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My Sacrifice

実は、この「週刊連載しぐさ」は40本になったら終了して、別の「定期購読マガジン」を始めようと思ってまして。というのは、内容的にもう少しプライベートのことを書きたいので、ううむ、ちょっと嫌な文章になりますが、「僕のことをあまり好きじゃない人」は気軽に読めないようにしておきたいのです、すみません。今年からコラムニスト気取りで適当な駄文をここに垂れ流すようになって以来、毎週毎週、己の文才のなさを噛み締めていて、「人様からお金をいただくなんてとんでもない!」気分ではあるものの! でも! しかし! たぶん! 最低料金の「100円」設定なら、毎週更新すれば月平均1本20〜25円換算ということで、僕的にもそんなに心は痛まないのでは…なんてね。

それと、今週も有料記事を買ってくれた方がいたんですが、わざわざ僕の記事に500円払ってくれたり、サポートしてくれたりする人がいるというのは、かなり「必要とされている感」があって、ごめんなさい、ほとばしるほどうれしくて。もし定期購読マガジンを始めたら、このnoteのアクセス数やフォロワー数から分析すると、読者数はMAX10人程度でしょうけど(汗)、まぁ、始めてみようかなと思っている次第。ただ、ここは所詮、僕の「公開オナニー」の場でしかなく、残念ながらこれまで書いてきた文章とクオリティは変わらないので、無理に読まなくて良いと思います、マジで。

さて。今回は、テーブルトークRPG(TRPG)にハマッていた時のことを適当に書くつもりなんですけど、なかなか気持ち悪いので、そういう文章が苦手な人はここから読まない方がよござんす。僕は中学1年生の2学期に転校したんですが、「知人がひとりもいない学校」は精神的に結構キツい上に、自分から積極的に友だちを作れるタイプではなかったし、さらに不良に目をつけられて「転校初日に階段から蹴落とされる」からスタートしたイジメを適度に受けていたため、「死にたい」と思ったこともあったんですけれども。休み時間、教室で小説を読んでいたら、「何読んでるの?」と話しかけてくれた上原くん(仮名)に「『グイン・サーガ』だよ」と答えたことから、転校先で初めての友だちができたのです。

僕はそれまで「ファンタジー世界を書いた小説がボンヤリと好き」程度だったんですけど、上原くんは僕よりもはるかに詳しく、ドップリとハマッていて。彼の家はそこそこお金持ちだったので、いろいろなファンタジー小説があっただけでなく(彼に『指輪物語』『エルリック・サーガ』『クトゥルフ神話』を教えてもらった)、パソコンもあって。PCで「ウィザードリィ」をやらせてもらって、「こんなに面白いものがあったのか!」と初めてのRPGに感動したりもしたんですが、しかし。それ以上にハートを撃ち抜かれたのが、元祖TRPGの「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」でございます。

身もフタもなく書くと「ルールがしっかり決まっている、紙とペンとサイコロを使ったゴッコ遊び」的なゲームなんですけど、僕的にはPCのRPG以上の「自由度」に驚き、興奮したのです。で、もともと上原くんとつるんでいた川田くん(仮名)と一緒に、「プレイヤー」として上原くんの作った世界で遊ぶのは、本当に楽しくて。放課後、彼の家でファンタジーの世界に逃避することで、過酷な中学生活をサバイブできたのは疑いようのない事実。

ただ、僕も勉強して知識や経験が増えてくると、ううむ、彼の作るパワープレイ一辺倒のシナリオでは物足りなくなってきたし、彼の「ゲームマスター(GM/ゲームの進行役)」振りにも疑問が浮かぶようになってきたから、人間とは業の深い生き物ですよ(勝手に他の人も巻き込んだ文章)。最終的には「『D&D』のオリジナル種族にダンピールを入れるかどうか問題」と「メアリー・スー的な万能NPCを活躍させすぎ問題(名前は『ダーク・シュナイダー』)」などで揉めて喧嘩別れしちゃったのです。今から考えると、ずいぶん恩知らずなクソガキなんだけど、あの頃はバカすぎて譲れなかったんですよね…。

で、その後は、もちろん学校では「TRPG好き」なんて底辺扱いではありましたけど(※1)、一部ではそこそこブームになっていたのもあって、同じクラスに興味を持ってくれる人が何人か現れて。自分でシナリオを書いて、彼らを相手にGMをやってみたら非常に好評だったから、僕も大喜び。さらに、口コミで他のグループからも呼ばれるようになったりして、最盛期は3組掛け持ちでGMをやっていたほどだったというね(微笑)。僕は頭が悪くて弁が立たないのもあって、それまでの友人たちにはどこか「半笑い」で扱われていたムードだったけど(※2)、初めて「周囲からちゃんと尊重された」感があったのは、とてもうれしかった。

