる)。もちろん、学校を支配していた不良たちの方が全然嫌いでしたが、女性への苦手意識が強烈に焼き付けられたのは、あの時期なんだなぁと。

もちろん48歳になった今では、そこまで女性が苦手ではないものの、「三つ子の魂百まで」というように、心のどこかには残っているような。不意に話しかけられると、男性の場合は全然大丈夫なのに、女性の場合は挙動不審になったりしちゃう…ってのは、残念な話。だから、Twitterでも相互フォローしている方が女性だった場合、なるべくこちらからは話しかけないようにしているのです…だって「キモい」と思われたくないからね(苦笑)。

とはいえ、でも、だがしかし。先日、つい自分からTwitterで若い女性にリプをしちゃいました。その理由は、彼女が無事出産できたから(かなり大変そうだった)。その人は僕のブログが好きでTwitterもフォローしてくれたみたいなんですが、その後、実は僕もその人のツイートが好きでたまにチェックしていたんですよね。仕事が嫌で仕方ないとか、恋愛で悩んだりとか、そういうツイートを読んでは「ああん、応援したいけど、こんなオッサンがリプや『いいね』をしたらキモいと思われそうだし、とりあえず遠くから無事を祈っておこう」とハラハラしていたし、職場を変えて精神的に安定した時はホッとした。会ったこともない人ですが、静かに応援していたのです…たぶん7〜8年ぐらい。

彼女は僕のリプに感謝してくれて。いや、僕こそあなたの日々に励まされたんですよ…なんて伝えたかったものの、ストーカーチックなムードが漂うので、そんなことは書かなかったし、もう自分から接触することはないと思います、キモいから。ただ、そういうことって、ネットの海ではよくあることなんだろうなと。誰にでも「直接、話しかけたりはしないものの、どことなく好意を持っている人」や「積極的に支援することはできないまでも幸せになってほしいと思う人」というのはいるんでしょうね。そういうのって、ネットの良い部分だと思う。

ううむ、自分でも何を書きたいのかよくわからなくなりましたが(汗)、どうなんでしょう、こういうのってキモいのかな…この文章はキモいのかな…というか、そもそも「キモい」ってなんですかね…。ただ、夜遅く10代の女子3人に「うちに来ないか」と声をかける35歳の男は「キモい」と罵られて当然なので、気をつけようね!



※1 当時、もし「キモい」という言葉があったら、間違いなく言われまくっていたと思う。長姉は、僕のために会社のコピー機を(勝手に)使って、友だちから借りたTRPGのモジュールを全ページ分もコピーしてくれたりとか、とても優しかったりするんだけど、とても攻撃的になったりもする人でもあって、僕は今でも彼女との距離のはかり方が分からない。

※2 女性は社会構造的に男性以上に苦労せざるを得ない…なんてことは、当時の僕にはわからなかったのです。

※3 花井愛子先生の「ボクのティア・ドロップス」が大好きだったんですけど、我ながらどうかしてたと思う。


誰かにサポートしていただける…。そんなにうれしいことはありませんが、日々の生活も大変ですから、気が向いた時にでもお願いします。なお、「スキ」を押していただくと、オススメのジャン=クロード・ヴァン・ダム映画が出る仕様となっております。