よくよく考えると、GMは「みんなに話しかけながら、ゲームを進行する役割」ということで、この時、それまで微妙だったコミュニケーション能力が一気に向上した気がします。一応、「トンネルズ&トロールズ」「クトゥルフの呼び声」「ストーム・ブリンガー」「ローズ・トゥ・ロード」「ルーン・クエスト」「ソード・ワールドRPG」なども購入したにもかかわらず、ほとんどの友人が「D&D」を好んだため(そして僕もあまりルールを理解できなかったため…)、他のゲームをそれほどプレイできなかったのは残念でしたが、とにかく僕的にTRPGのGMが「人生初の成功体験」だったのは間違いないのです。

しかし、犠牲にしたものも大きかった。お小遣いやお年玉の大部分をTRPG関連(ルールブックやモジュール、メタルフィギュア、専門誌など)に費やしていた…ってのはまだ良いとして。ゲームのシナリオを書きまくっていた分、まったく勉強しなかったから、高校受験は下から数えた方が早いところに入らざるを得なかったし、大学受験なんて論外レベルの知力でしたよ(※3)。あと、高校卒業後、友人たちが各々の道に進んだ結果、まったくプレイしてくれなくなったのは相当ショックでした。状況的に仕方ないんですけど、なんて言うんですかね、僕は情熱を燃やして時間も財力も注ぎまくっていたのに、みんなにとっては「単なるゲームのひとつだった」的な? 今でも年に2〜3回開かれる彼らとの飲み会では「この頃の思い出話」に花が咲いたりしますが、僕は「でも、みんなはアッサリやめたじゃん」と思っていたりもする、猫の額ライクに心の狭い男。

以前の僕は、この時期を振り返る時、「ああいうのからは卒業したんだよね(笑)」とうそぶいたりしてたんですけど、よくよく思い出すと、超辛かった。だって、僕が楽しんでいるように、みんなも楽しんでくれていると思っていたのに、なかなかの温度差があったのだもの。いや、その温度差にも気付いてたけど、切ないから目を逸らしてたんですよね。高3ぐらいから「高校卒業したら、誰もプレイしてくれないだろうな」って薄々思ってたし、「そりゃそうだよな」感もあって。東京に行けば仲間が見つかるとは思いつつも、僕的に「知らない人の輪に入るハードル」は非常に高かったため、心が折れて。結局、自分自身でTRPGという趣味を捨てたんですよね…。

ハッキリ言って、それからはずっと「黒歴史」にしてました。約5年半、バカみたいだったなと。多くのものを犠牲にしたのに、何にもならなかったなと。ただ、年月を重ねてみれば、ブログ「三角絞めでつかまえて」や、39歳の時に生まれた娘のマナ子(仮名/9 歳)とのお人形さん遊びや絵本の読み聞かせ、そして「タマフル」「アトロク」に出演した時などなど、意外と「TRPGをやっていた経験」が役立っている気がしないでもないから、不思議な話。特に2019年9月19日に「アトロク」の「TRPG特集」に参加できたのはとても素敵な体験だったし、それがキッカケになって神田のTRPGカフェで「クトゥルフ神話TRPG」がプレイできたのも最高でした。新型コロナウイルスのせいで棚上げにしていますが、落ち着いたらまたTRPGカフェに行って「クトゥルフ神話TRPG」をやりたいな…なんて思っております。

そんなワケで「人生に無駄なことはない」って断言できるほど、決して人生は優しくないけど、とはいえ、何かに心を燃やした経験は、少なくとも「何らかの血肉」にはなるんじゃないでしょうか、たぶん、きっと。何はともあれ、さっきは少し恨み言を書いちゃいましたが(苦笑)、拙いGMを楽しんでくれた友人たち、そして「何読んでるの?」と声をかけてくれた上原くんのおかげで「今」があるから、彼らには本当に感謝しております。そしてこの瞬間、noteを読んでくれているアナタにも感謝だし、「いいね」を押してくれたらもっと感謝だし、来月から始める予定の「月額100円の定期購読マガジン」に加入してくれたらさらに感謝…って、なんだこの着地。



※1 アニメオタクからもバカにされていたレベルでしたよ。

※2 仲が悪かったり、イジメられたりしたわけではないんだけど、「誰かをからかう時」に高確率で選ばれる感じ…って、伝わりますかね。例えば、卓球をすると、僕の時だけラリーしないでいきなりスマッシュをバシバシ打って、みんなで盛り上がるとか。

※3 高校の時はバレーボール部に所属していたし、映画やプロレスも観てたし、ゲームもやりまくってはいたんですが、「D&D」のシナリオを書くのに一番時間を割いていたと思う。ああん、やっぱりもっと勉強しておけば良かったかなぁ…(台無し)。


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